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2006.12.13
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昨日の日記をUPしたあと、サトちゃんにメッセージをもらって、すっかり頭から抜けていたあることに気がついた。
きっとこれって、健忘症ってやつだろうか?アルツハイマーというものだろうか?

先週金曜日は、何もしてなかったんじゃなくて、マルペンサ空港の近くに行ってきた。
実は、先日あんな日記を書いた後も不完全燃焼の火がくすぶりつづけ、捨て犬のサイトを見るのが日課となっていた。飼えないのはわかっているのに。。

しかし。


わたし「猫はともかく犬は一匹で留守番させるのは可哀相だよ。」

おっと「ぼくが毎日仕事に連れて行くよ。」

わたし「え、本当?」

おっといわく、ジャックラッセル(ザ マスクの映画に出てきた犬)のような犬をワゴン車の助手席にのせて、運転しながら話し相手になってもらったり、配達を手伝ってもらったり、ナビゲーターをしてもらうのが夢らしい。


う、う~~~~ん。
犬がそのように仕事が手伝えるかは謎だが、おっとがそうして1日中ついていてくれるなら、犬も飼える可能性が高くなってきた。



この会話を交わした日を境に、わたしは大乗り気で探し始めたのだ。
ミラノやミラノ周辺はもちろんのこと、先日はおっとがローマ行きの仕事がある、というので、ローマのカニ-レも調べてコンタクトまで取ったのに、直前でこの仕事が没になり、行けなくなって凹む。

犬をクルマに乗せるときの交通規則も調べた。普通乗用車では、小型犬はかごに入れて、後部座席。中大型犬は後部と運転席の間にネットを張って運転の邪魔をしないようにしなければならないらしい。ワゴン車の場合は犬専用のシートベルトが売っていて、運転中はそれをつけて、落ちたり邪魔したり、させなければいいという。

たいがいのひとは、夜サイトに掲示を載せる。
毎朝会社についてPCをつけると、すばやくサイトをチェックして、めぼしい犬をクリックしては詳細を読むようになった。
しかしそのほとんどは、年老いた成犬か、若くても病気だったり、大型犬の成犬だ。
たまに子犬も出るので、一度連絡を取ってみたが、そのまんま立ち消えてしまい、きっとこれは縁がなかったのだろう。

やっとこの間の連休前の水曜日、生後2ヶ月の子犬たちがサイトに載った。
総計5匹。全部雑種で模様も大きさもさまざま。
その中でビーグルに似た子犬を発見。可愛い過ぎる。

ジャックラッセルではないけれど、なんとなくワゴン車にビーグルって似合いそうな気がする。

さっそく記載されていた電話番号に電話した。

人のよさそうなおじさんが応対して「あ~、どの子犬が欲しいのかね?」

わたし「このビーグル犬似のやつです。あさっての祭日にでも見に行きたいのですが。。」

おじさんは動物愛護のボランティアをしていて、家にこの子犬たちを保護しているという。
おじさんは「いいよ、いつでもおいで。」とマルペンサ空港近くの住所を教えてくれた。


わたしは期待に胸が高鳴り、その子犬の写真を拡大でプリントアウトして、家に持ち帰りおっとに見せた。
おっとは「え~、本気で飼うつもり?」ととまどいながらも、夕食の間中、ずっとその写真をみつめていて、「鼻のそばにそばかすがいっぱいあるから、名前は「ペーカス(スペ語でそばかすの意)がいいな。」とつぶやいた。

ペーカス?? ああ、これってそのうち「ぺーちゃん」とか「ぺー」って呼んでしまうんだろうな。そしたら、林家ぺーみたいだ。。。

そして待ちに待った金曜日。

雨も降っていたし、汚れてもいいような服に着替えて、古いバスタオルや古新聞を用意していると、それを見ていたおっとが急に焦りだした。

おっと「そんなもの、用意して。。。今日は見に行くだけでしょ?」

わたしはびっくりして「見に行く、っていったら、そのまんまお持ち帰りの可能性もあるってことでしょ?」

おっと「えええ、本気でお持ち帰りするの?」

わたしがクルマの後部座席に古新聞を引いて、バスタオルをおいているのをおっとは不安げに見つめていた。

豪雨の中、おじさんの家に向かってクルマを走らせる。

おっと「でもでも、こんな子犬、ワゴン車デビューはすぐには無理だし、トイレのしつけとかどうするの?」

わたし「うん、いろいろ思案したけど12月は祭日が多いし、夏は1週間しかバカンス休みを取ってなかったから、まとめてこの際、有給休暇を取るよ。2~3週間ぐらい一緒に家にいればしつけも出来るし、慣れるでしょ。」

おっと「そ、そこまで考えてたの?!」

わたしは不安になった。「。。。おっと、もしかして、まだ犬を飼う心の準備が出来てないんじゃない?」

おっと「うん。だって、飼うとなったらワゴン車に乗せて、世話をするのはぼくになるんだし。。もし、エクアドルや日本に帰省するときはどうするの?」

わたし「日本は調べたよ。小型犬ならかごに入れて客席同伴で連れて帰れるし、ちゃんと獣医の予防注射の証明書があれば2日間空港留め置きの後、引き取れるんだよ。エクアドルのときは、シルビアにでも頼もうと思って。」

