カテゴリ:家探し、購入から入居まで
タイトルは別に古い日記を更新したんじゃないですよ。
そういえば、おととい日曜日の7日といえば、日本は「七草粥」でごちそうで疲れた胃に粥を流し込む日ではなかったでしょうか? その日はこともあろうに、イタリアのお正月に食べる豚足煮込み「ザンポーネ」のレンズ豆添えを4人分作り、昼と夜に分けて食べたので、すっかり胃がやられております。 *************************** きっかけはこうだった。 ある日、おっとが国際電話でエクアドルの次男ベットちゃん(仮名)と「え~!?イタリアのほうが絶対安いって!1000ユーロもしないよ。こっちで買って、エクアドルに送ってやる。」と話している。 出たっ。 おっとのお腹は確かにビール腹だが、貧乏でろくなものを食べていないのに、この太っ腹発言はいったいなんなんだろう? おっとが電話を切った後、わたしは有無も言わさずこう言った。「何を買うのか知らないけれど、うちは自分たちの食べ物を買うにも困っていることをお忘れなく。」 おっと「ベットはちゃんと送金してくるよ。PCのノートブックが欲しいらしいんだけど、エクアドルじゃすごい高いらしいんだ。1800ドルもするんだって。今度友達のガットが帰国するから、その前に買って、一緒に持って帰ってもらおうと思って。」 日本人は友達が帰国するから、といってなんでもかんでも持って帰ってもらったり、持ってきてもらうのって、友達だってたくさん荷物があるのに、迷惑だし、せいぜい軽いもの1~2個ぐらいであまり頼まないんじゃないだろうか? しかし、エクアドル人は、というか うちのヤギは、誰か友達がエクアドルに帰国する、となるとこの間などは、5~6kgはありそうな服やら小物やら平気でしかも実家までの無料配達を頼んでしまうのである! そして友達も、内心はどうなのか不明だが、気安く受けてくれるのだ。 というわけで、わたしはまったくコンピューター音痴のおっとの命を受けて1000ドル以下(←ちなみにおっとは1000ドル=1000ユーロのつもりだったが、実際は760ユーロ以下、ちなみに日本円で12万円以下)のノートブックを探す羽目となったのだった。 しかし。 赤のどうでもいい他人ならともかく、おっとの弟である。 しかもこの弟、容姿はおっととそっくりなのに、おっとと一緒に大半の人生を過ごしたはずなのに、ヤギの中の競馬馬、ともいうべき家族の期待の星で、去年某有名大学を卒業し、3DCG関係の仕事を始めたばかりである。 そんな彼が、1000ドル以下のPCで我慢できるだろうか? 毎日PCは使ってはいるが、ハード面ではすっかり音痴なわたしは、何人もの友人や同僚に聞いて、おっとと一緒に何軒もの電気屋を廻り、さんざん悩んでそんななかでもぎりぎり普通のCGに耐えられるようなものを2つほど選んで情報を送った。 数日して土曜日、ベットちゃんから返事が来た。「いくきーと、どうもありがとう。でもぼくは仕事に使いたいので、欲しいのはこういった家庭用のタイプでなく、このノートブックです。」 ベットちゃんが送ってきた商品コードで検索する。 それは、最新型のノートブックで、まだイタリアは未発売。ちなみにそのひとつ前のタイプを見たところ、2000ユーロは軽く超えた。_| ̄|○ そりゃあ、そうだわなぁ。 だからイヤなんだ。おっとのいい加減な口約束で振り回されるの。おっとが最初にベットちゃんから商品コードを聞いていればすぐに探し出して、高いか安いか答えられたんだ。 それと同時にショックだった。未開発国だとばかり思い込んでいたエクアドルのほうが、イタリアより電気製品普及のスピードが早いよ。 そういえば、エクアドルでみた日本のアニメは最新のものばかりだった。こっちはまだTVで「宇宙船艦ヤマト」やってるし、このあいだ「アタックNo.1 」のDVD1巻が発売されたばかりだし。。(もしかしてこういう希少品は買っとくべきか?)_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ ともかくおっとにベットちゃんのメール内容を伝えた。「あいつ何言ってるんだ?仕事始めなんて、安いやつでいいんだよ!今夜説教してやる。」←そんな問題だろうか?老兵のような発言だ。 こうしてベットちゃんのノートブックの話はわたしの予想では、ここまで苦労したにもかかわらず闇に葬られそうなのだが、この数日の「ベットちゃんのノートブック探し」でわたしたちの中では気がついたらそれが「わたしたちのノートブック探し」にすり替わっていた。 我が家のデスクトップ型のPCは恥ずかしながら、発売したてに買ったWIN98バージョンで、しかもHDDがたったの7GBだ。 なので骨折で自宅療養中にそのPCで作業したときは、しょっちゅうフリーズして大変だった。そのとき、一緒に仕事した友人には「よくもそんな環境で。。」と感心された。 インターネットを見るぐらいだったら、問題はないのだけど、やっぱりもっと容量の大きいPCで、スペースをとらないノートブックが欲しい。