テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
ミラノも朝晩、空気が冷たくなり、吐く息も白くなってきた。
仕事も忙しく、なんだか気持ち的に落ち着かなくて書かなかったが、ここのところたくさんの日人と会った。 皮切りは先日から3ヶ月の予定で長期イタリア一週旅行をしている、ここのコメント欄でもお馴染みの謎探偵さん(最近はらふぁえろさん)。 先週まで我が家に10日ほど滞在し、ロンバルデイア州とその周辺の小さな街々をまるでローラー作戦のように制覇し、ベネト州へと旅立っていった。 今まで何人かのブログの友達に会ってきたが、これほど、想像外だったひとも珍しい。 コメント欄から想像していた人柄は、ちょっとひねた脂のちょっと浮いたおっさん系かと思いきや、背が高く、色白で無口なそれはそれは物静かな。。。物静か過ぎてどうしていいか困ってしまうような青年であった。笑 おかげで、最初の待ち合わせの駅ではすぐにこの日本人青年が誰かを待って立っていることに気付いたが、「絶対このひとではないだろう!」と、脂のちょっと浮いたおっさんを捜し求めて右往左往したのである。 3週間前のの週末は謎探偵さんが調べてきたロンバルデイア州とピエモンテ州の州境のビエッラという街に一緒に行ってきた。 霧でけぶった黒いマリアが祭られている山の中の教会は荘厳で美しかった。 そこでこれもまた、ネットで知り合ったビエッラ在住の日本人に逢う手はずだった。 しかしおっと得意の方向音痴と、ガケ崩れと牛の群れにはばまれ、ついに彼女との待ち合わせ場所にたどり着けなかったのが心残りだ。_| ̄|○ しかたがないので、別の近場で催されていたワイン祭りの情報を彼女に教えてもらって、運転するのもおそろしいぐらいワインを飲みまくり、酔っ払ってミラノに帰る。 ミラノではスペイン人の友人の誕生日会が控えていて、ここでもジュエリーデザイナーとして活躍している日本人の友人と酔っ払った。謎探偵さんはぐいぐい飲んでいるのに、ちっとも顔色が変わらないのがこわかった。 次に逢ったのはちずmilanoさん。 先日の日記前の針でちょっと突いたら爆発する風船状態のとき、その危うい空気を読んで(?)、元シェフのお友達の家に一緒に連れて行ってくれて、おいしいカツどんとワインをごちそうになる。 ここに集まったメンバーはみんな日系の会社にお勤めだ。ワンマンイタリア人会社勤めで振り回されまくっているわたしと何かがまるで違う。 世界が広がった夜だった。 そして先々週金曜日はおなじみ目目さんとこの目目娘ちゃんの誕生日会。 ここに来ると、目目さんが日本語を喋ってようが韓国語を喋っていようがホッとする。 おっとはいつもの酔っ払いたちとの飲み会を一時中断して、目目夫さまの握った寿司だけを食べに後から参加したのだが、着いた頃には寿司がなかった。いい気味だ。 謎さんはこの間↑、数日家から居なくなっていたのだが、また戻ってきてそれはそれは静かに我が家に滞在していた。 そこにまるで鳴り物入りのように、コックさんが夏の長旅から真っ黒に日焼けして帰ってきた! 久しぶりの騒々しさに思わずうれしくなってしまうわたしとおっと。 喋りだしたら止まらないコックさんと物静かな謎探偵さんがあまりにも違いすぎて、どう対応していいのかわからないので放っておいたらコックさんはほぼ無反応な謎探偵さんにまるで跳ねるような勢いで独りで喋り続けていた。 その様子は動かぬ沼の水をかき回す子供のようであった。 身体の弱そうな謎探偵さんは、それで疲れてしまったのか?下痢をともなう風邪にやられて、寝込んでしまったのである! おかげで、謎探偵さんが回復して静かに我が家を立ち去った後、おっととわたしと、2日間滞在が重なったコックさん全員で苦しんだ。