テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:家探し、購入から入居まで
またもや、たいした内容じゃないのに長くなってしまったので2回にわけて日記を書こう。
*** 2度目の検証のあった金曜は、全員がぞろぞろと帰っていくと、わたしたちは気が抜けたようにへなへなとソファに座りこんだ。 おっと「もうこんなイタリア、イヤだ。エクアドルに帰りたい。」 わたし「問題が解決しない事にはこの家だって処分できないし、帰れないよ。」とおっとの気持ちはわかるのだが、ついついありのままの現実を言ってしまう。 最近おっとは「エクアドルに永久帰国したい。」とよく口に出すようになった。 2003年に結婚して新婚旅行で、我が両親という大きなおまけつきで慌しくたったの3週間で里帰りしてから3年。(このストーリーを写真付きで読みたい方はここ。) そろそろ里心がついたのも手伝っているのだろうが、これが本当の永久帰国の方向に話が進んでしまったら大いに困る。 わたしは短期間行っただけで決めつけるのもどうかとは思うが、エクアドルの、おっとの実家のある標高2800mの高山都市キトには暮らせない。 年中通して肌寒い、天気がいいのか悪いのかわからないようなうやむやな気候。 イタリアでさえ遅れているのに、それ以上に遅れたテクノロジー文明。 滞在中は何を食べても下痢ばかりして合わなかったわたしの身体。 そして同じガイコクでも、わたしにとってイタリアとエクアドルで大きく違う点は、イタリアはこんな辛い目にも会いながらしかし、自分で選んで来た国だからそれなりに耐えれる点もあるが、エクアドルにはそれがない!ということだ。 おっとと出会うまで南米に興味を持ったことも、行きたいと思ったこともなかった。そして、「ヤギ的」エクアドル人格を知ってからというもの、ますますそんなるつぼで生涯を過ごそう、なんて気は起こらない。 おっとはエクアドル人だから結婚したんじゃない。たまたまある時期 熱に浮かされて「ヤギに乗ったお兄さん」が「白馬に乗った王子様」と錯覚してしまっただけだ。 話を戻しておっとはそんなうさを晴らす為に、さっそくウイリアムに電話をかけて金曜の夜はさっさとひとりで出かけてしまった。 そして土曜の朝にへべれけに酔って帰って来て、ベッドに転がり込んだかと思うと、昼過ぎまでぐ~ぐ~寝て、ぱかっと目が覚めたかと思ったら「ああ、今からウイリアムのところに行かないと。。」とまた出て行き、日曜の朝まで戻らなかった。 わたしだって同じ状況に耐えて辛いのに、こんなことを2日間も立て続けにされるといい加減頭に来る。 土曜の夜中、「そんなにうちにいるのがイヤなら、ウイリアムの家に引っ越しなよ。わたしは全然問題がないから。」と思わず携帯にメールを送ってやった。でもこれって、すごく日本人的な行動だなあ、とすぐに自己嫌悪に陥った。 すべてのエクアドル人がそうなのかは知らないが、おっとには「文章や言葉に含まれる嫌味」が理解できない。なんでも素直にそのまま受け取るので、時には嫌味に喜ばれることもある。 もしかしたらこの流れで本当にウイリアムのところに引っ越してしまうかもしれない。 一人っ子のわたしはひとりでいるのが好きだし、長い下宿生活で一人暮しには慣れているけど、こんな田舎の納屋で、もしなにかあったら。。。と思うと、やっぱりこわい。 以前、東京のど真ん中のワンルームマンションで一人暮ししていた時、ある夜中に具合が悪くなって立つことも出来なくなった事がある。 そのとき、電話まで這いずって呼吸も困難な中から119番に助けを求め、救急車が来た時も、またもや這いずってやっとの思いで鍵を開けた。即刻入院が決まって、何も用意していなかったわたしは、鎮痛剤を打ってもらって熱で朦朧とする頭を抱えながら家に戻り、パジャマをかばんに詰め込み、近所のコンビニでいろいろ揃え、支度して病院に戻った。 あの時の不安と情けない気持ちを思い出すと、都会ならともかく、こんな田舎の一軒屋で一人で住みたくない。 そんなことを悶々と思いながら寝つかれずにいると、玄関のほうでかさこそと音が鳴る。 泥棒? これだから、独りはイヤだ~!! わたしは電気をつけて、抜き足差し足、玄関に近づいた。 音はぴたりと止んだが、かさっと気配がした。 外じゃない、扉のウラだ!! わたしは手元にあった殺虫剤を掴み、ブシュ-ッと噴射した。 茶色のものが飛び出してきた。 ごきぶりか?と思いきや、なんと 小さな薄茶色のねずみだった!! 「きゃ~☆ね、ね、ねずみっ!!」 と聞く人は誰もいないのに悲鳴をあげるわたし。 ねずみなんて、外でぺちゃんこ死体か、近所の猫の口にくわえられたもの以外、見るのは初めてだ。うちの屋根裏に1匹住みついているようだが、家の中では長い人生で一度も見た事がない。 そういえば、前日から家の中で黒い結構大きなゾウムシのような虫が、潰しても潰してもいくらでも出てくる。 精神的に参っていたわたしは「もしかして実はわたしは死んでいて、腐った身体から湧いて来てるんだろうか?」と思っていた。 しかしねずみが出てきたすぐそばの暖房装置の下にコンクリートの破片を発見し、裏側をのぞくと排気口のフタがはずれていて、ここから侵入したのだと理解した。 そういえば、夕方ベランダに行くとスズメバチがいて、こわくて鉢植えの水遣りが出来なかったし、きっと金曜日に屋根の上を弁護士たちがどたばた歩き回ったおかげで、びっくりした屋根裏の住人たちが下の階に逃げてきたのだろう。 ねずみは猛スピードで走り、物入れにある洗濯機の下に潜り込んでしまった。 ごきぶりなら、ひたすら殺虫剤をまけばいいけど、ねずみはどうすりゃいいんだ? 洗濯機を叩いたり、下を靴べらでさぐるが、一向に出てこない。っつーか、出てこられてもどうしていいかわからない。 ああ、眠い。 わたしは物入れの扉を閉めた。 面倒くさい。朝、おっとが帰ってきたら処理させよう。とベッドに戻った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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