テーマ:旦那さんについて(2446)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
昨日は午前、半ドンを取った。
まずは社会保険事務所(INAIL)に行く。1月の左足の骨折の診察をするためだ。前回夏前に行ったときはまだ治療中で、結構な金額の保険金が降りた。「これで日本に帰れる!」と思っているうちに瞬く間におっとに使い込まれて大喧嘩に発展したのはいうまでもない。 今回は。 先日も書いたが我が家は経済的に大ピンチである。全てはおっとが無計画にワゴン車を買い、従業員を雇ったおかげなので、わたしはちっとも関係ないのだが、さすがに今月の給料日の3日後から銀行口座に10ユーロしか残っていないとあれば、話は別である。涙 おっと「足の具合はどうだ?」 わたし「う~ん。。まだ歩くときにちょっと痛いけど、かなり普通だな。」 おっと「バカッ!INAILでそんな風に言っちゃダメだ。足を引きずって痛そうに歩くんだ!!」 わたし「そんなことしたって、相手はプロだし仮病ってすぐばれるよ。」 おっと「そんなことを言ってたら、今回保険金が降りないじゃないか。ダメ元でやってみるんだ。女優になれ!!」 わたし「。。。。。。」大汗 INAILについてクルマから降りると、いつもはわたしが大荷物を持っていても「持ってよ!」と言わなければさっさと歩いていってしまうようなおっとが、わたしの軽いかばんを自ら持ち、わたしの肩を支える。 くさい演技。。。 わたしもしぶしぶびっこを引いてみた。 そうして待合室に入ると、入り口のすぐそばに座っていた、腕を骨折したおじさんが席を譲ってくれる。 いやだよ~、こんな嘘っこで他人の善意をあざむきたくないよ!! わたしは恥辱で真っ赤になってうつむいて座っているとすぐに医務室に呼ばれた。 若い女医はてきぱきとわたしの診療ファイルを見て、わたしを診察台に寝かせ、太ももとふくらはぎのサイズを測り、両足を曲げる。やはりちょっと痛みは走るのだが、そこをわざと「いたたたたた。。。」ともっと痛そうに顔をしかめてみせる。 女医「はい、今度は歩いてみて。」 わざとよろよろと歩くわたし。 女医「はい、今度はゆっくり屈伸して。」 わざと左足を苦痛そうに曲げるわたし。 女医はにっこり笑って「はい、何の問題もありません。診察の結果は1ヵ月半後にレターでお知らせします。看護婦室で会社への遅滞届けを書いてもらって帰ってね。」とドアを開けた。 がく。うう~ん、演技不足だったか。_| ̄|○ おっとはひそひそ声で「ここでもっと哀れな顔をしてリハビリの方法を聞け!」 わたし「え~と、えと、まだ結構痛いんですけどぉ、どんなリハビリをすれば?」 女医「え?ああ。そうね、水泳が足に付加をかけないからいいわよ。でも平泳ぎはタブー。足に負担がかかるから。」 わたしたちはINAILを出た。おっとは何も言わなかったが「ち、今回は保険金がすぐ降りないかぁ。」と心の声が聞こえたような気がして、情けなくなった。 ****** そして、このあとすぐに、超久しぶりだが、INAILと同じ市内にあるモンツァの裁判所へ出廷(?)だ。 先週金曜日に久しぶりに弁護士からメールでお知らせがあった。 4月に彼らのところに行ったときには「家に雨漏りがするなんて緊急のことですから9月までには解決できるように持って行きましょう。」という内容を言われてそれを信じて9月が過ぎ、11月になった。 とりあえずおっとが勝手に屋根を修理したおかげで雨が家の中に入らなくなったせいか、最近はもう考えたくなくなって放置していたのだ。 「家の検分結果を9月中に出す、と裁判所が決めたにもかかわらず、裁判所指定のペリートはまだあなたたちの書類を提出していないことが判明しました。もう2ヶ月も過ぎているのにこれは異常です。覚えていらっしゃいますか、彼が不動産屋と影で手を組んでいるようだと言ったのを? 我々はこの遅滞を理由にペリートの交代を求める書類を裁判所に出したところ、裁判所からこの件についての事情聴取に来るように通達が出ました。 月曜日なので、ご無理は言いませんが、被害者自ら出廷されることが望ましく、うんぬんかんぬん。。。」 なんだかよくわからないけれども、この朝はとにかくINAILという用事もあったし、ということで前回同様 、弁護士とジオメトラ(建築鑑定士)に付き添われて出廷することとなった。 メンツは前回同様。やはり不動産屋は出廷せず、彼らの弁護士だけの登場となる。しかし前回の強面のジオメトラはいなかった。 部屋に入るとさっそく前回と同じ爺ちゃん、いや裁判長は「今回はジオメトラはいらないよ、出て出て。」と我々のジオメトラも退出させられる。 さて、全員で席に着いた。 さっそく裁判長が口を開き「今まで書類が未提出なのはどういうことかね?」とペリートにふる。 ペリート「9月の書類を書き終わり、提出しようとしたところマルちゃんから電話があって屋根の雨の被害がひどくなって、2階に溜まった雨水が床を通して隣の家の1階の壁に流れ込んだ、って電話があったんで検証に行って、それをまた書き加えていたところでさぁ。」→言葉使いが前回に比べてずいぶん汚くなっている。 裁判長「しかしそれは10月はじめのことだろう。9月締め切りの書類は書き終えていなければならないはずだし、そんな追加事項に1ヶ月以上もかかるのかね?」 ペリート「ちょっと、ちょっと、それはだねえ。。。」と裁判長の言葉をさえぎって一人であたふたと専門用語を使いまくって口から泡を飛ばしている。 