テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
おととい、とうとうブラジル人のエルトンの奥さんが家から出て行った。
エルトンが銀行に借金までして、奥さんの新しい家の保証金、頭金、家賃を算段したそうだ。 前にも書いたが、エルトンは3年前にわたしたちの1ヵ月後に結婚して、1年半前わたしたちの2ヶ月前に家を購入した。 だから他人事とは思えない。 おっと「離婚したら、どうするの?あの家売るの?」 エルトン「計算してみたけど購入後5年までは税金や利息だけ払う感じだから、今売っても、利益どころか手放した家に払い続けなくちゃいけないことになるから、住み続ける事にしたよ。」 そうか~。 あの家のペンキ塗りや、家具の組み立て、手伝ったんだよな。 壁は奥さんの希望でサーモンピンクに塗ったし、家具も花柄ねこ足ソファとか、奥さんの趣味でカントリー調に揃えた、というのに。。。 そんな家に奥さんなしで暮らすのは辛そうだ。 しかし残念だ。彼らもあと1ヶ月一緒に居れば、結婚3周年だったのに。 そうなのだ。そんなおとといはくしくも我々の結婚3周年記念日だった。 今までの記念日はどんなに阻止しても、おっとの友人つき「なんの会だかわからない」お食事会であったが、昨日は珍しくも2人きりで外出することに成功した! 成功の鍵は、今までのように「平日じゃ気ぜわしいから土日に日をずらそう。」なんて妙な考えを起こさずにその日に行ったことである。 ちなみに: 1周年 2周年 おっと「行った事無いけど、隣町のはずれによさげなトラットリアを見つけたからそこに行こう。」 仕事の後、シャワーを浴びて着替えて、さっそくGO! 真っ暗な田舎道を走ること3分後。 「ギャン!」とわたしが座っている助手席側のタイヤの下から音がした。 「なに、今の?!」と振り返るとすでに後方にバックライトに照らされて小さな黒い塊が見えた。 おっとは平然と「ねずみを引いたな。」という。 ううううう、出発3分後から血まみれなようで。。。。 気を取り直してトラットリアに着いた。 そこは幹線道路から畑に囲まれた舗装されてないでこぼこの細道を入り込んだ田舎家で、明かりは玄関灯と2階の2つの窓以外点いていない。 わたし「。。。本当にここ、トラットリアなの?」 おっと「。。。たぶん。」 確かめてから来いよ。怒 わたしたちは隣町の中心にすぐ引き返した。 うろうろとクルマで路地をさまようおっと。 時計を見れば、もう夜の9時10分前だ。このままではいけない! この間もこういうパターンでどこに行くと決めることなく、どこにも行けずに夜が終ってしまって、大喧嘩に発展した。 そういえば、外観はいまいちだったけど、さっき開店しているレストランを見たな。そこにしよう。 おっと「あそこは開いてるのがわかってるからもうちょっと他を探してみようよ。」 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!! 運転権のないわたしはいらつきながらおっととさらにさまようことになった。 ぐるぐる街中を廻っているうちに教会の後ろになんだかしゃれたところを発見!「アルベロ ディ ノーチ」というところだ。 おっと「バールかな、それとも食事が出来るかな?」 イタリア在住者には今更説明することもないが: バール いわゆる喫茶店。でも日本のように長居は相当の常連でないと難しい。食べ物は昼の定食以外はつまみぐらい。夜はカクテルを出すところもある。 ピッツェリア 文字のごとくピザが食べられる。ピザのほかにもプリモピアットなども気安く食べれるカジュアルなレストラン。 トラットリア いわゆる普通のレストラン、食堂。ユーロになる前まではもっと気安く入れたのだが、ユーロになってからずいぶんと値上がりして入りにくくなった。 リストランテ 高級レストラン 入り口で「食べれますか?」と聞くと意外にフレンドリーなお姉さんが「ええ、どうぞどうぞ。」と中に迎えてくれる。 スノッブな感じはミラノによくあるハッピーアワーもありそうなバールだが、どうもリストランテっぽい。 うわ~、カードで払えるよね、ここ。。と貧乏くさい考えが湧き上がり、そっとドアを確認すると各種カード会社のシールが貼られていたので安心した。 お姉さん「アペルティーボ飲みます?」 いつもなら財布の中身と相談して「いいえ。」