テーマ:住宅コラム(1809)
カテゴリ:家探し、購入から入居まで
さて、ミラノの現在のお天気は。。。。。
朝から土砂降りの雨。 昨日日曜日は1日曇り、土曜日はずっと小雨が降っていた。 いよいようっとおしい、うつ病間者が増幅する北イタリアの冬が到来したって感じだ。 昨日から我が家もとうとう暖房をつけた。 。。。というのに我がお嬢母は昨日奈良から電話をかけてきて「いつまでも暑いわね、やっぱり地球が温暖化されてるのよ!」という。 ちゃうちゃう。 ヨーロッパは今年、6月ごろの猛暑の後、8月は涼しかった。9月にようやく真夏日が訪れたけど、ほんの数日。 地球が温暖化されてるんじゃなくて、地球が地球規模で壊れかけてるんじゃないかと思う。 しかしそんな地球の危機を憂えて行動を起こすほどわたしは大人物ではないので、月曜の朝からおだやかな気持ちで普通に会社に出勤した。 なぜなら、今朝2階の屋根つき外部分に出ても、床は濡れてなかった。 今まで雨の日はちっともおだやかじゃなかった。 家の裁判はもうずっと前から停まったままだ。 気を揉んでいる9月、大雨が降った日があった。 その日は確か土曜日だったが、もう我々は恒例となったバケツリレーをする気力もなく流れ込む雨を見ないフリをして1階でぼ~っとしていたら、隣に住む運送会社社長のガテン親父がすごい形相でドアを叩いたのだ。 親父「おい、あんたらベランダを見たか!?」 慌てておっとと2階ではない、1階部分のベランダに出て行くと、隣と隣接した我が家の1階の天井部分から壁を伝って水が流れ出して、隣家のベランダまでびちょびちょになってる。 わたしたちは慌てて2階のその部分に駆けつけると、そこの部分の屋根瓦が完全にはがれていて、雨が直接降り込み、レンガの床が池のようになっていた。ここからさらに水が下に沁み出して、1階部分に達したのだ! わたしたちはモップとほうきで慌てて水を掻い出した。 親父「あの不動産屋野朗、こんな工事、よくもやりやがって!裁判はいったいどうなってるんだ?隣の家まで被害がこうむるって、いったいどういうことだよ!?」 わたしたち「。。。。。。すみません、でも裁判中なんで壊れた部分に手がつけられないんです。」 親父「うき~っ!そんな悠長なことを言っている間にあんたらの家は傷んでいくばかりだし、オレらも迷惑をこうむるんだぞ?オレが不動産屋に一言言ってやる!電話番号を教えろっ!!」 わたしたち「は、はあ。。。。。」 わたしは親父に悪徳不動産屋の電話番号を教えた。でも、わたしは知っている。そういう苦情の電話は手馴れた優秀な受付嬢が「ただ今出張中でいつお帰りになるかわかりません。」と絶対に奴には通さない。 案の定、親父がわたしたちのそばで電話をかけると受付嬢はおろか、不動産屋クローズのアナウンスが流れた。 親父「くっそう!月曜日にかけ直す!」 しかしこのあとどうなったかは知らない。汗 わたしたちはしょげきって、家の中に入った。 わたし「手がつけられないんだったらせめてあの部分の雨を防ぐ方法を考えないと。これからずっとここに住むのに近所に敵を作りたくないよ。」 わたしたちはすぐさまホームセンターに行って、ペンキ塗りなどのときに使う大きなビニールの覆いを買って外部分の床全体を覆った。 おっと「これでしばらく階下に雨が流れるのは防げるけど、屋根の痛みは増すばかりだ。なんとかしないと。。。」 わたしたちは、次の週、裁判所指定のペリートに「いったいどうなってるんですか?こうしている間にうちの雨漏りはどんどんひどくなるんですよ!?」と訴えた。 ペリート「あ~、今から書類を作成して廻すから。」 数日後。我々の弁護士から一通の手紙が届いた。 「ペリートから書類が通過(?何が)するまで待機するように、との手紙が届きました。雨が降っていない状態でいくら訴えても意味がありません。次の知らせを待つように。」 そ、そんな。。。 そういえば、裁判に突入したとき、同僚マッシモが言ってた。「裁判は時間がかかるぞ~。うちの嫁さんの実家なんてあるおばさんに持ち家を貸していたんだけど、家賃の滞納で裁判に持ち込んで、十何年も揉めている間にそのおばさんがこの間、歳を取って亡くなって、今その処置に着いて新たに揉めているところなんだ。」 そういえばマッシモは入社当時(約5年前)彼の書いたマンガの著作権で裁判を起こしたのだ。それがやっと最近になって勝訴し、8000ユーロほどの罰金が負けた出版社から支払われたそうだが、今まで裁判に消費した金額を考えるとマイナスだったそうである。 マッシモ「金額的なこともあるけどこの5年の精神的苦痛を考えると、本当に被害者負けもいいところだよ、イタリアって国は。」 わたしたちもすでに精神的苦痛に参りかけている。 