テーマ:夫婦のつくりかた?!(456)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
ここで楽しい(?)家出の話を中断して、家出原因を書かなければ気がすまなくなってきた。
遡って、おっとの誕生日は3月7日先週水曜日。昨日書いた楽しい夕食会前日。 ヤギの国では大人も誕生日は派手に毎年祝う。 なのでわたしは1ヶ月も前から「パーティには誰誘うの?何したいの?」と聞き続けていたにもかかわらず、おっと「う~ん、ジェノバのルイスたち?それともウイリアムがいなくてもウイリアムファミリー?」などと言って何も決めていないのに、いつものごとく誰でもいい加減に誘っているようなのですっかりあきれて放置していた。 直前になってやっと他人のエルトンが業を煮やし「BBQにしようぜ!」と言ったため、そういう方向に向かったが、正式に誰も誘っていない。 今年はきっとその日に集まれるヤギを誘って飲んだくれる方向だな。 わたしはあきらめて7日水曜日は、仕事の後、2人でどこかに夕食を食べに行こうかとぼんやり仕事中に考えていた。 夕方、会社を出ようとするとおっとから電話があった。「今日、弁護士事務所に行こう。やっと、自動車事故の保険が降りることになったんだ。小切手で払うから受け取りに来てくれってさ。」 OH,SI! やれやれやっとだよ。でも、小切手なんて信用していいのかな?ちょっと心配にもなりながらおっとと待ち合わせの弁護士事務所の建物前に向かった。 おっととの約束は19時。 わたしは時間きっかりに着いておっとを待つがいつまでたっても来ない。 わたしはおっとに電話をした。「まだ高速の上。ひどい渋滞で動かないんだ。弁護士事務所はもう閉まるから、君が先に入って事情を話して待ってもらうように言って。」 わたし「え。。。そんなの、自分で電話してよ。」 おっと「携帯のクレジットがないし、弁護士の電話番号、なくしちゃった。」 こ。。この野朗。 わたしはムカムカしながらすぐそばのインターフォンを押す。するとぶっきらぼうな声で「どなた?」 わたし「あんころ マルちゃん(仮名)の妻ですが、あんころからことづてがありまして。。」 「あんころ?まあ、とにかく入って。」 弁護士事務所に入ると、部屋はたくさんあったが、どうやらほとんど帰宅したようで、ひとつの部屋でひとりの弁護士と思われる男がデスクに足を投げ出して携帯に向かって怒鳴り、誰かに命令している。 わたしがおずおずのぞくとあごでくいっと上げて、目の前のイスを座れ、というように示した。 た、態度悪い奴だな。 わたしはしかたなくそのイスにちんまり座り、男の電話が終るのを待った。 男は長電話で、わたしはおっとが早く来ないかと何度も腕時計を見ていた。 やっと男がぶつぶつ言いながら受話器を置く。 そしてわたしを振り返り「あんた、誰?」 「あんた、誰?」って。。。汗 わたし「あんころ マルちゃん(仮名)の妻です。あんころからことづてがありまして。。」 男「あんころ マルちゃん?はあっ?聞いたこともない!アポは取っているのかね?」 わたし「さあ、あなたから電話があって来いということだったのですが?」←男の後ろにおっとに言われた弁護士の名前の賞状があった。 男「あんころ マルちゃんなんてひとに電話した覚えなんてないね!それはいいとして、いったいあんたは何しに来たのかね!?」 わたし「あんころは小切手を受け取りに来い、と言われたようですが?」←自信がなくなっておろおろするわたし 男「奥さん、あんたね、小切手を受け取りたくばここに来るのは間違いだよ。旦那さんに銀行に行くよう、言っておくれ!」 わたしはついに切れた。なんだ、この男はっ!? 「わたしはただ、おっとに言われてアポに遅れる、と言いに来ただけなんです。なんなんですか、あなたのその態度!?」 男はわたしが語気を荒くしたことでひるんだ。「ちょっと奥さん落ち着いて。なんの件で来たのかね?書類はあるのかね?」 わたし「先日1年半前の自動車事故で勝訴した件です!書類はおっとが持ってくるはずでわたしは持ってませんよ!」 男「アポもない、書類もないじゃ、あんたの言っていることが全然わかりませんよ。」と鼻で笑う。 そこでわたしは、ハッとなんで電話しないのか今更気付いた。 おっとに携帯で電話する。「ちょっとあんた。いったいこのひとなんなの?話が噛み合わないから替わる。」と男に携帯を押し付ける。 男「もしもし、いったいあなたは。。。。あ、あなたはマルちゃん あんきょろう!」 誰だよ、マルちゃん あんきょろうって。 男の態度が180度変わった。「ええ、はいはい。あ、ちょっと遅れる?いえ、全然構わないですよ~。お待ちしてます。」と電話を切った。 男「奥さん、なんだ最初からマルちゃん あんきょろうだって言って下されば。」 わたし「あんころ マルちゃん(←あくまでも仮名)です。」と訂正する。 男「ほら、わたしのこと覚えていません?一度裁判所で証言のときにお会いした。。。」 ああ、言われて見ればこいつだった。 わたしはコートをコートかけから引ったくり、「じゃ、用が済んだんでお邪魔さま。」と出て行こうとした。 男「え、旦那さんをお待ちにならないんですか?」 