テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:イタリアお役所戦記
前回の日記ではみなさん、ハラハラしました?
ハラハラついでに現在の状況を教えましょう。 滞在許可証はまだ取れていません! きっぱり。 え、期限は6月20日と書いてあったはず? その通り。すでにわたしたちは「不法滞在者」!! なのだが、一応現在の法律では「滞在許可証の期限が切れてから2ヶ月までは滞在可。」ということになっている。2ヶ月、といえば8月20日まで。つまりマジで秒読み段階である。汗 あのうさんくさい業者を出た後、わたしはすぐに行動を開始した。 おっとの代わりにおっとの会計事務所に電話をして、せっつき、1週間以内でおっと用の書類を作成してもらうように手はずを済ませた。 次の日午前中は、市役所に出向いて結婚証明書や住民票などの必要書類を揃え、我が社に着いてから、業者にもらった一覧表と白紙の申請用紙を秘書課に持っていく。 秘書のおばさんは「わかった、すぐやってあげる。」としげしげと書類を見つめ、あら?とわたしを呼んだ。 「これ、おかしいんじゃない?この申請用紙は我が社があんたを正社員で雇用しているという証明書用で、しかもこれをペルフェットウラ(さまざまな書類を公認する役所)に提出しなければならないって。。。うちじゃ、それは出来ないわよ。文書偽造になっちゃう。あんた、ちゃんと業者にあんたが契約社員って説明した?」 わたし「しましたよ。その上でこの申請用紙をくれたんです。」 秘書のおばさん「ちょっとその業者に聞きたいから電話番号教えて。」とさっそく電話をかけた。 数分後。 わたし「どうでした?」 秘書のおばさん「わたし、念の為にクエストウラとペルフェットウラにも確かめたのよね。クエストウラは返事がなかったけど。。。ちょっとこの業者、怪しいんじゃないの?ペルフェットウラに言わせると、そんな書類は契約社員にはないって。 わたしが思うにあんたは扶養家族だから、こんな書類要らないんじゃないの? それを業者に言ったら「念のため」だって。しかも申請用紙を間違えていたから送りなおすって言って来たんだけど、そんな「念のため」にうちは書類は作成できないわ。どうする?」 どうする?って。。。。 わたしが最初に疑問に思った事は当たった。前回もわたしの会社の書類なんて要らなかったのだ。 わたしは業者に、というよりもこんな業者にホイホイと前金を払ってしまったおっとと、それを許してしまった自分に憤りを感じながら「むむむ。。。じゃあいいです。」と答えるしかなかった。 そんなハプニングがあっても1週間後にはすっかり書類が揃った。 わたしたちは急いでおっとの所属する宅配会社の特急便で書類を業者に送ったのだった。 特急便は出した次の日の朝に業者に届くはずである。わたしは次の日の午後に「書類は着きました?」と確認の電話を入れた。 業者「ごめんなさいね、午前中は出かけていて不在票がポストに入っていたのを今見たの。すぐに受け取りの電話をしますから。」 そうか、しょうがないな。 わたしはそこから2~3日待った。先日の話だと「書類が揃い次第、すぐにクエストウラに行く日時をお知らせします。あなたたちは指定された時間に来て、署名していただくだけで結構ですから。」と言っていたのに一向に電話がかかってこない。 4日目。 わたし「あの~、いつクエストウラに行きます?」 業者「ごめんなさい、宅配のひとが来るとき、いつも留守でまだ受け取れてないの。」 ハア!?仕方がないな。わたしは焦りながらも「早く受け取ってくださいね。」と電話を切った。 6月19日。滞在許可証の切れる1日前。宅配便を送ってから3週間近くが経過していた。かなり怒って電話をするわたし。 業者「まだなのよ、まだ!いったいこの宅配便はどうなっているのっ!?」←逆切れ わたし「この宅配は配達日時を指定できるんですよ?それなのになんでまだ受け取れないんですか?!」と負けずに咆える。 業者「運が悪くてね、指定した時間内でほんの5分ほど外出して帰ってくると、もう不在表が入っているのよ。」 そんなのウソだ! わたしは仕事中のおっとにそのことを告げた。おっとは珍しく「うお~!なんだとっ!?」と口から火を噴きそうな勢いで爆発した。 無理もない。あんなに高いお金を払って、しかもそのことで毎日のように妻にネチネチ言われ続けている、というのにすぐに動かない業者に怒りは数倍になって向いた。 おっとはすぐさま業者に電話をしたらしい。 そんなおっとの怒りに押されて業者は宅配便にすぐ電話をかけ、いつもの5分の外出もすることなくその日のうちに書類を受け取ったのだった。