テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
前回の「エクアドルに行く?07」は書いている最中に「もう毎年、毎年、同じことばっかりやってるわたし!!」とすっかり嫌気がさして中断してしまった。
なんか最近持久力がない。毎日自宅にとじこもりながらも、たまにはネタらしいこともあるのだが、ぐ~たら生活に慣れてしまい、PCに向かう気力すら失せてきた。 しかしこれではいけない。時にはキーボードも打たなければ。。 前回残りの2日間は、はじめての妊婦旅3日目がきつくて、おっとといとこたちはまたプールか山を企画していたようだが「パス。わたしはひとりで家で寝てるからみんなで行ってきて。」と投げてしまった。 すると、急に意気消沈したミリーとカティちゃんも「く~きが家にいるんだったらわたしたちもすることがあるし、残る。」と言い出し、結局は男たちだけで中古車センターめぐりでほぼ1日費やしたようである。 夕方に一番最初に飽きたエルトンがひとりで帰ってきたので、元気を少し取り戻したわたしは彼を誘ってジェノバの旧市街を観光をした。湾を一周する観光船に乗ったり、教会を見たり。。わたしは念願叶って大満足だったが、野生児エルトンは都会はあまりお気にめさなかったようである。 4日目は本当は予定にはなかった日。おっとの「中古車センターめぐり」の情熱だけで押し切られてしまって残った。 なぜおっとがこんなに「中古車センターめぐり」に執着するかというと、我が家のもんで男くん、御歳12歳でありながらもエンジンの状態もすこぶるいいし、2年前の追突事故のへこみ以外は傷ひとつなく、クルマ&キッチン磨きオタクのおっとのおかげでいつも新車のようにピカピカだったのだが、お盆休暇ぎりぎり前に少しエアコンの調子が悪くなったのが始まりだった。 といっても、フィルターの掃除ぐらいで済む程度。 なので、このジェノバ旅に間に合わせるために、おっとの友達という修理工場(非常に怪しい!)に持っていったまではよかったが、その日をはさんで完璧に壊れやがった~っ!!しかもおっとはそのとき気がつかなかったのだが、フロントガラスに小さなひびまで入れられていた。 わたし「やり直してもらいなよ!」 おっと「無理にお願いしたし、ずいぶん安くしてもらったからそんなこと言えないよ。」 く~。。。。 エアコンはともかく、このフロントガラスの小さなひびは2日ほどであっという間にひろがり、助手席を斜めに切るようなはっきりしたものとなった。 わたし「エアコンはいいから、せめてフロントガラスを弁償してもらうように言ってよ!」 おっとは面倒くさそうに「もうあいつ、休暇に行っちゃったし、念のために他の修理屋に聞いたら500ユーロだっていうし、そんなんならクルマを買い換えよう。」 わたし「ど~して、そういう発想になるのよ!だいたいうちのどこにそんなお金があるんだよ!?」 おっと「もんで男くんは大きいし燃費が悪いから毎月維持費が大変なんだよ?それを小さな。。そうそう君が欲しがってたオートマ車にしたら、ローンと燃費合わせてもきっと今までとトントンだろうし、もう文句を言わないで運転させてあげるよ。」 ふ。。普通、子供が出来たのをきっかけに小さな車から大きな車に替えないか、逆やで? しかし確かにもんで男くんはわたしにはでかすぎてこわい。それでびびり運転練習をしていたらおっとに「君は運転に向かない!絶対に運転するな!!」と宣言されたのだ。確かにわたしのようないつまでたっても初心者が始めるには中古の小さなオートマが向いてるかも。。 そういったいきさつでおっとはここのところずっと中古車を捜し求めているのだが、なにもジェノバまで行って探さなくてもいいだろう?! こちとら下着の替えもつき、ルイス家族たちもこの日から巨大アウトレット村で有名なSerravalleの近くにある社長の別荘に泊りがけで行く予定だったので、わたしはおっとの首根っこを引っ張り、早々に引き上げたのだった。 はあ。。毎夏恒例のジェノバ参りの義理がやっと終わった。 