_| ̄|○ 話はやっと最近になって、 汚い話だが、腹痛がピークの先週末土曜日はくしくも外部ブログ友達のNaocciとPatate*さんエミリアロマーニャ衆と一緒に「アレッサンドリアに遠足」に行く日なのであった。 とても楽しみにしていたし、とてもとても可哀相だったわたしの心情を察し、都合をわたしに合わせてくれたので、行かないわけにはいかない!! わたしは「正露丸」をビニール袋にぐるぐる巻きにしてリュックに忍ばせた。 電車を2回乗り換えて、2個目の電車は切符の自販機のボタンを押し間違えたおかげで一駅なのに指定席。 ちくしょう、やられた!と歯軋りしながら、しかし気を取り直して、ボローニャからこの電車で来る彼女たちと合流することにし、予約の「9号車65番」の席へと向かう。 5号車ぐらいから電車に乗り込み8号車の通路を歩いていると9号車でNaocciとPatate*さんが手を振っているのが見えた。 急いでつなぎ目のドアを開けたつもりが開かなくてドアに顔をぶつけた。 ガチャガチャやっても開かない。 「開けて~、開けて~!!」と必死になっているのにガラス窓の向こう側では彼女たちが大笑いである。 結局は騒ぎを聞きつけて車掌さんが来てドアを鍵で開けてくれた。←鍵かけるな。怒 で、指定席に行くと、おばちゃんがどっしりとわたしの席に座っていた。しかも予約席なのに自由席のプレートが張ってある。 たった一駅で指定席料金払った上、この仕打ち。。_| ̄|○ そんなこんなしている間にゆっくり腰をかけるまもなくアレッサンドリアに着いたのであった。 朝夕は寒いが、昼間は暖かいミラノと違って、アレッサンドリアは霧がずっと立ち込めた寒い街だった。 しかもこれといって観光名所がなく、わたしたちは土曜の午前だというのに、ゴーストタウンのように静まり返った街を少し歩いて、わざわざアレッサンドリアで買うこともないと思うのだが、うっかりスポーツバッグなんかもNaocciと色違いのお揃いで買って、うろうろしていたらこの日街はずれで「ビスコッティ祭り」が開催されているのを知って、さっそく出かける。 3ユーロ入場料を払って入ると、あらゆるところで試食をしていた。 まるでデパ地下のようにあれこれつまんでいると口の中が甘くなってきて舌の感覚が麻痺してきた。 しかしイタリア料理の王道Naocciと、ご主人がソムリエのPatate*さんはプロだ! 「ここのはとうもろこしの粉の食感が荒いわね。」とか「ここのはなめらか!」とか言うことが違うのだ! 感心していると「そろそろ昼食を食べに行こうか。」という話になった。 これに関してはミシュランガイドや料理雑誌でしっかり調査済みの彼女たち。 彼女たちのおかげではずすことのない、久しぶりにマクドでも中華でもない(結婚記念日除外)おいしい、しかもお値段もお手ごろの外食をすることが出来たのだった。 正露丸が効いたのか、お腹も乗り越えてくれた。 Patate*さんのプロの舌で決めたワインをちびちびやりながらゆっくりくつろいでいると、もう夕方である。 レストランを出ると午前中がゴーストタウンのようだった街が人であふれかえっていた。 わたしたちはウインドウショッピングをしながら駅に戻り、各々の家へと帰っていった。 しかし、この日わたしはこれで終わりではなかったのである。 夜、田舎駅に着くと、家には帰らず先日の日記のご近所さん、サトちゃんの家へ直行! サトちゃんがすぐ引っ越してしまうので「お別れピザ会」である。 しばらくティグレと遊んでいるとおっととコックさんが来た。そして近所のピザ屋へ。 最初はサトちゃんお勧めのちょっと離れた超有名ピザ屋に行くはずだったのだ。 が、予約の段階で「満席です。」といわれ、別のレストランを探すことに。 おっと「ぼく、隣町においしいピザ屋で働いてる友達がいるんだ。そこに行こう!」 わたしとコックさん「え~、本当に知ってるの?」 