テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
前回の日記、「中華が食べたい!」にさっそく反応してくれたマイミクとんちゃん。「中華に行こ~~!!」とおととい、わたしを誘ってくれた。
あの日記で言いたかった主旨は中華がすごく食べたかったんじゃなくて「日本人との交流をしたい!」とのことだったのだが、そんなことはどうでもいい。ありがたいことだ。 とんちゃん、最近おなじみちずさん、新しいお友達キキちゃんは、わたしをポルタガリバルディ駅近くの中華レストランに連れて行ってくれた。 そこから遠くない中華街の中には汚いけれどもおいしい店を数件知っていたのだが、ある日、どこかのレストランの冷凍庫から男性のバラバラ死体が発見された、というニュースを見てからというもの、足が遠のいていたのである。(その前はセントバーナードの子犬が数匹、厨房で発見された。) だが、ここは店内もきれいで、店員も親切だ。厨房に死体も犬もいなさそうな雰囲気に安心する。 このレストラン、肝心の所在地は忘れてしまったが、ものすごくおいしかった!! 中でも「ニラ餃子」は皮が薄く、こんがり焼けていて日本の餃子みたいだ。 「海鮮ラーメン」はまるでうどんでシコシコしていてアッサリ味。 おかげでおとといからわたしはダイエット宣言をしていたのだが、どんどん青島ビールが進んでしまう。_| ̄|○ 女4人でテーブルでゲラゲラ笑いながら大声で喋っているのを周りのイタリア人客がびっくりした顔で見ていた。 お会計は4人で40ユーロ。ひとり10ユーロだ。 我が社の周りのBarの昼定食なんて、セットのほかにうっかりデザートでも食べようものなら簡単に10ユーロ超えるぞ? ここまで我が社から徒歩20分ほど。毎日来たいところだが、たった1時間の昼休みにちょっと遠いな。ちっ 家に帰るとおっと「酒臭い息して夜遅くに帰ってくるな~!!」 ひとのことが言えるんかいっ!! ***** そういえば、先週の金曜の夜はエルトンに誘われて、彼の友人宅に夕食に招かれた。 エルトン「ぼくの友達手作りのピザを食べるんだ。」 ほう、ピザといえばイタリア人か。 エルトン「違う違う。イタロブラジル人。」 へえ、そういうの、やっぱりいるんだな。数は少ないけどイタロ日本人もいることだし。 とにかくブラジル人家庭にお邪魔するのは、エルトンの家以外、初めてだ。 某地下鉄駅アガルの立派なマンションに着くと、チョコレート色でちりちり頭な絵に描いた様なブラジル人女性が「いらっしゃ~い。」とドアを開けてくれた。 「いらっしゃ~い。」 「いらっしゃ~い。」 「いらっしゃ~い。」 「いらっしゃ~い。」 次から次へと出てくる人々に目を廻しながら「どうもどうも。」と言い続ける。 いつ終るんだろう?と握手攻撃を受けながら中に進み、やっと広いキッチンから「いらっしゃ~い。」と陽気そうな色白金髪の男性が出てきて、エルトンが「彼が本日のシェフだよ。」と言ったところで最後となった。 シェフはミトンをはめ、オーブンを指して「見てごらん、これがブラジル風ピザだ。」という。 わたし「え、ブラジル風ピザ?」 中をのぞくと、ふっくらした生地のピザがちょうどこんがり焼けたところだった。 確かにイタリアピザはこんなふっくらじゃないな、と感心して見ていた。 そこにドドドッと家族が詰め掛ける。「さぁさ、あっちのテーブルに着いて食べましょ。」とあっという間にリレーで次々ピザを運んでいった。 「何やっているの、お座りなさいな。」と一人の女性が立派な大理石の床のリビングのイスをすでに引いて手招きしてくれる。 。。と、そこまで目を廻していたのだが、席に着き、ようやく落ち着いて一同を見渡した。 2家族、チョコレート色の奥さんの家族と、そのお姉さんの家族がいるようだ。 