カテゴリ:ご近所物語
おとといの昼、社長は出張に出かけた。
飛行機の切符の領収書を見ると行き先は「ドイツ」であった。汗 本当に仕事で行ったのだろうか?真実は本人のみが知るのである。(ちなみに我が社の下の階の出版会社の社長も「トスカーナに出張に出かける。」と言って消えたそうである。) そういったわけで、我が社は昨日から総出をあげて忙しく働いた。 プログラマーたちはTVが見れるソフトを会議室のPCにインストール、朝からビルの屋上にあるアンテナに繋ぐことを試みるが、焦燥の時間が過ぎるばかりで、繋ぐことができない。 チロ「仕方がない、家に戻って室内アンテナを取ってくる。」と出て行き、しばらくするとほこりのかぶったアンテナを持って帰ってきた。 しかしPCにこんなステレオタイプのアンテナは繋ぐことができないので、倉庫からこれもほこりのかぶった古いTVをチプリアンが探し出してきてデザイン室の真ん中にデンッと備え付けた。スイッチを入れる。 しかし、超写りが悪い!! OOOOOOOOOOOHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!! 時計を見ると16時から始まる イタリア-チェコ戦まで1時間を切っている。我々は全力をそそいでアンテナを窓の外に出してみたり、ゴミ箱にセロテープで留めてみたり、画策をして国歌が流れ出すころ、ようやくちょっとノイズは入るものの仕方がないかと、TVを囲んで全員で座ったのだった。 結果は2-0。イタリアが勝ったとはいえ、なんだか冴えない試合だった。途中、退屈してサイトの批評を覗き込んだり、あまり集中が出来ないまま終わった感じ。試合終了は終業時間のちょっと前だったというのに、ホイッスルが鳴ったと同時に同僚たちはぶ~ぶ~言いながら帰宅したのである。 経過がどうであれ、勝ったんだからいいじゃないか? それに比べて3時間後に始まるわたしたちの試合は。。。。 わくわくどきどきだった。 日本戦って観たことないけど、これに勝たなければ後がないから、きっと選手たちは特攻精神で頑張ってくれるだろう。たとえ相手がブラジルでも。。。! 19時にちずMilanoさんとミナミの繁華街、ポルタジェノバで待ち合わせる。昨日予告したわたしが見に行く場所は、ミラノの南にあったからである。 わたし「ねえねえ、誰か誘った?」 ちずMilanoさん「うん。。。でもさ、誘った人の半分も来ないよ。」 わたし「どうして?」 ちずMilanoさん「だって遠すぎるよ、中心街から!」 そ。。。そうなのか? わたしは田舎者なのでポルタジェノバからトラムで15分なんて、余裕で中心街だと思っていたのだが?? ちずMilanoさん「それにこれって、ブラジル系のレストランじゃないの? もしものことが起こって日本が勝ったりしたら、わたしたち、生きて出てこれないよ?」 はっっっっっっっ!!!!????気がつかんかった、そ~いやこのレストランの名前、ポルトガル語っぽい!!! わたしは慌ててレストランに電話し、さりげなく店のメニューを聞いた後「これって、イタリアンじゃないですよね?」と切り出す。 レストラン「違いますよ、うちはアルゼンチン系です。」 ほ~。。。。危なかった。 ポルタジェノバでアペルティーボもそこそこに、暑さで体調が悪いちずMilanoさんを 気の毒なことに、急き立ててComuna Bairesに向かったのだった。 気持ちがはやってしかたがない。絶対「君が代」を選手たちと一緒に合唱するんだ!! 途中まで歩いてトラムに乗る。トラムの中には2人の日本人の女の子が座っていた。 そういえば、彼女たち、待ち合わせ場所で見たな。あの辺は日本人が多いからスルーして見てたけど。もしかして、もしかして。。。。広告効果があって一緒に試合を見てくれるひとたちかっ!? トラムは確かにとても中心街とはいえない、何もない運河沿いに着いた。 地図を見ながらレストランに向かって歩くと彼女たちも距離を置いてついてくる。 あ#~~~~~、やっぱり!! わたしはうれしくなって振り返り、手を大きく振って先頭に立ったのだった。 アルゼンチンレストランは古ぼけた大きな庭を持つ屋敷にあった。 垣根の向こうから「いくきーとちゃん!」とすでに到着していた友人ルミブーたちが手を振る。 大きな鉄の門を入ると庭がまるでキャンプ場のようになっていて、友人たちは無造作に並べた木のベンチでビールを飲んでいた。 