テーマ:我が家の小鳥(2335)
カテゴリ:自分的に、こう思う
例えばTVで「喉自慢大会」なんかがあって、どれだけ大人が上手に熱唱しても一人、幼い子供が舞台に出て、下手でもけなげに唄えば、トロフィーは十中八九でこの子供のものだ。
「ものまね大賞」なんかでも、どれだけ本人そっくりな素人が出てきても、一羽のオウムが飼い主に教え込まれたとおりの言葉をマイクの前で繰り返せば、賞金はこの飼い主のもの。 オウムにそれだけのことを教え込むのにかかった時間を考えると、まあいいのだが、それはコンクールの趣旨と外れる気がする。 わたしが言いたいのは「子供」と「動物」をダシに使うのはずるい、と。 ***** そんなことじゃなくて、昨日は会社の中が1日中騒がしかった。 というのも、きっと奥さんが事情があったのだろうけど、社長が2人の娘のうちの次女(5歳)を連れて出勤してきたのである。 社長はこともあろうにレセプションの無愛想なキアーラに、娘を押し付けてプログラマーたちと会議室に閉じこもってしまった。 「社長が娘を連れてきた!」というニュースはあっという間に狭い社内に広まったのだが、わたしがいる企画室とレセプションは距離が離れているので関係なしに黙々と仕事をしていた。 そのうち。 キアーラが企画室のドアを開けて「ここに色鉛筆なんてないよね?」と聞いてくる。 わたし「ないね。色つきのパントンペンなら探せばあるかな?どこにあるかわからないけど。」 キアーラ「わかった、適当に探すわ。」と戸棚を開け始めた。とすぐに「何してるの!?」と社長の娘がスキップしながら入ってきた。 キアーラ「あんたのお絵かき用のペンを探してるのよ。」 娘「わたしも探す!」と戸棚をバタバタ開け、中のものを引っ掻き回し始めた。 あああああ~。。。。これが社長の娘じゃなかったら一喝しているところである。 娘はすぐに飽きて「キアーラ、もういいよ!あっちに行こう!!」とキアーラの手を引っ張って企画室から出て行ったのでほっとする一同。 しかし、その前の廊下で鬼ごっこでも始めたのか、とにかくギャーギャーうるさいのが1日中続いたのであった。 子供にも同様に無愛想なキアーラを相手によくここまで騒げるものだ。 これだからイタリア人の そうやって長い一日が終わった。 セバスティアンおっとにクルマを出すよう、電話する。おっと「今日は遅くなるから迎えに行けないよ。歩いて帰って。」 ああ。_| ̄|○ わたしは仕方なく田舎駅から我が家までの長い道のりをとぼとぼと歩き始めたのであった。 道のりもやっと中腹ぐらいにさしかかると、目の前の道路の真ん中に茶色の何かが落ちている。「なんだろう?」と近づいてみると何かの野鳥のヒナだった。 大きさからいえばスズメのヒナのようだが、くちばしが長くて、足がやたらでかくて長い。そして大人になりつつあるわずかな羽根の色は、茶色、というより黒茶で白い斑点があった。 巣から落ちたか?と上を見上げるが、そばには無機質なアパートが立っているだけで巣らしいものが見つからない。 巣立ち前のヒナではない。それにしたらまだ小さすぎる。 おおかた軽いから、風で飛ばされてどこかから落ちて来たのだろう。 このヒナはわたしが立ち止まるとよちよちと近づいてきて「チーチー」と大きく口を開けて餌をねだった。 小さすぎるな。こんなヒナ、親鳥がしばらく助けてもすぐに死ぬだろうな。。。 とちょっと後ろ髪引かれつつも無視をして5歩ほど歩いた。しかしやはり気になって振り返ると遠くからヒナのいる道に向かって1台のクルマが近づいてくるではないか!? この辺りは田舎なので夕暮れの空き地ではいつも5~6匹ほどの野うさぎが跳ねていて、その中の不幸なうさぎが道路でぺちゃんこになって死んでいるのを見るのも当たり前だ。 もちろん、野鳥や野ねずみもいて、そういうぺちゃんこ死体もよく見る。 しかし、さっきまで生きていたヒナ鳥がぺちゃんこになる製造過程はやっぱり見たくなかったのか? 気がついたら拾い上げてしまっていた。 OOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO...... ひさびさにやってしまった。 わたしは子供の頃には「小動物拾い癖」があったので、これが初犯ではないのだ! 