疑いながらもしぶしぶそこに決定したのが1日前。 わたし「わたし、やっぱりおっとが信用できないんだよね。悪いけど今日下見ついでに予約入れてきてよ。」とコックさんをうながしておっとと一緒に追い出した。 夜中に帰ってきたふたり。 わたし「どうだった?」 コックさん「道に迷った。で、マルちゃんにその「友達」に電話するように言ったら、名前も覚えてなくてさ。。。。やっとたどり着いたのはただの切り売りピザ屋だったよ。」 。。。。。。やっぱりか。おっとの「友達」ほど信用がならないものはない。 コックさん「だから、そこの「友達」に別のちゃんと店で食べれるおいしいピザ屋を教えてもらって、予約しに行ったんだけど、オレ的にはいまいちだな。」 わたし「そ、そうなのか。。。」 しかししかたがない。もうサトちゃんに電話するには遅すぎる。 こういう経緯でな~んでもないピザ屋でお別れ会、となったのだった。 しかし、楽しかった。 お腹も乗り越えた。きっとあの腹痛は、ストレスから来ていたのだろう。 次の日、コックさんは朝早くからアルバの有名ワイン、バローロ祭りに出かけていった。 この日はミラノにてエクアドルの大統領選挙日。 エクアドルは日本と違って、投票に行かなければ罰金が科せられる。 しぶしぶ気が乗らないままおっとと一緒に選挙に出かけた。 しかし、おっとは領事館に行くと思いきや、まったく別のほうにクルマを走らせる。 わたし「選挙は領事館でしないの?」 おっと「あんな狭いところで出来ないでしょ。」 この言葉に嫌な予感がした。 そして仮設投票所のあるミラノのちょっとはずれの公園へ。 2~3km手前から徐々にエクアドル人らしい人々が公園に向けて歩いているのを見たのだが、実際投票所に行くとすごかった! 公園は大きかった。 しかしクエストウラの列なんて目じゃないぐらい、500mはあろう長蛇の列が公園のまわりを囲んで並んでいるのだ!! しかもあちこちにおっちゃんやおばちゃんが家庭用BBQセットなんかを持ってきて肉を焼いて売ったりしている。 ぎっしり隙間なくしかし無造作に駐車されたクルマのあちこちからラテンミュージックが流れている。 ここはいったいどこやねんっ!!?? ただの投票ってのにお祭りのような騒ぎだ。民族衣装で来る人、エクアドルの国旗を担いでくる人。。 ミラノってこんなにエクアドル人だらけなんだ、と実感したとき。 しかし。 レポートを書くにはこの場に残っていたほうがよかったのだろうが、非情なわたしは、「自分の国のことでもないのにこんな列に並んでられるか!」と判断したのである。 実際、ヤギだらけの群れの中に日本人、という異分子が入り込めば、じろじろ見られて訳わからないこと言われるのが必至である。もしかしたら、ヨーゼフが出てきて噛みつかれるかもしれない。おんじが出てきて追い払われるかもしれない。 わたしはおっと独りを列に残して、その場を去った。 そして中心街のブレラ美術館で静かな時を過ごしたのだった。 ああ、そういえば美術館なんていったいどれぐらい行ってないだろう? おっとが興味がまったくないから、自然に足が遠のいていた。 日本に居たときは、1ヶ月に2~3個は大小問わず、通ってたのにな。 久しぶりに観る美術館は異常に体力を消耗した。以前は慣れていたからそんなに疲れなかったのだ。 これからは、一人でも足しげく行くようにしよう。 なんだか吹っ切れた週末だった。 PS.先日の日記でもたくさんコメントをどうもありがとうございました。 仕事が忙しくてなかなかUPできませんが、おかげさまであまり正しい吹っ切れ方ではないようですが、徐々に復活中です!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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