やれやれと溜まった洗濯物を洗濯機に放り込み、マイミクのさとみーなさんに連絡を取る。 さとみーなさんは比較的近所に住んでいて、2歳と6歳の男の子がいる。彼女に以前から「赤ちゃん用品をそろそろ処分したいと思ってるの。よかったら見に来て。」と言われていたので、願ったり叶ったりで、おっともまだ休暇中のこの機を狙って、お宅にお邪魔させていただくことにした。 前回お会いしたときよりも大きくなった男の子たちを見て、おっとは未来でも見ているのか遠い目をし、わたしは出張ばかりでなかなか遭えないという幻の旦那さんを生で見れて有頂天になる。 またもや彼女の京の料亭仕込のおいしい昼食をごちそうになり、立派なベビーベッドとシーツやらベビーバスやらを譲り受けて家に帰宅した。 この日のために、わたしが足の骨折以来、使ってきた寝室兼小部屋の家具をベッドだけ残して全部本当の寝室に移動させたのだが、実際家具をどけた空間にベビーベッドを組み立てて置いてみると、なんだか妙な感じだ。 まだ子供もいないのに、実感が湧かない。その夜、なかなか寝付けなくて月明かりに浮かぶベビーベッドのシルエットをずっと見続けていた。 その日から火がついたわたしたちはIKEAでタンスを購入、そこからなぜかせっせと家の大掃除にまでなってしまった。 そこまではよかった。。 おっとと「次の週末には小部屋の壁をブルーかグリーンに塗ろうよ!」と大改造計画を立てているとき、おっとの携帯が鳴る。ジェノバのルイスからだった。「うちの社長が次の週末、別荘でBBQをするからお前たちも是非来いとさ。」 OOOOOOHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!??? なんで毎年ジェノバ参りは一度で終わらないんだ? わたし「ペンキ塗りはどうなるの?それにBBQに誘ってもらったって、今わたし肉がダメなの知ってるでしょ?!」 おっと「ペンキ塗りなんていつでも出来るじゃないか。肉が食べれないなら魚を買っていこう。ぼくが君のために焼いてあげるよ。」と、もうエルトンに連絡を廻している。 わたし「今度は日帰りだからね!もうしんどいから泊まりたくない!!」 おっと「社長さん夫婦の別荘はこの間の同僚の山荘と違って広いから泊まっていきなさい、って言われてるんだぞ?」 わたし「嫌だといったら嫌なの!泊まらないために何も持っていかないから。」 かなり意固地になったわたしなのであった。 次の週末。 おっとは張り切って目覚まし時計を早朝に合わせたにもかかわらず、寝坊。わたしとエルトンでイライラしながら待って予定の1時間遅れで出発。 高速道路に入り、ガソリンスタンドに入ると、真っ黒に日焼けした家族連れやカップルでごったがえしている。 あ~あ、みんなリグリア海の休暇から帰ってきてるんだよな。わたしたちだけ逆行してる。。 まあ、そのおかげで逆行高速道路はガラガラ、Serravalleの近くにある社長の別荘には1時間半もかからず到着したのであった。 ルイスの勤め先の社長は羽振りがいいらしく、あちこちに別荘やらクルーザーやらお持ちだ。 この別荘、わたしはあまり期待していなかった。海の近くでも山の近くでもないこんな中途半端な位置の丘陵地帯で、同じような田舎に住むわたしには魅力があまりない。しかし小さなまるでハイジの村のような村に入っていったときにはさすがに期待が高まってきた。 その別荘は村の真ん中に建てられた教会のすぐそばにあった。小さな家が建て込んでいる中にいきなりな豪邸である!貴族の館のような広大で花の咲き乱れた庭、後ろに見える低い山々がトスカーナ地方の絵葉書みたいだ。 社長婦人「昔、この辺には温泉が湧いていたからこの建物は保養所だったの。それがその後、ホテルになって、レジデンスになったのよ。」 実はこの別荘はもう何年も使っていないので1年ほど前に「好きに使っていいよ。放置していても家が傷むだけだから。」とルイスに鍵を渡してくれたらしい。←そんな信頼関係、我が社では絶対無理だ!! 