拾う動物のトップは「スズメのヒナ」。次いで「子ネコ」「逃亡してきたセキセインコ」「土鳩のヒナ」などなど。 鳥類に関しては家に持ち帰っても命拾いしていたのだが、お嬢母が大の「猫嫌い」なものだから、子ネコの場合わたしがとりあえず一晩は死守する。そして次の日には、部屋に鍵をかけて入れないようにして学校に出かけたというのに帰宅するとネコはいない、の追っかけ劇の繰り返しだった。(一度は家の前の空き地でそんな一匹が死骸で見つかって、殺ネコ者かもしれない母を長く恨んだこともある。) 話は戻して、こんな豊かな過去の経験上から言うと、こういった巣から落ちたヒナは落ちた時点で打ち所が悪かったのか、親鳥からちゃんとした餌をもらえないからか、成鳥する前に死ぬケースが多い。 もう大人のわたしは、「可愛い!」という胸キュンだけでの衝動で、みすみす死ぬとわかっているヒナを拾いたくなかった。 しかし子供の頃、向学家であったわたしがむさぼり読んだ野鳥観察本のひとつに、こう書いてあったのをはっと走馬灯のごとく思い出したのである! 「野鳥のヒナは一度人間が触ってしまったら、人間の匂いを嫌って親鳥が世話を放棄してしまうので、見つけても観察するだけで触らないように。」 ううう、触ってしまった。この時点で、このヒナ鳥の運命はわたしにゆだねられてしまったのであった。 しかたがない。 わたしは両手でヒナを抱えて歩き出した。しかし両手がふさがっているのはどうも不便だし、変なので、たまたま持っていた日本語新聞にヒナを包もうと降ろすとまたもや黄色いくちばしを精一杯開けて「チーチー」と餌をねだる。 困ったな。 わたしは道々、路傍の草に青虫でもついてたら、持ってかえってやろう、と目をこらして見て歩くのだが、なかなかそんなものは見つからない。 バカみたいに時々新聞をのぞいて「もうすぐだからねえ、我慢してクダチャイね☆」となだめすかしてようやく家に着いた。 わたしは急いでお菓子の入っている紙箱をひっくり返して空にして、新聞をひいてヒナをそっと置いた。 たちまちヒナは「チーチー」鳴き始めたので、慌ててパン粉を水でふやかしてプラスティックのスプーンの柄に乗せてくちばしに近づける。 あとは簡単だった。お腹を空かせたヒナがスプーンの柄まで飲み込んでしまいそうな勢いでかぶりついてきたので、何回か繰り返していると、鳴かなくなって目がトロンとしてきたのでスプーンを置く。 や、やばい?変なところに入って息が詰まったか??もう死んじゃうの? と一瞬はらはらしたが、心配は無用だった。 20分ほどコックリした後、また「チーチー」と羽をひろげて鳴き始めたのでホッとした。 こうしてまたもや馬鹿馬鹿しくも「こぼさず食べなチャイね~☆」などと赤ちゃん言葉を使いながら餌をやっていたのだが、だんだんこわくなってきた。 何だかよくわからないけど、 こんなに小さいのに息をしているのがこわいし、 よく食べるのもこわいし、 首筋がまさに「鳥肌」でピンクが見えているのもこわいし、 身体のワリにでかい糞をするのもこわいし、 次にコックリした後、永久に目覚めないんじゃないかと思うとこれもまたこわかった。 いつ死ぬかわからない、小さな命を相手にするのはやっぱりこわい。 しかしとにかく昨日はまるで人間の赤ん坊のように短い間隔で寝ては覚めて餌をねだり、排泄をして。。の繰り返しで、今朝起きたときもまだ息をしていたのでホッとしたのであった。 今日は昼はおっとが餌をやってくれているはずだけど、夕方まで生きているだろうか? ***** 関係ないけど、昨日のW杯準決勝戦ではイタリアが最後の最後に2点ゴールを決めてドイツに勝ってしまった!! ミラノの街中はクラクションの嵐、夜中までどんちゃん騒ぎだったらしい。 この田舎町も勝った瞬間はすごかった! あちこちで猟銃が「バーンバーン!!」と鳴り響き、驚いた近所の犬たちがいっせいに吠えまくった。 おっとは窓を開けて様子を見る。 わたし「危ないよ、うかうかしてたら流れ弾に当たって死ぬよ!!」 。。。。。。。。。。。。。。ここは戦場か? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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