で、最終的に「ベットちゃんのために選んだノートブック」を買うことにした。 もちろんみじん切りローンで。 それも半年後の6月はじまり。 おっとはクリスマス前に「ぼくへのクリスマスプレゼント!」と靴やら服をばんばんと買いあさり、わたしには何もなかった。 あれだけ欲しかった犬もなかった、ブーツもなかった。 全然欲しくない赤と金で彩られたスケスケどセクシーな下着を「買ってやるよ!」とおっとが店に入ろうとするのを、身体を張って止めた。怒 あげくその考えのない買い物のおかげで、わたしたちは先週まで数日間赤字に陥り、カードもクレジットカードもブロックされてしまったのである! だから給料日後に、しかも長かった家具のローンがやっと終る6月から始まるローンで買ったっていいだろう?こっちはちゃ~んとそこまで考えてそんな店まで選んでるんだ。 おっと「しょうがないなあ。じゃあ、ぼくには隣の店で見たブーツ買ってね。」←なんでやねん? 店に行く前夜は興奮して眠れなかった。長期にわたる貧乏生活に慣れすぎて、いつもよりゼロが2つも多いものを買うなんて、心臓に悪い。 買ってから後悔したら、どうしよう。。。。 この間「60ユーロの毛布なんて買ったら、おそろしくて眠れないよ。」と言ってた貧乏男エルトンの気持ちが痛いほどわかった。 日曜日。 朝になり、ドキドキしながらその電気屋に行く。目標のコンピューターコーナーに進むまでの過程をどうやっても思い出せない。頭の中はそれしかなかった。 会社でプリントアウトした商品の写真をさっそく店員に見せた。 店員はPCで在庫情報を調べる。 ドキドキ。 店員「これ、ないです。売り切れました。」 O.......OOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!????????????? 店員は続けてPCの画面を眺めながら「あ、でもネットショッピングされるならまだ在庫があるみたいですよ。でも今日のお買い得品のプリンターは今ここでお買い上げになったほうがよろしいかと思いますが。」 プリンターは確かにお安くなっていたが、それぐらいで細切れローンも出来ず、手持ちの現金もない。涙 おっと「ぼくもう疲れたよ。ほらっ、ここにも今日のお買い得品ノートブックがあるじゃない。これで手を打とうよ。」 わたし「あれじゃないとイヤなの!家に帰ってネット注文しよう!」とおっとにブーツを見ることも忘れさせる勢いでクルマに直行し、家に帰ったのだった。 しかし、道々気がついた。家でネットは見れてもプリンターがないから、注文時の書類がプリントできない。 おっと「あのプリンター買うべきだったよ!」←バージョンが違いすぎるって。 しかたなく目目さんに電話して彼女のお宅で注文させてもらうことにしたのだった。 仕事の打ち合わせで忙しい目目さんを横目に申し訳なく思いながら、ネットで注文していく。 しかし、その手間と言ったら! 初めてだからかもしれないが自分たちのデータを全て打ち込み終わるまで、2時間近くかかった。注文がやっと終了し、やれやれ、とコーヒーをすすっていると、釣りに行っていた目目夫様が帰宅した。 目目夫様はCGのプロでPCにも詳しい。わたしたちは注文したノートブックの書類と、今まで廻った店店のちらしを見せて今までの苦労を語る。 目目夫様はふむふむと丁寧にちらしに目を通してふと顔を上げた。「ねえ、あのノートブック、キャンセルすれば?こっちのほうが断然いいよ。」 えええ!?わたしたちは目目夫様の指差す別の店のちらしの一品を見る。気がつかなかったがそれは値段はさして変わりない上、RAMは倍、CPUはバージョンが上、HDDも大容量である。 しかし。 わたし「でもこれ、モニターがちょっと小さいよ。」 目目夫様「モニターなんて、家で作業するならデスクトップ型の安い大きなのを付け足せばいいんだよ!これ以上のお買い得品はないと思うぞ。もう夕方だし、店が閉まらないうちに早く買いに走るんだ!」 この命令口調にわたしたちは「SIGNOR SI!」と慌ててコートを掴んで家を飛び出し、店に向かったのだった。 途中渋滞に巻き込まれてハラハラしたものの、閉店20分前に店に着いた。肩で息をしながら、一直線にコンピューターコーナーに進んで「これが欲しいんですが。」と店員にちらしを見せる。 ここの店員は即答だった。「これ、ないです。売り切れました。」 O.......OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO............................ わたしたちは山積みのプリンターの箱にもたれてヘナヘナと崩れ落ちたのだった。 (たぶん。。。つづく?) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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