ルミブー「いくきーとちゃん、こんなところどうやって見つけたの?なんだかすごいところだね。」 わたしは辺りを見渡した。まるでi puffiか、七人の小人たちの隠れ家みたいだ。これをアニメにしたらそれはそれは、楽しい森の絵が描けそうだ。 庭の真ん中に木の櫓が組まれて大きな布が張ってある。 こ、これが。。。噂のビッグスクリーンか。。。。蒸し暑いは、蚊だらけだわ、BBQを炭火でやっているおかげで煙がもくもくだわ、確かにすごいところである。 このレストランはあのエクアドルの試合を観に行ったときにチラシを貰って見つけたのだ。サイトを見れば、室内はアーティスティックでいいと思ったんだけど。。。。まさか屋外でやるとは思わんかった。スマヌ わたしはルミブーに挨拶をして後列の女の子たちを振り返る。彼女たちもおずおずと廻りを見渡している。そこでみんなで簡単な自己紹介。この彼女たちは外部お友達ayaMilanoさん そのお友達のけいこさんだった!感激!! そこからぞくぞくと日本人や日本人に連れられたイタリア人たちが集まってきた。みんな顔の広いちずMilanoさん関係者なのだが、実はその中の2人がルミブーの友達とか、狭いミラノを感じさせる日本人会のテーブルが出来上がっていった。 しかし。おっとがまだ来ない。 携帯に電話をすると「レストランのちょっと前の道で火事が起きて、道が封鎖されちゃったよ!とにかくすごい渋滞になってるから遅れる!」 げげげ。 「あ、始まるよ!」と誰かが叫んだので慌てて振り返るとビッグスクリーンで日本が「君が代」を歌いだした。しかしボリュームが低すぎて歌が聞こえない。行動の早いちずMilanoさんが店員に「ボリュームを上げて!」と頼む。しかしボリュームが上がったのはちょうどブラジルが国歌を歌いだしたところだった。怒 試合が始まり、まもなく日本がゴール! わたしたちは奇声をあげ、ビールで乾杯する。おっとにいそいそと電話をするがまだ渋滞に揉まれたまま。 しかし、みなさんもご存知なようにこのゴールのおかげで目が覚めたブラジルに反撃ゴールをされて、前半は気持ちの悪いまま終わったのだった。 休憩時間に写真を撮っているとやっとおっととヤギ仲間のペルー人チェザーレ、そしてお初のMixi友達Eriちゃんが「火事でここにたどり着くの、すごく時間がかかっちゃったよ~。」と到着して全員が揃った。 後半戦が始まった。 おっとはJFAのユニフォームまで着せたというのに、ブラジルに点が入ると「ゴール!」と叫ぶ。 わたしたちは「うっそ~っ!!」「ぎゃ~~っ!!!」と大騒ぎである。 ちずMilanoさんは怒ってしまって遠くに離れた。 わたしたちは「酔っ払わないとやってられんわっ!!」とぐいぐいビールを飲み、あちこちから日本語の野次が飛び、おっとはべネゼエラ人のウエイトレスに「スミマセ~ン、ビールクダサイ!!(日本語)」と何度も叫ぶはで、大騒ぎとなっているうちに1-4のボロ負けで日本が負けた。_| ̄|○ 日本選手、チームワークが全然なっとらんやん!! ジーコ監督の失望した顔が大写しとなる。 あ~あ。日本の夏は終わった。 わたしたちはふくれっ面で、さらにビールをあおった。 やがてレストランのオーナーであろう男性がスクリーンの前におずおずと出てきた。「日本人の皆さま、本日は誠に残念な結果となりました。ですが、ただ今より『楽焼』の実演と室内におきまして有名歌手のコンサートを行いますので気を取り直してお楽しみください。」 屋敷から音楽が流れ始めた。しかしわたしたちは誰も立ち上がらずこのみじめな敗北をいろいろと評価していると、たちまちあたりが煙くさくなってっきた。見れば、「楽焼」の器が出来上がったようである。わたしたちはさっそくそれを見て、触ってなんだか小学校の社会見学のようだった。 そうか、「楽焼」ってこんなんなのか。。。 結果的には試合はぼろぼろだったし、蚊だらけだったけど、とても楽しい会であった。 今度はみなさん、エクアドルの試合のときに集まる?(次はもうちっと中心街で探します。反省) お疲れ様でした~!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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