とさりげなさを装いながら断ってしまうところだが、この日は結婚記念日だ。「はい。」と大きくうなずいた。 お姉さん「では、こちらへ。足元が暗いですからろうそくを踏まないように気をつけて降りてくださいね。」 と連れて行かれた地下室は、それはそれは味のある大きなワイン貯蔵庫だった!←最近、なにかと縁があるなあ。 お姉さん「ここは1400年代の精肉屋の地下貯蔵庫を修復して使っています。」 わたしがお姉さんに聞かれて「白のセッコを。」と答えて出された白ワインはよく冷えていて香りが甘いのに、辛口の、シチリア産のワインだった。 おっとは赤を頼んだのはいいものの、あれやこれやとわけのわからない希望をだして、2種味見したが、赤なのに食前酒らしく、どちらも軽くておいしい。 つまみはすべてここから近いベルガモの山産のチーズとサラミ。 我々はすでにワインと雰囲気に飲まれてほろ酔いになって地上にあがり、席に着いた。 ワインメニューは辞書ほどの厚さがあるのに、食事のメニューの数は少なくて、わたしはアンティパストにタコのマリネ、セコンドに子牛のフィレ肉きのこあえを選ぶ。 タコはちょっと酸っぱかったが、子牛肉は新鮮なきのことのハーモニーがたまらなくおいしかった。 おっとは、プリモにかぼちゃのクリームを詰めたラビオリと、セコンドに煮込み肉のポレンタ添え、と山の中のようなメニューを選択。 どちらも田舎料理なのに、くどくなくおいしかった。 ワインはピエモンテ産のバルベーラ・ダスティの2000年もの1本。(ちょっと違うけどこれ↓) 大きな薄いワイングラスで飲む。うう~ん、ちょっと重いな。 食器は全部白なのに、形も厚みも違っていて楽しめた。 特に3周年の抱負を語り合うこともなく、話題はショッキングなエルトンの家庭事情のことばかりだった。 ひさしぶりに日本人的なちょっとクラスが上な気分に浸っていると言うのに、おっとは始終「会計いくらになるか、ジェラート賭ける?」と聞いてきて、ムードをぶち壊す。怒 おっと「ぼくは70ユーロぐらいだと思うな。ね、ワインは飲みきれないからお持ち帰りしようね?」 わたし「。。。100ユーロ。」 淹れ方も完璧だったおいしいコーヒーを飲み干した後、問題の請求書が来た。 93ユーロ+チップ5ユーロ=98ユーロ 賭けはわたしがほんの2ユーロ違いで勝った。(こんな番組、昔あったな) しかし、この頃にはもうジェラートなんて入る余地はどこにもないぐらい、お腹いっぱいになっていたので勝ちは放棄したのだった。 おっと「1年に1回ぐらいはこういうところもいいな。」 わたし「。。。。。そうだね。」 わたしは1年に何回もこんなところに来れるようになりたい。 会計のことばかり話しながら食事をしたせいか、食べ過ぎて飲みすぎたせいか、この日はこんな夢を見た。 結婚記念日の朝、わたしたちは銀行に入っていくのだ。 おっとが「どうしよう?」と頼りなくいうので、わたしが「任せておいて。」とポケットから拳銃を出して、窓口のお姉さんに突きつけ「金を出せ!」という。 窓口のお姉さん「現金なんてうちは扱ってませんよ。」 わたし「あ。。そうですか。どうしよう、現金は扱ってないって。」とおっとを振り返る。 おっと「あ。。。。。じゃ、やめよう?」 わたしたちはそのまま、愛想笑いをしながら銀行を出て、前記のレストランで食事をし、ほろ酔いになって、なぜかわたしの会社に戻って同僚たちと楽しくおしゃべりをした後、自分のPCの前に座って、またおっととなごやかに喋り続ける。 するとまだ同僚たちの笑い声が聞こえる廊下から男がひとり、おっとの背後から入ってきた。 わたしの麦わら帽子を持っている。 男「これはあなたのですね?」 わたしはすぐにこの男が警察だとわかった。気まずくなって「え~っと。。。」と口ごもっていると、今度はわたしとおっとの身分IDのコピーを出してきた。 男「あなたたち、今朝銀行に行きましたね?」 しまった~!!見つけられた! しかし朝の犯人、夕方にしか見つけられない警官って、やっぱりとろいな。 でもどうしよう、ここでこいつを突き飛ばして逃げるか!? 。。。と、はらはらしたところで目が覚めた。 わけのわからん3周年のしめくくりの夢。 4周年もあるやろか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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