それよりもそんなに時間がかかっていたら、家がますます傷んでいく。 わたしたちはまったくどうしていいか困り果てていたのだった。 そして。 覚えておいでだろうか、先週のエクアドル大統領選挙の日。 わたしはおっと独りを残して、美術館に行ってしまったので、後は何が起こったのか知らなかったのだが、ずるい、いや、寂しがりやのおっとは、誰か一緒にあの500mの列に並んでくれる友達が、しかも前のほうにいないかどうか、探して歩いたそうである。 一生懸命目を凝らして列のそばを歩いていると、おっとがイタリアに来た当時に知り合って、その後ちっとも会えなかった友達を列半ばで見つけたそうだ。 おっとは再会の喜びに満ち溢れて列に割り込み(恥)、近況などを語り合っているうちに、その友達が土木工事現場で働いていることがわかった。 それに内心小躍りしたおっと、我が家の状態をウルウルと涙ながらに語ったところ「査定は終ったんだろ?じゃあ手をつけても大丈夫だよ。弁護士に了解を取りな、許可範囲内の修理をしてあげるよ。」と言ってくれたのである!! さっそくおっとは弁護士の了解を得て、雨が入り込む部分の修理の許可をもらった。 そして土曜日、近所の建材屋に友達が言っただけ1/2mq分の屋根瓦、16個分を買いに行った。 屋根瓦なんて今まで直接自分たちで買ったことがない。いったいどれぐらいするのだろう?とハラハラ、銀行の口座の残額を考えながら行ったら、合計たったの21ユーロ(約3000円)だった。 ル、ルイジの野朗。。。。どこまでもどこまでもぼったくりやがってっ!!!!!! とレシートを見て怒りを新たにする。 そして日曜日の朝。どんより曇っていたが幸いにも雨が止んだ。 友達は汚いつなぎ姿で現れ、おっとと一緒に屋根にあがり3時間ほど修理をしていた。 修理の間中、あちこちの近所の人たちが外に出てきて「やっと修理にかかったか。で、どうなってるんだ裁判は?」と聞いてくる。 そのたびに屋根の上から大声で説明するおっと。恥ずかしいなあ。 しかし、いかにうちの屋根に近所の人が関心を寄せているかがわかった。(また瓦が落ちてきたらこわいし) わたしが昼食の支度をしているとやっと彼らがドロドロになって降りてきた。 わたし「どうなった?」 友達「うん、とりあえず雨はもう入ってこないと思うよ。今週様子を見て、とりあえずダメでも大丈夫でも来週来る。しかし、あの2重になってる下の古い屋根瓦、全部替えなきゃダメだ。」 _| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ ここで昔の話に戻すと、このことはわたしたちも気になっていて、工事中に何度も「瓦が2重ってどういうことですか?」と悪徳建築士マルコに説明を求めたのだ。 マルコ「ぼくもよくわからないんだけど、ルイジがこうするって言ってるから大丈夫。」 いったい何が大丈夫なのかよくわからないまま、素人は黙ってしまったのだった。 ああ。痛いところをつかれた。 彼はこの後、わたしのまずいイタリア料理も文句も言わずに平らげ、「この後約束があるから。」とそそくさ去っていった。 おっと「あの、お金は。。。」 友達「来週でいいや。」 わたしが南米人でスキなところは、友達の間でも何か専門的なことを手伝てもらうと、割り切ってお金を払うのが当たり前、なところだ。 ヘタに「いいよ、いらないよ。」と断られて「じゃあ。。。」と数日後にお礼するお菓子の値段に悩んだりするより遥かに気が楽である。 なので、おっとと日本人の間では、それもいつも限ってあんまり交流のない人とは、時々すれ違いが生じる。 通常の仕事の後、3夜にも渡る荷物の解体と、50kmも離れたところへの荷物の移動、それに数ヵ月後に来た通行違反の罰金に、たった1回安い中華レストランでおごってもらってもうれしくないのだ、そこのそれっきり海外に逃亡した君!!(おっとの替わりに発言) 話は戻して、この友達はきっと吹っかけてはこない。最低限の修理代だけだろう。 以前、壁塗りを手伝ってくれた男前のアドレアーノもそうだった。 親切はお金に替えれないけどこういった値段の設定の仕方で我々も気持ちが楽になる。 今度彼が引越しか運搬か、なにかおっとの分野で頼ってくるときには喜んで最低限のガソリン代ぐらいで手を貸すだろう。 なんかこういう関係は好きだ。 まあまだ払ってないからなんとも言えないけど。汗 とにかく彼のおかげで昨日の夜は雨音を聞きながらも安心して眠ることが出来たのであった。 ありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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