わたし「いえ、不愉快なんで外で待ちます。」 男「ああ、そうですか。」とムッとした口調ながらもやけにいんぎんにドアを開けてわたしを送り出した。 わたしはカッカしながらおっとに電話をかけ「外で待ってる。」と言った。 おっと「なんで?もう着くよ。」 わたし「不愉快だからあそこに居たくないの。わかった!?」 わたしは真っ暗な小雨が降る道を歩き出した。腹が立って腹が立ってしかたがない。 そりゃ、弁護士はたくさんの裁判を抱えていていちいち、被告人の顔なんて覚えてないかもしれないけれど、終業間際のこの時間に来るっていえば、おっとしかいない。あんたもそれを待って、ひとりで事務所に残ってたんだろう? たとえ名前を勘違いしていても「あんころ マルちゃん」で「マルちゃん あんきょろう」が思い浮かばないか? しかもその妻は、この国でありふれたイタリア女ではなく、日本人で、「小切手を取りに来た。」といえばすぐにわかるものだろう? で、とどめは「一度裁判所で証言のときにお会いした。。。」 って、しっかりわたしのこと、覚えているやンけっ!? どういうつもりだったのだ、この野朗っ!? 電話で揉めていたし、むしゃくしゃしていたから、目の前の逆らいそうもないガイジン、からかってみた? むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく。。。。。 というわけで気を静めるためにBarに入り、グレープフルーツジュースを注文して、s◎i◎◎◎ci◎さんに電話で怒りを聞いてもらっていたら落ち着いてきた。 そこにおっとが迎えにきた。 しかしわたしはおっとを見るとまた怒りが簡単に蘇り、クルマに乗り込むなりすごい勢いで「ちょっと聞いてよっ!もう腹が立って腹が立って~!!!」を第一声に、ストーリーに入ろうとすると冷ややかに「怒鳴らないでくれる?すぐそばにいて、君しかいないんだから聞こえてるよ。」 しかしわたしの怒りが簡単に収まらない。さらに大声で「そういってもね、あの弁護士が!」 おっと「それ、ぼくのせいだって言うの?だから怒鳴るの?」 わたしはちょっと冷めた。「ご、ごめん。そんなつもりじゃないんだけど。。。」 おっとはついっと前を向いて完全無視体制に入った。 それを見て、わたしの中に弁護士に対する熱い怒りがすっかり冷め、かわりに最近おっととの間にひんぱんに生じる冷たい怒りが生まれた。 なんでこのヤギはこういう態度が取れるのだろう? 元はといえば、こいつがいつも携帯のクレジットゼロで、わたしにたった一言「遅れる」と言わせるお使いをさせるからこんな思いをしたんだ。こういう場合、その責任をとって、せめて妻の怒りが収まるまでイヤでもウンウンと聞くフリぐらい出来ないのだろうか? 。。。としばらく黙って悶々と考え抜いたあげく、わたしが大人になることにした。「ねえ、もう遅いし外で食事しよう?」 おっと「イヤだ。」 わたし「でも、せっかくの誕生日だし最初からそれを言おうと思っていたんだ。で、こんなハプニングが起こったけど。。。ね?」 おっと「イヤだ。」 あ、そう。プチン それからわたしたちは無言で家に帰りついたのだった。 さて。家に着くとおっとは時計を見上げて、駆け込むようにPCのスイッチを入れる。 おっとのメールBOXにはこの日に届くよう、バースデーカードを送った。それをみたらちょっと態度が軟化するかな? 遠くから食事を準備するふりをしながら、のぞきこむ。 おっとがさくさくとメールBOXに目を通しているとメッセンジャーが開いた。 相手は最近おっとがしょっちゅう一緒に朝帰りするクラウディオだ。 クラウディオ「ごめん、オレのほうが遅かったな。」 おっと「いや、ぼくも今家に帰ってきたところだ。」 クラウディオ「おい、シャンパンは?」 おっと「買いに行く時間がなかった。」 クラウディオは「しかたねえな。」とモニター越しにグラスを持ち上げ「ハッピーバースデー、マルちゃん!!」 おっとはうれしそうに「おお、サンキュー!」 おっと「あのさ、金曜の夜にちゃんと祝いなおそうよ。そのときはぼくのおごりだ!」 クラウディオ「うん、いいな。じゃあ、連絡待ってるぞ。」 わたしは石のように固まって、2人が祝い合っているのを遠くから見ていた。 そ、そうなんだ。今日はクラウディオに祝ってもらう手はずだったから、わたしと外食に行く暇なんてなかったんだ。 で、金曜日はまた出かけて土曜日に朝帰りするわけね。。。 おっとはメッセンジャーが終って、そのままログアウトしていかずにシャワーを浴びにいったので、メールBOXを見てみたら、わたしのバースデーカードはゴミ箱に捨てられていた。開封もせずに。 あ~、最低な気分。女ならともかくあんなうだつのあがらなそうな、気持ち悪い、しかも妻子持ちの男に負けるなんてさ。。。 で、さっそく今回家出先の決定打になったs◎i◎◎◎ci◎さんにメールを出して旅立った、というわけ♪ (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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