実際ルイスがはじめて行ったときにはベランダは草がぼうぼうで荒れ果てていたのだが、それを掃除してすっかり今ではルイス家族の別荘のようになっている。社長夫婦はたまに来て、ルイスたちと一緒に過ごす程度だという。 もったいな~、というか、太っ腹。 大きなベランダ、たくさんの広い部屋。リビングのガラス棚にはコペンハーゲンやスワロフスキの年代もののコレクションがぎっしりと並べられ、その優雅さに圧倒される。ああ、こんな家、ミラノで買ったらいくらするだろう?と貧乏人の独り言。 なんだ、こんなに素敵な別荘なら泊まってもよかったよ。←現金なわたし 社長婦人はさっそくこの日のために買ったばかりのBBQセットの箱の組み立てをおっととエルトンに命じ、わたしとミリー、社長婦人とで使い心地のいいキッチンで材料を切りにかかった。 ベランダではカティちゃんが社長の黒いラブラドール犬と笑いたわむれている。 大きな白いパラソルの下に長いテーブルを置き、冷えたワイン、焼きたてのパン、オリーブetcを並べて、煙が届きもしない広いベランダの端でBBQ奉行エルトンが肉や野菜を焼いては運びはじめた。おっとがわたしのために焼いた黒鯛は絶品だった。やはり炭焼きの魚は味が違う。 このような環境下に置かれると、食事の間に交わすおしゃべりも酔っ払いヤギたちのそれではなく、とてもとてもまともになるので喜ばしいことである。 デザートが済んでコーヒーを飲み干す頃にはパラソルの下でもかなり暑くなってきた。 女性軍は家の中に入り、「SHANGAI」という竹串を色分けしたものを使ったゲームに夢中になり、男性軍はこのくそ暑いのに犬を連れて散歩にでかけた。 ああ、なんてリラックス。これこそわたしの求めていた休暇の形というものだよ。 こういうBBQならいつでもOK! 男性軍が「今日はこの村でコンサートがあるみたいだよ!」と帰ってきたときには、わたしは大きなベッドの上で昼寝をしていて、ミリーと社長婦人がもう夕食の支度をしていた。 わたしは慌てた。「今日中にミラノに帰るつもりなので、わたしたちの夕食はいらないですよ!」 社長婦人「え、泊まっていかないの、どうして?まあ、夕食を食べてコンサートを見てから帰ってもいいんじゃない?」 コンサートは確かに魅力があった。わたしたちは社長婦人のお言葉に従うことにした。 陽が沈むと、社長のレジデンスのすぐそば、教会の前でコンサートが始まる。 ベランダで社長婦人お手製のパスタ アラ ジェノベーゼを食べながらにしてコンサートが聴けてしまうのだ。なんて贅沢。 夜の10時を廻り、そろそろミラノに帰ろうか、というところであることが発覚した。 この小さな小さな村の教会前のコンサート、道路を封鎖して椅子を並べているのでレジデンス内の駐車場に入っているもんで男くんは出れない! すなわち帰れない!! わたし「そ。。そんな。。。」 社長婦人「てっきりあなたたちが泊まるものだと思い込んでたから(確実におっとの連絡不足)、クルマのことに気がつかなかったわ。仕方がないわね、これはもう泊まりなさい。」 無茶だ。日帰りを決め込んで、洗面道具も何も持ってきてない。 エルトンも「明日、友達をうちに昼食に招待したんだよ。やっぱり今日中に帰らないと。。」とぼやいている。 そう、何がなんでも帰らなければ!! ここから別荘滞在が急に苦痛になった。 コンサートが終わったのは夜の11時過ぎ、道路封鎖が解かれたのは深夜の12時過ぎ。 わたしたちは眠たい目をこすりつつ、ミラノに向かって出発したところでエルトンの携帯にメッセージが入った。 エルトン「昼食に招待していた友達が明日、来れなくなったって!Uターンする?」 わたし「なにがなんでもミラノに帰る!!」 自分がなんでここまで意固地になるのか自分でも理解できなかったわたし。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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