テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
先週末はジェノバに行ってきた。
おっとのいとこ兄弟の弟、ローランドが明日エクアドルに永久帰国するので、お別れを言うために。 先日の日記を読まれた記憶力の良い方は「あれ?彼らがミラノに来るんじゃなかったっけ?」と思われるだろう。 チチチ。甘いな。 ヤギには直前まで確実な約束なんて存在しないのである!! 毎年夏に向こうに行くときはおっとが浮かれていつも土曜の早朝から出発、ジェノバに昼前に着いていた。 ところが土曜日は全員仕事で、無理に弟に早めに仕事を切り上げさせるか、いつも兄の娘、お留守番のカティちゃんに家のドアを開けてもらって檻の中のクマのようにうろうろと彼らを待っていた。 今回もおっとが土曜の朝から飛び出しかねない勢いだったのを、「また空回りさせてたまるか!」となんとか昼過ぎまで引きとめ出発した。 おっと「今日は最後だし、サタデーナイトフィーバーだ!外でイタメシ食べて、ラテンクラブで朝まで踊り明かすぞ!」 なんで最後のイタリアでラテンクラブなのか。。。?それにまだ小さい娘たちはどうするのやら?? さまざまな疑問を抱きながらも、そ~ゆ~ことなら、と2人で夜のお出かけ支度をしてはるばるジェノバまでクルマを飛ばしたのだった。 夕方、ジェノバに着くとやっぱり全員仕事だったのだが、弟ローランドだけがなぜか家でわたしたちを待っていた。 ところが最初に家の外から携帯を鳴らしても返事がない。 しかたがないので近所の商店街をウロウロしているとやっと返事が来る。「ごめんごめん、寝てた。今降りるよ。」 寝てた? また疑問を感じながら家に向かってやっとその意味がわかった。 ローランド「いくきー。。。げほんげほん。久しぶり!ガハッ。」 わたしはいやいやハグをしながら「だ、大丈夫?ひどい咳。」 ローランド「大丈夫。げほんげほん。もう一週間こうなんだ。げふっげふ。あ、でもミシェルが昨日から熱出しちゃってね~。」←そりゃあそうだろう。 ローランド「まあともかくここは寒いから家に入って。」 うわあ、イヤだなあ。。。 家に入ると、いかにも高熱がありそうな真っ赤な顔のミシェルがパジャマ姿でげほげほ言いながら「く~き~!」と抱きついてきた。 わたし「あんた、熱あるんでしょ?布団に入りなさい。」 ミシェル「だいじょうぶだぁよ~ん。ごほん。く~き~、風船ふくらませて。」 ああもう。わたしがしかたなく赤い風船をふくらませると、ミシェル「く~き~、アタック!」 ミシェル「く~き~、パスして!げほんげほん!!」 わたし「風邪が悪化するよ!寝なさい!!」 しかしわたしに大人の威力はないようで、結局狭い部屋の中でバレーボール大会となった。_| ̄|○ ローランド、止めてくれないかなあ。。。と彼らを見やると、隅の方でときどきぶつかってくる風船を迷惑そうによけながらひとつのコップでビールを飲み交わしている。(ちなみにこれがヤギ流) あああ~、そんなひとつのコップを一緒に使ったら風邪が伝染る! そのうちビールが切れたようである。 おっと「ローランドとビール買いに行ってくるから、ミシェルの看病しててね。」 何が看病じゃい! 結局わたしは風邪ウイルスが充満するガス室のような室内でハアハア肩で息をしながらヤギ男たちが帰ってくるまでバレーボールをする羽目となったのだった。涙 やがて夜になり、奥さんのローリーが帰ってきた。玄関の開く音を聞いて急にベッドに飛び乗り毛布をかぶるミシェル。 ローリーは大きな掃除機のようなものを抱えてきて「はい、ミシェル。お薬飲みましょうね。」というとミシェルはおとなしくひざに乗った。 薬を飲んでおとなしく掃除機のようだった吸引機でスーハーしている彼女はまるで罪のない子ヤギである。 早くこんなガス室から出たいな。。と思っているとやっと兄ルイスからも仕事が終った電話がかかってきて、わたしたちは晴れて外に脱出することが出来たのだった。 海辺のピッツエリアにはローランド家族の同居人たちも参加して、にぎやかな夕食会となった。 ピザはミラノじゃこんなにおいしいピザを食べたことがないぐらいおいしかった。だが、食べている気がしなくて半分以上残した。 だって、わたしのまん前でミシェルちゃんがわたしのピザに向かって「げほんげほん!」とつばを飛ばしているというのに、食べれるかいっ!! ずるいのは、わたしはげっほげほのローランドたちから離れてさっさと席に着いたというのに、「詰めて詰めて。」とみんなでどんどん席を移動させられて、結局彼らのまん前にこれも威力が弱い兄娘カティちゃんと座ることになったからだ。怒 おっとを見れば、普通なら隣に座るべきところを、はるか離れた席である。激怒 でももうお別れだし! イヤイヤ半分やけになりながらポジテイブに明るく勤めたのだった。 デザートも食べ終わり、おっと「さあこれからいよいよ、お別れサタデーナイトフィーバーだ!どこのラテンクラブに行く?」 やっぱり行くのか?みんなこの体調で行くのかっ??見ればルイスの奥さんミリーもゲホゲホ言ってるんだけどっっ?! ヤギには体調と欲望は別物なのだなあ。。。 ルイス「。。。みんなこんな体調なのに、行けるかよ。」 よく言った!! ハッ。。。。。ここでわたしは理解した。こともあろうに、わたしはヤギ的行動をどのヤギよりも強く示す「ヤギの中のヤギ」と結婚してしまったことを。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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