おっと「。。。。。。」

わたしの不安はさらに増大した。「わかった、犬の犬生は10年以上だし、大半はあんたが世話を見るんだから、とりあえず見るだけ見て、決断はまかすよ。」

わたしたちはこうしておじさんの家に着いたのだった。
マルペンサ空港周辺と言えば、ウイリアムの家の近所。
我が町ほどではないけれどそこそこ田舎なので、どこか農場か、工場の開いたスペースにでもまるでカニ-レのように多数の犬を囲っているのかな?と思いきや、立派な中心街の中心の中心のそれはそれは立派な大理石で出来た素晴らしいアパートだった。
家に入ると、家の壁は所狭しと、ごっつい金縁の額縁に入れられた力量のある画家に描かれた印象派の肖像画や風景画が飾られている。
磨きぬかれた黒光りする木の床をおずおずと踏み出すと、大きなシープドッグが飛び出してきた。

おじさん「ああ、いらっしゃい。あげる犬はこれじゃないよ。子犬はこっち。」といかにも慣れた様子でわたしたちをキラキラとまぶしいバスルームに案内してくれると、いっせいに子犬たちが飛び出してきた。

わたしとおっと「うわ~!!」と歓声をあげる。

おじさん「さて、欲しいと言っていた犬はどれかね?」

わたしは「え~と。」と子犬たちを改めて見た。
白黒牛模様のふわふわのガタイの大きい子犬、猟犬がいろいろ混ざっているっぽいスマートな子犬。黒くてむくむくした子犬。白い短毛犬のチワワのような子犬。
あれ。。。写真の耳が垂れたビーグル似の子犬がいない。唯一耳が垂れているのはこの猟犬タイプだけだ。写真が良すぎた??

わたし「えええと、これかな?」と大きな疑問を抱きながらもそれを指差す。

おじさん「抱いて抱いて!あっちでちょっと話そうか。」

わたしがこわごわその子犬を抱くと、子犬はひしっとしがみついてきた。緊張しているのがわかる。そうか、このコにもわかっているんだ。わたしたちが何しに来たか、ということ。
他の子犬はバスルームのドアを開けるといっせいに飛び出してきた。

居間の猫足の立派なソファに全員で腰を下ろす。
他の子犬たちはじゃれて転げまわっているので、わたしもその子犬を床に降ろしてやった。

おじさん「何匹でも気に入ったのを持って帰ってね。あ、でもこのコは今具合が悪いからお勧めしない。」とチワワのような子犬を抱く。

おっと「これがいいなあ。」と目をキラキラさせて牛柄の子犬を抱くが、どう見たってこれは大型犬の子犬だ。そういえば、ずっと昔もペットショップでムクムクの大型犬の子犬に惹かれていた。
この子犬は遊びを中断されて怒っておっとに「アルルルル」とうなりにもならないうなり声をあげる。

おじさん「南イタリアではほとんどのひとが飼い犬を避妊、虚勢手術しないものだから、こんな捨て犬が後を絶たないんだよ。このコたちもポンペイのゴミ捨て場にゴミ袋に詰めて捨てられていたんだ。」

そうなのか。
うう~ん、わたしとしてはやっぱり腕に抱ける小型犬が理想で、ダメならせめて擦り寄ってきたら抱きしめられる小さめの中型犬がいい。ワゴン車にも、大型犬なんて入りきらないし。
だから、あの写真の犬が理想的だったのに、やっぱり一番可愛いかったから誰かに先を越されたか?おじさん、家を出発する前に確認の電話を入れたんだから、そのときにもういないって、言って欲しかった。
おじさんとしてはどれでもいいから早いもの順でさっさと出て行って欲しいのはわかるけど。。。

しかたがないので、ポメラニアンの雑種のような黒いむくむくした子犬を抱いてみる。シャンプーのいい匂いがした。
これは小型に育ちそうだけど、おっとのワゴン車の助手席にポメラニアン?


おっとがポメラニアンと共に仕事をする姿を想像し、思い悩んでいると、足を引っかくものがある。みれば、最初に抱いた子犬が、哀しそうな目でウルウルわたしを見つめていた。気のせいか「お願い、連れて帰って。」という声が頭に響く。
胸がキュンと鳴った。でもなぁ、このコも大きくなりそうだ。。。

わたし「おっと、どうする?」

おじさん「どれがいいか相談するならぼくは席をはずすよ。」と言っている間にもう、別の人から子犬の見学申し込みの電話が入っておじさんは別の部屋に行った。


おっとはとたんに頭を抱えて「ううううんんんん、やっぱり、やっぱり。。。もうちょっと考えたい。


わたしも同感だった。
目指していた子犬はいなかった。10年以上も一緒に暮らすのだから、じゃあ別の犬、というわけにはいかないものがある。やっぱりこれ!とピンと来る犬じゃないとイヤだ。
それにおっとがちっとも心の準備が整ってないことがわかって、がっかりしたし、やっぱり新しい家族を迎えるには、ちゃんと体制を整えたい。
わたしたちは、正直におじさんに事情を話して家を出た。



本当に犬が飼えるには時間がかかりそうだ。_| ̄|○





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Last updated  2006.12.13 22:52:10
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 Ikukito@ ごめんなさい。 >shion0851さん そ。。そうです。26歳だ…
 かつしちー@ おめでと! 色んな偶然があるんですね。 相変わらず…
 shion0851@ そーなんだ 26歳なんですか、そうですか・・・(-_…

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