テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
あけましておめでとうございます。
2007年だ。イタリアは日本から8時間遅れで新年を迎えた。 今年の大晦日は、おっとの友人のお父さんのお葬式で午前中がつぶれ、そして、どたんばで当初予定していた2泊3日のモデナ行きが取りやめになって、残念というより、招待してくれた日本人の友人の家族に起こった不幸を知って胸が痛んだ。 とにかくそういったわけで、急に予定が空白になったわけだ。 わたしは焦った。 せっかく今年はヤギ的正月を回避出来ると思ったのに、こんなにギリギリでキャンセルでは、ギリギリがお得意のヤギの予定が入れられてしまう。 別に酔っ払いのヤギたちの中で会話がわからず、というより彼らの会話についていけず、ぽつねんと独りで座っているのにも慣れたからいいのだけど、でもでも。。。。 やっぱりそんなの正月からイヤだ~~~~~~っ!!!!!!!!!!!!!!!!! わたしはモデナ行きを決めた後に、誘ってくれたのだが、断ってしまった旧友、ひろぽんに慌てて電話をかけて、まだ彼女のパーティに参加できる余裕があるか聞いてみる。 ひろぽん「よかった~。みんなでいくきとちゃんが来れない、って残念がってたとこ。来て来て~。」と快く返事をしてくれた。 よかったのはこっちだ。よかった、よかった。 というわけで、大晦日はミラノの中心に引っ越して間もないひろぽんのおうちにお邪魔することになったのだった。 おっと「今日は大晦日だからきっとミラノの中心はにぎわっているよ。早めに行って、街を散策してからひろぽんの家に行こう!」 と早めに家を出たのは大間違いであった。 街には人っ子一人歩いておらず、やっと見つけた一軒だけ開いていたスーパーマーケットは入ろうとすると「本日は早めに閉店なんです。」と追い出されてしまう。 暖冬といえど、やはり寒い。暖かいコーヒーでも飲もうと、バールを捜し求めてうろうろするのだが、どこも閉まっていて、たった1軒日本料理レストランが、まったく客が入っておらず、暇そうに開店していた。 さ、寒いよ。足がもう動かないよ。。。←へたれ で、パーティのはじまる30分前にはもうこれ以上待てなくて、ひろぽんに電話をかけて、早めに家に入れてもらったのだった。 我が家のもんで男くんは普段は住人以外駐車禁止のひろぽんの家のまん前の駐車ポストに停めた。すぐそばの大通りの公共スペースは珍しくガラガラだったが、あんなところに大晦日の夜に停めて、スプレーだらけにされようが、ガラスを割られようが、爆破されようが、何があっても保障がされないだろう。 新しいひろぽんのアパートは、入り口のおんぼろさにがっかりしたのだが、家のある階まであがって息を飲んだ。 ひろぽんの家はアパートの屋上のフラット?で、見渡しがよくて「おしゃれなパリのアパルタマン」って感じ? 入り口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替える。 イタリア在住でも日本人家庭は靴を脱ぐところが多い。うっかりしていた。ひもひものブーツなんて履いてきてしまった。汗 あくせくブーツを脱いでおうちに上がると、フローリングの床に、座布団が敷いてあって低いテーブルに和食器に盛られたごちそうが! おっとは大感激である。「うちも~!うちもこういう風にしようよ!」←正座ができないガイジンが何を言う。 わたしたちは早く着いたにもかかわらず、もうひとりのお友達もずちゃん(仮名)もすぐに到着する。 ひろぽん「じゃ、さっそく乾杯しましょうか。」 わたし「あれ。。でもまだ全員揃ってないよ。」 ひろぽん「いいのいいの。他の人は絶対2時間ぐらいは遅れてくるから。」←南米ヤギと同じなのだな。汗 ひろぽんと旦那さん、もずちゃんとわたしとおっとの5人でパーティが始まった。 おっとはごちそうを取り皿に取るときのみ、正座をしてテーブルに近づき、食べるときは離れた階段のところに座って食べている。 そういえば、うちで昔飼っていた犬も、うちに来た当初は、ハムスターじゃないが、餌をほおに詰め込めるだけ詰め込んで、離れたところでコソコソ食べていたな。 ひろぽんが「マルちゃん、そんなところで食べないで、こっちに来て食べなよ。」とソファをテーブルによせてくれた。 