テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
8月14日(月)
この日は飛び石連休の真っ只中とはいえ、ルイス夫婦はそれぞれ仕事に出かけていった。 朝から肌寒くて、雨が降ったり止んだりしてどうもすぐれない天気だ。 カティちゃんはベランダに出て空を見上げながら「ねえ、今日は海に行ける?」と聞いた。 わたし「さあ、天気が悪いからわからないね。」 カティちゃん「あ~あ。」 おっと「ねえ、今日はどこに行く?」 前回にも言ったが、おっとはルイスがいると家事もなにもしなくなる。 出かけるのもすべて、彼の言いなりだ。 しかし彼がいなくなると次の順位は「妻」になるようでわたしになんでも聞いてくるようである。 この日はルイス夫婦がいないのでローランド一家とカティちゃんと一緒にどこかに出かけることとなったのだ。 わたし「知らないよ、あんたローランドたちときのうあんなに喋ってたのに、何にも決めてないわけ?」 おっと「旅行はきみのほうが立てるのがうまいでしょ、考えてよ。」←おだてているようで考えるのが面倒なだけ わたしは考えた。 このうっとおしい天気だと、泳げる確率はかなり低い。 泳がずにリグリア海岸を満喫するとなると。。。 去年お嬢母と2人で行ったチンクエテッレかな? チンクエテッレは5つの小さな可愛い村がリアル海岸沿いに点在していて、そこを遊覧船や電車、徒歩など自由なやりかたで廻るのが楽しい。 さっそくロードマップを拡げると、ジェノバから約80kmほど、つまりクルマで1時間ぐらいの距離だ。子連れとはいえ、日帰り遠足にぴったりではないか? 去年と違って「夏のバカンスらしいことが出来る!」と思うとワクワクしてきた。さっそくおっととカティちゃんに提案してみる。 おっととカティちゃん「うわ~、行きたい!そこ、泳げるところでしょ?」 わたし「え。。まあ、泳げるところもあるにはあるけど。」 おっととカティちゃんは喜び勇んでこの薄ら寒いのに、水着に着替え始めた。 _| ̄|○ とりあえず泳げる浜もあるけれど、この天気を見て、泳がず楽しめる場所で決めたのに。(ひとの話を聞いて欲しい。涙) 陸上競技場でバレーボールをするようなものだ。 2人がそうなのでやや失望しながら、わたしも水着をとりあえずバッグに詰めてローランドの家に行った。 ローリーはいなかった。昼の2時まで仕事らしい。(先に教えてくれよ。)彼女が帰ってきてからチンクエテッレ巡り?できるやろうか? やがてローリーが帰ってきた。 それから支度をして、 チンクエテッレの正当な楽しみ方を説明しているのに、全員水着に着替えて。。。怒 とにかく出発と相成った。 高速道路をかっとばし、5つの村のひとつめ、モンテロッソに一番近い出口で降りる。 高速道路の出口からそんなに遠くないだろう、と地図で判断したのは間違いだ。山道を登ったり降りたり、海が見えるところまで来た、と思えばどんどん離れて山の頂上まで行き。。。 遠かった。 知っていたならジェノバから電車で来ればよかった。電車ならトンネルをくぐり、海のそばの各5つの村の中心地に着くことが出来る。 やっと海のそばに着いてクルマを駐車場に停めた。 海は息を呑むほど鮮やかな空色とマリーンブルーの2色だ。 ヤギたちはは「うわ~っ!!!!」と服を脱ぎ捨て、海へと飛び込んでいった。 待てっちゅうねん!! ただでさえ、家を出てきたのが遅いのに、ここで泳いでしまったら、5つの村めぐりが出来なくなるではないか!? 時計を見ると4時を廻っている。 4.ジェノバで名所旧跡を巡れる、なんて期待をしてはいけない。 ああ、ジェノバを離れてきてもそうなのか。_| ̄|○ こんなことなら、ジェノバから2時間近くもかかったチンクエテッレまで来なくても、近場で済ませときゃ、ガソリン代も節約出来ただろうに。。。 ぶつぶつ思いながら、わたしもクルマの中で着替えて海に入る。 空は曇り、海の水は冷たく、波は荒かった。 おっととローランドたちはすでに唇を真っ青にして、ぶるぶる震えながら上がってきたが、陸も潮風が強く、ビーチタオルにくるまって動かなくなってしまった。 わたしといえば、足を水につけただけで「冷たい、絶対入らない!」と言っているのに、まるで海の亡霊のような子供たちに足から引きずりこまれ、襲ってきた高波を思いっきりかぶり、気がついたら水中でアップアップするはめとなったのだ。 あまりの波の高さに監視員が「みなさん、危険です!上がってきてください~!!」と叫んでいる。 しかし波にめちゃくちゃに揉まれて、姿勢が整えられない上、海の亡霊たちに腕と足を掴まれ、水中から逃げることができない。 何度目かの高波が襲ってきたときに「あ~れ~。。。」とわざとらしく言って、その場から逃れるために沖へと泳いで逃げたのだが、それと同時に浮き輪のミッシェルちゃんもキャッキャ笑いながら沖に流されてしまったので、慌てて追いかけた。 荒波の中を本気で浮き輪をつかんで救助しているわたしの頭を本気で沈めようとする彼女。 浜を見れば、両親はタオルに包まって、おっととのおしゃべりに夢中で、この状況にも気がつかない。コノャロ) いい加減にしやがれ!! わたしは嫌がってジタバタするミッシェルちゃんを腕に抱えて浜にあがり、両親の前に放り出し、タオルを身体に巻いて座り込んだのだった。←カティちゃんも独りはイヤだったらしくついてきた。 3.今年は本気で子供たちの相手をしてはいけない。 まったく前もって誓いをたてたというのに。 このあとわたしたちは着替えて5つの村を結ぶ遊歩道に出る。 ここまで来たんだから、せめて、せめて。。。あともうひとつの村ぐらいには連れて行こう!! ヤギたち「お腹すいた。バールでなんか食べよう。」 ああ。_| ̄|○ まずヤギたちはパニーノを注文し、それでも食べたらず、パスタを注文し、ジェラートを潮風に震えながら食べて。。 ローリー「今日の夕食は絶対なにがなんでも中華ね。」 おっと「そうだな、もう夕食の時間だし、帰らないと。」 えええ!たった今、食べ終わったばっかりやん!?他の村はどうなるのっ? おっと「だってもう時間がないよ、こんな遠くまで来ちゃったんだからもう出発しないと。ルイスたちも待っているし。さ、帰ろう。」 ああ。_| ̄|○ ああ。_| ̄|○ ああ。_| ̄|○ ああ。_| ̄|○ ああ。_| ̄|○ ああ。_| ̄|○ 4.ジェノバで名所旧跡を巡れる、なんて期待をしてはいけない。 そりゃあ、わかっているけど。。。。 ジェノバのルイスの家に帰ると、ミリーがすでにごはんを炊いていた。 ミリー「ローリー、そこの野菜を切ってちょうだい。」 ローリーはにこりともせずに野菜を切り出した。この日も中華計画はつぶれた。 食事の後、わたしたち大人は小銭を賭けたトランプを始める。 いつもは不運のわたしたちがおもしろいように、勝ってばかりなのだ? 前日よりも少し早い夜中の2時にはわたしとおっとの前には小銭の山が出来ていた。 あああ~、神様!こんなところで幸運を無駄使いさせないでください!!!! (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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