テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:イタリアお役所戦記
古い滞在許可証を促されるまま担当のおばちゃんに渡す。
おばちゃん「ああ、覚えてるわ。この間は代行業者が来たわね。」 わたし「ええ。でもダメだったんです。おっとは書類の期限切れ、わたしは会社の契約書が違ったんです。でもどういうことでしょう?前回こちらで作成された予約表には『契約社員用』って書いてあったのに。」 おばちゃん「代行業者と話し合ってね、そんな書類を作成してみたの。そうなの、契約社員はダメだったのね。だから保険に『扶養家族用』の書類も渡したんだけど。」 わたしは唖然とした。代行業者はそんなこと、いっさい言わなかった。わたしはいいようにモルモットにされたわけか!? わたし「ええ、ダメだったんです。というわけでわたしたち急いでいるんです、緊急事態なんです。もう有効期限が過ぎてしまったんですよ!!急いでクエストウラに行かないと。。まだ更新できるんですか?わたしたちのせいじゃないのにっ!!!」 わたしは極度の緊張状態でヒステリックになって涙目になって訴えた。 おばさんは顔を曇らせて滞在許可証に目を落とした。「なんだ、まだ切れてから2ヶ月と4日?」 わたしたち「は?」 おばさん「う~ん、わたしはクエストウラの人間じゃないから保障はできないけど、今までの経験からすれば切れてから2ヶ月と4ヶ月、つまり6ヶ月のひとも大丈夫だったわよ。」 わたしたち「そ、そうなんですか。。。」 なんだ、今までの心臓破りのドキドキは? じゃあ、さっきのルーマニア人の友達の話はいったい何だったんだ?! おばちゃんはPCにわたしたちのデータを書き込んでクエストウラの予約表を覗く。 しかし。 超遅い。キーボードを打つ指が、まるでスローモーションを見ているようである。PC初心者よりも更に遅いであろう、という亀のような、ナマケモノのような速度だ。 イライラする。わたしが替わって打ってあげたい!! しかもそんな中、誰かおばちゃんのドイツ友達から電話がかかってきて、ドイツ語で楽しそうに話し始めた。前の人たちがあんなに時間がかかったわけがわかったよ。 外にはまだたくさんのガイジンが自分の滞在の安否を気遣いながらハラハラと待っているというのに! やっとおばちゃんはずれたメガネをかけなおしてPCをじっくり覗き込んだ。「予約は1ヵ月後になりますね。」 わたしたち「遅すぎますよ!」 おばちゃん「大丈夫ですよ。前回の予約表のコピーはお持ち?それを持っていて事情を話せば問題ないと思いますよ。」 わたし「でもそれは保障はないんですよね?どうにかもっと早くなりませんか?」と向かい合わせのデスクから身を乗り出す。 おばちゃんはちょっとうっとおしそうに首を横に振った。ああ、もうちょっとねばらないと! おっと「しかたがないですね。それでお願いします。」 それでお願いします、じゃないよ~!おっと、どうしてもっと食い下がれないの!? 結局1ヵ月後の日程で、予約表がプリントアウトされた。 わたしはムカムカしながらその足で会社に行き、カッカしながらFAXで予約表を代行業者に送りつけた。前回までは、その上丁寧に電話をかけて「お願いしますね。」と頭を下げたのに、今回はもうこれ以上、代行業者の女狐と言葉を交わす気も失せていたのだ。 そしてやっと1ヵ月後の9月28日。 それまで1ヶ月間、代行業者の女狐はウンともスンとも言って来ず、やっとわたしが3日前におっとをせかして電話させて「約束忘れるなよ。今度あかんかったら、半殺しやで。」という意味をおっと得意のオブラートに何重にもくるんだ言葉で言わせる。 当日クエストウラ開門30分前。 やれやれなことに女狐は順番2番目の列で待っていた。これぐらいはしてくれないと、大枚払った意味が本当に皆無になる。 今更遅いとはわかっているが、女狐に書類のコントロールを促す。 今回はやはり3回目なだけあって、全部OKのようだ。 クエストウラが開門された。 当然のごとく我々の番はすぐに来た。 前回、警官の開口第一声に言われた言葉をまた言われる。「日本人はここじゃない!中央警察に行きなさい!」 わたしおっと女狐「前回も言いましたが、彼女はエクアドル人の扶養家族なんです!」 毎回類似なことが起こるたびに「どうしてわたしのおっとは日本人じゃないのだろう。」と歯がゆく思うシーンである。つまり、日本人は他のガイジンよりずっと優遇されているため、いろいろな公的手続きがエクアドル人より遥かに簡単なのだ。(その事実を知らない日本人の甘ちゃんな愚痴を耳にするたびに怒ってしまう短気なわたし) 今回の警官はちょっと気安い感じの男であった。おっとに振り向き「ああ、あんたもてっきり日本人だと思ったよ。なあ。」と窓口の同僚に意見を求める。 そして次に警官「なんだこの滞在許可証は?有効期限がとっくに切れてるじゃないか!?」 わたしおっと女狐「それは前回ダメ出しされたからです!」と前回の予約表のコピーを表示する。 警官「むむむ。。」 警官は嫌がらせ(?)の材料をなくし、やっと山のような書類に目を落として見始めた。 女狐はさすがに百戦錬磨らしく落ち着いて、警官が叫ばんでもいいのに「昨年の税金の支払いの控えは!」などと叫んでも落ち着いて「はいはい」と提出している。しかしここに来る前、わたしだって10回ぐらい書類をチェックしなおしたのだ。わたしもこれぐらいのことは出来るぞ! 結局は気が抜けるほど簡単にパスして、20日後に発行される滞在許可証の受け取り証を手にすることが出来たのだった。 やい、代行業者!まったく、ふざけんなよ。ぼったくり。金返せ、女狐、目ぇ開いて仕事せいやっ!!!!!!と、さまざまに浮かんでいた、この言葉集が受け取り証を手にしたとたん、一瞬は消えた。 おっとは涙目になって女狐を抱きしめた。「。。。ありがとう!!」 女狐も顔をほころばせて、おっとを抱きしめ返した。 わたしはそんな彼らを冷めた目で見た。やっぱりわたしもこんなぼったくり詐欺野郎にとりあえず礼を言わなきゃいけないのだろうか? そしてめちゃくちゃギクシャクしながら「今回はどうも。20日後の受け取りのときもよろしく。」というのが精一杯であった。 さて20日後。 問題なく我々の滞在許可証は受け取れるであろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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