シェフ家族は、奥さん、2人のちびっこ、17歳の息子、お母さん、犬。 近所に住む、という奥さんのお姉さん家族はイタリア人の元旦那さんとの間に出来た19歳の息子と12歳の娘。 大人と大きな息子たちでテーブルを囲み、子供たちはそばのソファに座る。 「ささ、ピザを食べて!食べて!」 一切れ食べるとおいしかった! 生地に甘みがあって軽く、日本のパン生地に似ている。 「おいしいです~!!」と、 夢中でパクパク食べていたら、全員の視線がいかにも興味ありげにわたしに注がれていることに気がつき、ちょっと気まずくなって食べることを中断してみんなを見渡した。 シェフ「。。。え~、オホン。君はどこの国の出身かね?」 わたし「日本。。。ですが、何か?」 その言葉を聞くなり、「ついにやった~~~~~っ!!!!」と2家族全員が立ち上がり、お互いの手のひらを打ち合って飛び上がって喜びだしたのだ。 な、なんなんだろう、この喜びようは? 彼らの間ではまさか、日本人の肉を食べると不老不死になる言い伝えでもあるのだろうかっ!? おじけづいて固い愛想笑いを浮かべていると、19歳の息子が目をキラキラ輝かせて前に進み出た。「ぼく、とっても日本ラブなんですっ!!」 へえ、そうなんですか。←ニヒル 息子「日本のアニメが好きで、日本のロックが好きで、日本のTV番組が好きで、日本人と友達になりたかったんだけど、今まで全然知り合う機会がなかったんだ。ドゥモ前に行くたびに『今日こそ誰か歩いている日本人の女の子に声をかけよう!』と思うんだけど、恥ずかしいし、怪しいし、第一日本語を知らないからどうにもならなくて。。」 シェフ「うん、そ~なんだよ。ぼくもね、なんだか感化されちゃってこの間、腕に日本語のタトゥを入れたんだ。でもね、こいつら『これは絶対日本語じゃない、騙されてるよ。』て言うからちょっと見てくれる?」 シェフがまくった腕にはカタカナで「シモナ」と書かれてあった。装飾も何もない。それだけ。 わたし「シモーナ。」←そのまんま読むと可哀相なのでちょっとアレンジ。 「うわっ、当たってる~!!!」とまたまた跳ねながら喜ぶ家族たち。 シェフ「シモーナはね、ぼくの最愛の奥さんのな。ま。え。」 子供1「そんなの腕に彫っちゃって~、離婚したらどうするの、お父さん?」 シェフ「たとえ離婚してもず~~~っとお母さんを忘れないようにさ!」と、奥さんをぎゅ~と抱きしめて熱いキスをする。 ハハハハハ、お熱いですな。わたしに足りないのはこ~ゆ~熱さなんだね。。。←クール それからまた全員で席に着いたにもかかわらず、19歳の息子は、長いテーブルの向こう側から一番端にいるわたしにみんなの会話をさえぎって日本について質問攻めである。 何度もお母さんに「あんた、いくきーとが困ってるわよ、いい加減にしなさい!」とたしなめられるのだが「今日を逃したら、次に彼女に会えるのはいつになるかわからないんだから、あともうちょっと!」と必死だ。 そこまで言われると、わたしも悪い気はしない。「じゃあちょっと席をはずす?」と2人でソファに座り、まじまじと彼を観察した。 背が高い。痩せているのにがっしりしていてなかなかいい体つきである。顔はイタリア人とチョコレート色のブラジル人とハーフなだけあってエキゾチックで結構いい男だ。 わたし「さあ、なんでも質問してちょうだい!」 しかし面と向かうと彼は恥ずかしくなってきたらしく「え~と、質問したいことがいっぱいあったのに、すぐ思いつかないや。。」とはにかむ姿がまたもやセクシーキュートで、わたしは慌てておっとに視線をそらした。 やばいやばい。 その視線の先のおっとはあんまりおもしろくなさそうに、大人たちとしゃべっていた。 そのあと息子は、やっと調子付いてきて、お勧めの日本レストランとか、日本語学校の情報とか、いろいろ聞いてくる。 そして、やたら日本の流行りに詳しい。