テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
しつこいようだが、ミラノは晴天が多く続いている。
我が家のそばの並木道は今桜が満開なのだが、今朝ミラノ中央駅のそばの桜はすでにすっかり葉桜になっていてびっくりした。 こうも天気が良くて暖かいと、家や会社にこもっているのがもったいないというか、せっせと外出しなければいけないような強迫観念にかられる。 で、この週末も先週木曜日から出ずっぱりだった。 木曜日はすでにいろいろなひとがネタにしていた「女性デー」。 イタリアでは女性は男性からミモザの花をプレゼントしてもらって、女性だけでバカ騒ぎするのが普通。 この日はさっそく こういう場合、本当はわたしだけで行くのが正道だったのだが、うちだけ田舎から夜の会食への参加なのでセバスチャンおっともついて来ることとなった。 前回同様、おいしいお寿司やてんぷらが出てお腹いっぱい食べて飲む。すっかりおなじみになった板さんM田さんからは、女性全員にそれはそれは立派な桃の花のような桜の枝とミモザが組み合わされた和風な花束を各々もらって感激!こんな立派な花束、おっとにすらもらったことがない。 そのときすでにベロベロのおっと、2次会のスノッブなワインバーでは下品な冗談を連発したあげく、一人で眠りこけてしまった。怒 夜中の1時も過ぎてお開きになり、わたしはおっとを無理やり揺り起こし、家までスリル満点のおっとの飲酒運転で帰った。やつの運転中ずっと「どうせ死ぬなら畳の上、とまでは行かなくても日本の地で死にたいよ~!」と思い続けていたのである。 そして金曜の朝はひどい二日酔いで出勤。 実はこの日、終業後から密かに企画していた「第4回(5回目だっけ?)家出の旅」に出ることに決めていたので、なんとか休息を取らねばならない。 。。。って、仕事中にはさすがにそれは出来ず、しかたがなかったので「移動中に眠ればいいか。」とあきらめた。 さて今回の家出先は、ご存知の方はご存知の、なつかしのベネチア在住s◎i◎◎◎ci◎さんち! お世話になりま~~~っすっ!!! 。。。と、ここまで家出が常習になると、おっとももう何も言わない。汗 しかし、わたしは週末たっぷりs◎i◎◎◎ci◎さんとの2人きりラブラブ(?)バケーションを楽しむつもりだったのが、おっとの仕組んだ強烈な仕打ちによって金曜の夜に着いて、土曜日夕方にミラノにとんぼ返りという、ハードな行程となってしまったのだった。 さて、わたしは金曜日、仕事が終って電車に乗り込んだ。 発車時刻の30分も前に着いたので電車の中はまだガラ空きだ。 わたしは2等車両に行って窓際のその席が「自由席」と書かれてあるのを確かめ、コートを脱いで、リュックもおろして網棚にあげ、ゆったりと座って新聞を広げた。 どんどん電車が混んできた。わたしは構わず新聞を読んでいたのだが、ある時点で「え~オホン。その席はわたしの席なんだが。。」とビジネスマン風の男性に言われた。 わたし「え。。。?自由席って書いてありますけど。」 そばに座っていた女性「最近は指定席の張り紙をしなくなったのよ。運がよかったら指定しなくても座れるんだけど。」 ええええ!!?? 説明しよう。イタリア国鉄の型の古い電車は向かいあわせの6人席のコンパートメントとなっていてガラスのドアで仕切られていてそのガラスにすでに「自由席」と刻印されたプレートが6つ並んでいる。昔は指定席がある場合、そこに車掌が「指定席」と書かれた紙を差し込んでいくのであったのだが。。。 わたし「そうなんですか、すみませ~ん。」と新聞をぐちゃぐちゃにリュックに押し込んでコートを腕に抱え、コンパートメントを出た。 まだ通勤ラッシュ時間前だというのに、金曜日だからか?電車は通路までひとがはみだして大混雑だ。わたしはぎゅうぎゅうの通路に肩を縮めて立つ破目となった。 くそうっ、そうと知ってたら30分も前に着いたのに、指定席取っておけばよかった! ベネチアまでの3時間、休息をとるどころじゃない。 立ちながらイライラと家出の原因などを思い詰めていると電車はブレーシャに着いた。やっとわたしの目の前の席が空いたのですかさずゲット。しかしこれも指定席なんじゃないか、とハラハラとベネチアのほんの3駅前に着くぐらいまで緊張して座っていた小心者である。 ベネチアって、ミラノからやっぱり遠い。何度も何度も電車の中でs◎i◎◎◎ci◎さんにSMSを打って所在地を知らせるわたし。 電車がミラノを発車したときはまだ太陽がまぶしかったのに、夜真っ暗になってベネチアに着いてホームの端で小さなs◎i◎◎◎ci◎さんさんが飛び上がりそうな勢いで手を振っているのを見つけて心底ホッとしたのであった。 まずは国鉄駅近くのs◎i◎◎◎ci◎家経営パン屋さんへ。 こじんまりとしたパン屋にもかかわらず、ショーウインドウぎっしりのパンやお菓子、ジュースも豊富、棚には瓶詰めやワインが所狭しと並んでいる。 ひっきりなしにお客さんが来て大盛況だ。 わたしたちは厨房に入って、はじめてわたしは噂の「Tクさん」に遭った。 白い服を着て、お菓子を作るTクさんは「プロの職人オーラ」が漂っていてかっこいい! Tクさんの作ったサブレを味見させてもらったが 「んっま~~~い!!」 ん~、お嫁になるひとは幸せだねえ、きっと。 わたしたちはTクさんが仕事が終るのをちょっと離れた広場のBarでアペルティーボをして待つ。 わたしはそこまでの道をリュックを小脇に抱えていたのだが、ベネチアでは普通に背に背負っていても盗られないそうだ!? しかもバールでも荷物を自分の身から離して置いていてもOK。 なぜなら、ベネチアは町が狭いので、そんな異常があったらすぐに噂になって犯人の肩身が狭いことや、クルマが通らないのでスリや泥棒が盗っても遠くに逃げられないかららしい。 なんて素晴らしいんだ、ベネチア!! やがてTクさんから連絡が入り、ピッツェリアに集合。 オールドアメリカン風のしゃれたレストランで、s◎i◎◎◎ci◎さんとTクさんの日本人友達がたくさん集まって楽しい夕食会になった。 Tクさんは「うちの姉貴がついてきたような食事会だな~。」とボスであり、夜遊びをほとんどしないs◎i◎◎◎ci◎さん参加を照れている。 観察しているとベネチア在住の日本人はミラノ在住日本人と明らかに、そう、犬で例えるなら猟犬と愛玩犬ぐらいに種類が違うことがわかってきた。 ミラノ日本人はばりばりビジネスマンタイプや、おしゃれで痛いほど(?)洗練されたひとが多いが、ベネチア種はおっとりしながらも、突き詰め型、というか? もしかしたらわたしはベネチア種かもしれないな。 楽しい食事会も済んで、わたしとs◎i◎◎◎ci◎さんは海風に吹かれながらいよいよ彼女の家に向かう。 この日、彼女の旦那さんは出張、2人の愛娘ちゃんたちは山のおばあちゃんたちの別荘にお泊り。 まさにふたりっきりで炸裂できる大チャンスであった!! しかし2日酔いにさらにピッツェリアでビールを重ね、ボロボロになっていたわたしはシャワーを浴びてそのまま爆睡してしまったのである。 あ~、今思い起こすともったいなかった。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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