やがて2時間もしないうちに残りのルミブーとスイス人の彼、そしてルミブーの友達の知らないイタリア人が一人、一緒に到着。 イタリア人は「はじめまして~。ファ◎◎といいますぅ。←日本語」と軽くおじぎをしたので「あ?ああ、はじめまして。」とおじぎで返した。 わたし「あの人誰?」 もずちゃん「知らない。日本語かなりうまいんじゃない?」 こうして全員が揃い、みんなで床に座り込んだ。←日本じゃ当たり前の光景だが、こちらで、どうしたって日本人じゃない外見の人々と床に座り込むことは、すごく違和感を感じるのはわたしだけだろうか? わたし「ファ◎◎さん、すごく日本語がお上手ですね。日本に行ったことがあるの?」 ルミブー「行ったことがあるんじゃなくて、住んでるんだよ。」 ファ◎◎さん「うん、東京に住んで7年目。今はこっちに帰省しているの。」 そうなのか。。。イタリア人が7年でここまでネイティブに話せるようになるなら、おっとも出来るだろうか?とうっすら考えてから、「はっ!おっとは向こうでもヤギ仲間とスペ語オンリーでつるんで絶対ここまでたどり着くわけがない!!」と甘い考えを打ち消した。 ファ◎◎さんが日本語OKなのがわかってからは、わたしたちは日本語で彼に質問攻めだった。 今、日本では何が流行っているの?とか、スナック菓子の新製品情報とか、流行の歌手とか、あと外国人から見た日本の暮らしとか。。。 ファ◎◎さんはわたしたちでも難しい言葉をそれはそれは流暢に使って話すので、正しい日本語を喋れないわたしたちがなんだか修行の足りないギャルのような気にもなった。 その間、日本語のわからないおっととルミブーの彼はぼーっとしていて、可哀そうと言えば可哀そうだったのだが、たまにはおっともわたしと同じ境遇を味わってもいいだろう。 大晦日のメインはすき焼き。すきやき鍋がなくて、パエリア鍋でやったのだが、おいしかった。 イタリア初めてのすき焼きで、おっとにとっても初体験で、おっとは卓上コンロや、砂糖としょうゆだけの味付けなど、いちいちに感動していた。 やっぱり日本人を含むみんなで囲んで食べる鍋、最高だ。 〆は年越しそばならぬ年越しそうめんをすき焼きの残りの汁にいれてすする。 この間、どんどん友人たちから携帯にメッセージが入るのだが、わたしの折りたたみ式の携帯は、それらを見ようと開けると、真っ暗な画面が出てくるだけで返事も送れず、何度も消したりつけたりしているうちにとうとう。。。 逝ってしまった。涙(サダムフセインに引導されてしまったか?) この後、ルミブーたちがスイスから持ってきたパーティグッズで遊んでいるうちにカウントダウンの瞬間が来た。 みんなで屋上に出て、めいめい花火を持ち、TVから流れてくる「3,2,1,ゼロ!!!」というかけ声と共に打ち上げ花火に火をつける。 我々の花火は火を噴き、あちこちからも花火が大音響と共にあがった! 「あけましておめでとう!!」 「Feliz Ano Nuevo !!」 「Auguri!!」 「Happy New Year!!」 みんなで抱き合ってお祝いの嵐だ。 家の中に戻ってスプマンテで乾杯。そしてひろぽん特製の抹茶ティラミスを食べた。これでコタツがあれば言うことなかったな。 ひろぽん「この流れで初詣に行きたいね~。」 わたし「どこによ?」 もずちゃん「ありますよ。ポルタロマーナの近く。◎◎通りのアパートの何階かでインターフォン鳴らしたら入れてくれるそうですよ。」 えええ!? ミラノに神社があるとは知らなかった。しかしこんな夜更けにインターフォン鳴らして大勢でアパートに入って参拝、というのもな。 というわけでこの後はだらだらとみんなでTVを見てお開きとなった。 帰りのクルマの中でおっとは眠そうに「こんなにお腹いっぱいじゃなきゃ、これからラテンクラブにでも踊りに行けたのに。」 まったくだ。ごちそうを食べ過ぎてお腹がいっぱいだった。わたしたちはすっかり満足して夜明け間近だというのに、車どおりの多い道を帰っていったのだった。 今年こそ、こんな幸せな満足な気持ちを1年間継続できればいいな。 あ、携帯買いに行かないと。。。 最近不定期更新の日記ではありますが、本年もどうぞよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ご近所物語] カテゴリの最新記事
|
|