「ぼく『Hey hey hey!』の香取ママの大ファンでさ。」 わたし「え、どこで『Hey hey hey!』観れるのっ!?」 息子「YOUTUBEでも見れるし『何とかカンとか』ってサイトでも観れるよ。メルアド教えてくれたらアドレス送るよ。」 わたし「それはいいけど、日本語わかって観てるの?」 息子「ううん、あんまりわからないけど原語で聞いて、慣らそうと思って。」 。。。。。しっかりした子や。ただの流行に乗った日本かぶれの兄ちゃんじゃないのね。←カンドー おっとが知ったかぶりして「日本のTV番組おもしろいよね~。ぼくは『風雲たけし城』が大好きだ。」と口を挟む。 古いんだよ、おっと。。。_| ̄|○ しかし優しい息子「そうだね、あれも面白いよね。競技を始める前にみんな『ガンバリマース。』って言ってるけどあれは掛け声?」とフォローをする。 わたし「うん『頑張るぞ。』って意味。」 息子「ぼくが好きな歌に「バラノセイドー」ってのがあるんだけど知ってる?」 わたし「。。。知らない。」←音楽音痴 息子「『バラ』はローズでしょ、『ノ』はイタリア語のDI、接続詞だよね?『セイドー』はなんて意味?」 「セイド-?」「正道」「青銅」「聖堂」「制度」「精度」・・・・ わたし「。。。。。ごめん、わからない。書いてある字を見ないと。」 息子「。。。そっか。」 ううううんんん、自分が本物の日本人じゃない気がしてちょっと情けなくなった。 お母さん「あんた、もういい加減にしなさい!いくきーとが困っているじゃないの。2人ともこっちに戻ってきなさい。」 わたしたちはスゴスゴと席に着いた。 後はなんでもない普通の会話をして終了したのだが、わたしはいろいろとカルチャーショックを受けていた。 わたしは、今まで南米ヤギはエクアドル人もブラジル人も、一緒くたにしていたのだが、明らかにこの2つのお国柄は違う。 エクアドル人家庭に招かれた場合、ドアを開けたとたんから、こんな熱烈歓迎なんて受けたことがない。 たいがい、わたしが家の中に一歩踏み入れると警戒心を含んだ空気が伝わってきて「はじめまして。」と握手をしても無愛想だ。 例えるならば、心の障子を締め切られた状態。 かな~りフレンドリーな家庭のみ、回を重ねるごとに打ち解けられるが、たいがいは表面だけ穏やかな状態で終る。家族の中には最後までわたしとは口を利かない人もいる。わたしを交えての会話などほとんどありえないので、わたしは孤独に陥る。 だから、エクアドル人家庭を訪問することが苦手である。 イタリア人家庭の場合も、なかなか心の障子が固いところが多いのだが、それでも会話だけは成り立ち、その場だけの笑いもこぼれる。 それに比べてこのブラジル人家庭のこの障子を開け放して、そよ風だろうが、突風だろうが、なんでも受け入れる体制にはびっくりしてしまった。 おおらかというか、ほがらかというか、この家族は、なんだか典型的なアメリカンファミリーのコメディ番組を見ているようだ。 そのことを帰りのクルマの中でエルトンに話したら「確かに。彼らはクリスティアンの家族みたいだな。」といった。 わたし「それ、どういうこと?」 エルトン「カトリックの家族とは違うってことさ。」 わたし「どういう風に違うの?」 OOOOOOHHHHHHH,NOOOOOOOO!!!!! しまった!! わたしはただ、雰囲気的にどう違うのか知りたかっただけなのだ。 それからは家に帰りつくまでエルトンのキリスト教の違いとは何か?クリスティアンとカトリックとエバンジェリカの神の信仰の仕方の違いを延々と聞かされるはめに。。。_| ̄|○ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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