テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:イタリアお役所戦記
金曜の夜からおっとはローマに向けて出発した。
大事なことをすっかり忘れていたが、それまでにステファノの証拠書類が揃うよう、会社に頼んでいたにもかかわらず、ここはイタリア、1週間も猶予があったというのに間に合わなかった。_| ̄|○(←わたしなら、書類だけならものの2分、証拠を探す時間を入れても30分弱ってとこ?) おっとは「ま、まあとにかく罰金書留だけ持って行って聞いてくるよ。」と旅立っていった。 週末、一人家にいたわたしは、おニューのノートブックを開け、いろいろ参加しているイタリア在住者のコミュでそのことをトピ立てしてみた。 これらのコミュにはイタリアで戦々恐々と戦っていらっしゃる方が多く、いろいろなアドバイスや経験談を語っていただいたのだ。 それはそれはイタリアらしいおそろしいものばかりで、読んでいるうちにすっかり鬱になってしまい、わたしは急いでノートを閉じて掃除や洗濯に専念しているうちに1日が過ぎた。 そして夜になってぐったりとなったおっとが帰ってきたのだった。 わたしはその疲れぶりにどうしようかと一瞬ためらったが、我慢のできないひとりっこなのでついつい「どうなった!?」と単刀直入な質問。 おっと「あ、ああ。はいお土産。」とドサッとある包みを渡す。 開けるとぶ厚いステーキ肉が2枚入っていた。 おっと「今回のお客はお肉屋さんだったんだよね。」 わたし「あ、ああ。どうもありがとう。でもどうせならポルケッタのほうがよかったのに。(ラッツィオ、ウンブリア州名物の仔豚の丸焼き)」 言いたかったのはそういうことじゃなくて! おっと「ポルケッタはそのお店になかったんだ。でも、これローマで有名な肉屋らしくて、すごい行列だったよ。」 わたしは関係ない話題を軽くスルーするように努める。「で、引越しはどうなったの?」 おっと「お客さん親切で、運転も替わってくれたし、てきぱきいろいろ手伝ってくれたからやりやすかったな。」 わたし「ふ~ん。で、警察はどうなったの?行ってきた?」 段階を踏まなきゃいけないことにイライラ。 おっと「うん、お客さんの友達の警官を紹介してもらって話を聞いた。」 わたしはたちまちカッなってしまった。「そうじゃなくて!ローマまで行っときながら、どうして罰金の書類に書いてある警察に出向かなかったのよ!?」 おっと「どうしてって、まだ証拠書類も揃ってないのに、行ったってきっと無駄だし、時間もなかったし!で、お客さんの友達の警官に調べておいてもらえるように頼んできた。」 一見の警官が、そんなよそ者のガイジンの頼みを本気で受けるものか? わたし「で、その警官に罰金書類は見せたんでしょ、どう言っていたの?」 そこからおっとが警官から聞いた話は、こうだ。 先述のイタリア在住日本人経験談では「警察が率先して『罰金支払え詐欺』をしている場合」とか「ナンバープレートを密かにクローニングされた可能性」とか書かれていて、犯人の計画性の高さが垣間見れてある意味感心していたのだが、その警官の「現地の声」はちょっと違った。 なんでもローマには「自分のナンバープレートの偽造」を施し、通勤、通学する輩がいるのだという。 それもローマ人口のかなり高い確率で。汗 どこにでもいる普通に真面目な会社員が、朝シャワーを浴びて着替え、コーヒーをすすり、奥さんに「行ってくるよアモーレ。」と軽いキスをして、クルマのところに行ってナンバープレートに細工して、向かいのパン屋のおばさんに「ボンジョルノ!」と笑顔で挨拶を交わして発進させる、って感じ? 偽造の仕方はいたって簡単だ。たとえば「NB883SI」ならば、上から白いシールでNの真ん中と8と8の左半分を覆って「HB333SI」などがあっという間に出来てしまうわけだ。確かにこれなら工作の苦手なおばさんにだって出来る。 それほどナチュラルにローマ人の日常生活の一部に「偽造」が溶け込んでいるらしい。 あとはやりたい放題。赤信号を無視しようが、一方通行を逆行しようが、自分のところに罰金なんて来ないから安心だ。 こんなへっぽこな偽造でも写りの悪い監視カメラやへっぽこでやる気のない警官の目なんてやすやすと騙せてしまうのである。 たとえば「KA124VZ」とかだったら、細工のしようがないので自分の不運をなげき、違反をしないように気をつけなければならないらしい。 す、素晴らしい、ローマって!さすが歴史のある都市は違うね!! 。。。。というわけで、ステファノのワゴン車はそんなお気軽に犠牲者にされた可能性が大きいらしいのだ。 OOHH,NOOO!(←今回はショックよりもあきれたのでライトに。) これこそまったくの「やられ損!?」 おっと「その警官が、警察側の罰金の書類にはクルマのナンバーと車種が書かれているはずだから、今週中に調べて車種が違えば典型的↑の犠牲者として罰金データーを抹殺するって言ってくれた。」 ホントかよ。。。ローマの警察なんて信用していいのか? とにかくそういうことなので待つしかないのだけど。。。。 どうしようもないので、とりあえずはお土産のステーキ肉をいただいた。 ローマの肉屋の肉はミラノの肉に比べ物にならないほど柔らかくおいしかった。 はぁぁぁぁぁぁ。。。。ミラノよりうわ手な都市があったとは、やられたコリャコリャ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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