こうなると、わたしは何を言っているのかだんだんわからなくなってきたのだが、言い訳をしていることだけは充分にわかった。 裁判長「しかし憲法(?)◎◎条においては。。」 ペリートはそれにかぶせるように「だから、云々カンヌん。。」 裁判長「ちょっと人の話を聞いて。。」 しかしペリートはまだ中腰になって裁判長に向かって泡を飛ばしている。 裁判長は机をドンッとこぶしで叩いた。「いい加減にしなさい!わたしが質問していることに答えろっ!」 ペリートは驚いたようにイスに座りなおしてふんぞり返った。 それを見てやっと鈍感なわたしも、このペリートの悪質さを理解したのだった。 そこから裁判長は短い言葉をゆっくりと言って、そばについている秘書にPCで書類を打たせる。 途中ペリートに2~3、質問を投げかけるが、奴はあざ笑うかのように横柄に答えるのだ。怒 裁判長「それではペリート、この被害者の家の検分の書類を明日までに提出のこと。以上、閉廷。」 我々は裁判長とひとりひとり挨拶を交わして部屋を出た。ペリートだけはぶっちょう面で無言で大股で歩き去った。 部屋を出たところで我々のジオメトラが座っていて、立ち上がって近づいてきた。 ジオメトラ「どうだった、奴はこの件から追い出されたかい?」 おっと「いえ、明日の奴が提出する書類しだいみたいです。」 ジオメトラ「そうか。。。実はここで君たちを待っている間に小耳に挟んだんだけど、こんな事件が明らかになって呼び出されたのは奴にとって2度目らしいんだよ。 こうやって、裁判を延ばすと、被害者が弱ってくる。そうやって被害者を弱らせて降参させるように不動産屋に金で頼まれているようだし、たとえ被害者がねばって裁判を続けても、何回も検分に行く自分の懐にお金が入ってくるから、それはそれでどちらに転んでも奴が得するように仕組んでるようなんだ。 でも、こうやって2度も呼ばれて裁判所内で悪評が広まると、そんなことも出来なくなるからね。 奴め、次に何かやらかしたらもう後がないけど、どうするだろうねえ?まあ、幸運を祈ろう。」 わたしはすごくこわくなってきた。 すごいマフィア野朗たちのくもの巣にまんまとひっかかった蛾の気分だ。 でもそうやって考えると、やっぱりレダおばさんが紹介してきたいかにもマフィア仲間の地元の弁護士じゃなくて、まったく蚊帳の外のミラノの弁護士に依頼したのは正解だったか? ペリートはめちゃくちゃ怒っていたから、我々の書類をいったいどんな風に書くかわからない。それで、我々の家の修理の運命が決まるというのに。。。 *********** 気が重いまま、この後、わたしはおっとに連れられて、おっとの銀行融資のお願いに、有無もなく連帯保証人として同行させられたのだった。そりゃあ、給料日直後から口座内に10ユーロぽっちでは有無がいえない。 今までおっとはいろんなヤギ友達に借金をお願いしては翌月付の小切手で返金し。。を繰り返していたが、とうとうそんな親切なヤギ友達もつきた。わたしの愛想もついてついて、つきまくっている。 というわけで、わたしは銀行に向かうクルマの中、ずっと思いつめてきた銀行口座を別ける話を切り出した。(というか、何度も切り出しているので、細切れ状態もいいところである。) 来月からはステファノの収入も定期的に入ってくるはずだから、本当にうまく行くならわたしの介添えがなくても大丈夫なはずだ。 おっと「ぼくもウイリアムや、他のひとに相談してね、それがいいんじゃないかと思って、今日話すつもりでいたんだ。」 ホントかよ、今までわたしがいくら言っても聞かない、というか出来なかったくせに。 おっとはだんだん目をうるませてきて「。。。ごめんね、君に苦しい思いばかりさせて。もうすぐ楽になるから。」 ??それはどういうことだ?眠っている間にわたしの寝首でも掻くつもりか?! 謝るぐらいなら、最初から計画性を持って動けってんだ、このヤギめ!! わたしは銀行ですっかり顔なじみになったフォンターナ氏の前ですでにある銀行融資の増額の連帯責任者の欄にサインした。 わたし「。。。これは我が夫が事情はともかく支払いが出来なくなった場合、わたしが責任を取る、という署名ですよね?」 わかっているのについ意地悪くこんな言葉が出てしまった。 おっと「。。もう、何言ってるの。」 フォンターナ氏「あ、それは前提の上で、これは銀行融資の書類作成上のサインです。」 フォンターナ氏はこの後、「できるかどうかは近日中にお知らせします。」と全ての書類をまとめてファイルに入れた。 わたしたちが更に重い気持ちで銀行を出た。 ああ、ダメだったらおっと、イヤ、わたしたち、この1ヶ月どうやって生きていくよ? ちょっとすると待っていたかのようにステファノから電話があった。「あの~、今月の給料は。。。?」 おっと「60日後から発生するって言っただろ。来月からだよ。」 ステファノ「え~!!てっきり今月からだと思ってたよ?どうしよう、給料入らないと、家賃も養育費も払えないんだけど?前借りさせてよ。」 OOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!! で き る かぁ ~~~~~~~~っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 爆死。 つ。。。。次の給料日まで、え~っとあと19日! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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