(きっと今まで電話の1本もかけてなかったと思われる。)怒 その夜には業者が「では7月4日朝8時半にクエストウラ前にお越し下さい。」と今までになく慇懃にわたしに電話をしてきたので、どれだけおっとが爆発したか、想像がついたのである。 7月4日の朝。 落ち着きなくクルマに乗り込んだのだが、クエストウラが近づいてくるとちょっと余裕が出てきた。 わたし「なんやかんや言って、業者に払うお金の意義って、クエストウラの列に並ぶ為にあるのよね。だってあのお姉さん、ただわたしたちの書類を集めただけじゃん。」 おっと「そうだよね、結局書類は自分たちで用意したんだし。これで書類不足なんかで追い返されたらあの女、ギッタギタだよ。」 8時半きっかりにクエストウラの前に着くと、ものすごい長蛇の列である。クルマで業者のお姉さんの姿を探しながらノロノロと列の横を走るわたしたちをのぞきこむような荒くれ系ガイジンたちの目がこわい。 幸い、そんなに離れたところでない場所にスペースを見つけてクルマを停めた。 クルマを降りるとすぐさま、小汚いジプシーのような女性がふたり近づいてきてわたしは硬直した。 しかしそのうちのひとりが「マルちゃんさん!」と呼んだので、彼女たちはただ、薄黒く日焼けしたあの業者2人組だ、と気がついたのであった。 わたしは落ち着いて近づいてくる彼女たちを見つめた。こんなところに来るから、変装してきたんだろうか?それともただの日焼け? 業者「今日はダメでした。」 ハ? 業者の弟子「クエストウラの規則ってコロコロ変わるから。。。」 ?? 業者「わたしたち、昨日の夕方から来て、1番の番号札を取って、夜中じゅう並んだんですよ!でもね、マルちゃんさんたちのお住まいの管轄はまず予約を入れてから出ないと受け付けてもらえないって言われてしまいました。」 業者の弟子「寒かったわね。。」 OOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO???????????????????? わたし「。。。。そ、それご存知じゃなかったんですか?」 業者「一応確認の為に、お宅の管轄の市役所には電話をしたんですけどね。いつも繋がらなかったものですから。。」 おっと「ハア。。。となると今日は無駄足、と言う事で?」 業者「そう言う事になります。その旨、6時ごろにマルちゃんさんの携帯に電話したんですけど、切れてましたし。で、ここでマルちゃんさんたちに管轄の市役所に行って予約を取っていただきたいんですけど?」 おっとは怒った。「ちょっと!そういうことをしている時間がないから大枚払って、おたくに頼んでるんでしょ?あなたが行くのが当然でしょう!」 業者「でも電話しても繋がりませんし、管轄の市役所は知りませんし。。。」 こ。。これでプロ?このやりとりを聞きながら、こんな無能な業者に大枚をニコニコとして払ったおっととそれを許してしまった自分に怒りがこみ上げる。 わたしは飽きれて手帳を取り出した。 わたしたちの住む地区、というかミラノ郊外に住むガイジンのほとんどは予約制である。クエストウラに予約がいることなんて、業者としては当たり前に知っていて、わたしたちの依頼を受けてすぐに予約したものだと勝手に思い込んでいたから、滞在許可証の期限が過ぎても郵便物をなかなか受け取らない彼女の態度に怒っていただけで、それ以上のものはなかったのだ。 当然わたしは、去年の時点で知っていて、市役所の外国人課の電話番号も開館日も手帳に控えてある。 わたしはそれを書きとって業者に差し出した。 業者「あら?わたしがインターネットで調べた番号とは違うわ。」とぶつぶつ言いながらそのメモをしまいこんだ。 わたし「いつ行きます?」 業者「今日はこれで潰れたわけですからすぐにでも行きますわ。」 わたし「今日は市役所の外国人課、開いてませんよ。明日必ず行って下さい。もう滞在許可証の期限が切れてるんですよ?」 業者「。。はい、明日は他に用事があるんですけど、お急ぎなので何とかします。」 お急ぎなのでじゃねえっ!! ほんとにもうっ!しっかりしてよ!! この日は仕方がないのでわたしは気が抜けたまま、有給を取ったというのにそこからトラムに乗って真面目に会社に行き、おっとは普段わたしに頼んでいる会計士やら銀行への用事を済ます為にクルマに乗り、てんでばらばらで解散となったのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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