テーマ:住宅コラム(1809)
カテゴリ:家探し、購入から入居まで
10日ほど前、北イタリアには大嵐が吹き荒れた。そのおかげで、涼しかったミラノはますます涼しくなった。
この日、特にベルガモでは街路樹が倒れて、クルマがぺちゃんこになったり、建設中や古い家の屋根が吹っ飛んで、市民が避難する騒ぎになった。 ちなみに我が家はベルガモ寄り、ぎりぎりミラノ県だ。 この日、わたしはいつものように家に居て、おっとは大雨の中、会社に行ったのはいいがあまりの風雨で外に配達には行けなかったらしい。 夜半からの雷と風と雨の音、急激に下がった気温で朝、なかなか布団の中から出れずにぐずぐずしてようやく起き出した。 (絶対、2階は雨漏り確実だな。)朝食を終えてため息をつきながらモップを持って階段を上がる。 今までにおっとの友人の業者にちょっと瓦を修理してもらったので、どんなにひどくてもあちこちに垂れるしずくの下にプラスティックのアイスクリームの容器などを置いていたらなんとか防げたのであるが、今回そこで見た光景は、なんと「屋内プール状態」!! フローリングの床からはまるで泉が湧き出るかのごとく全体がびしょびしょ、ベッドの上にも無数のしみが広がっている。 OOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!! わたしは慌てて滑らないように用心しいしい、階段を引き返し、モップの他に大きなバケツとタオル数枚、ドライヤーを持って上がり、床をモップで何度も拭い、ベッドのマットレスを完全に乾くまでドライヤーを当て続けた。 しかし、嵐が収まらなければ拭いた先からしずくがどんどん落ちてくる。 わたしが不毛な拭き作業を夢中で繰り返していると、なんとか嵐は午前中で収まったのでやっと我に返る。 見れば、必死で拭いた床もすでに水分がフローリングの中まで浸透していて、あちこちの板が浮いてきているのを発見して怒りを覚えた。 空を見ると、また雨が降り出しそうだったので生乾きの床とベッドの上にビニールシートをかぶせて下に降りた。 おっとに電話をかける。「今回は今まで以上の被害だよ!裁判結果はいったいどうなってるの!?弁護士も弁護士代だけ取っておいて1年近く音沙汰がないじゃない!!電話して確認してよ!!」 おっと「わかった、わかった。すぐに電話するから。」 午後からもまた嵐が吹き荒れた。今度は屋根のといが大量の雨を受け入れきれずにこともあろうかきっちり閉めているはずの窓の隙間から1階に雨が流れ込んできたのだ! 慌てて雨戸を閉めるために窓を開けると、バシャーッと全身シャワー状態で一瞬にして頭からびしょびしょになる。雨戸を閉めるとやっと雨が入ってこなくなったが、昼間から真っ暗な家の中、電気の明かりで床掃除をすることに寂寥感を覚えずにはいられなかった。 新しいお友達はご存知じゃない方も多いとは思うが、我が家は建築当初から欠陥工事をされたおかげで2年前から裁判となり、半年前、全ての調査と供述が済んで、あとは裁判所の返事待ち状態なのである。 調査の段階でもかなり相手の悪徳ぶりは露見されたというのに、未だ結果が出ていないのがはがゆくてたまらない。(ご興味がおアリの方はHOME右横のカテゴリーの「家探し、購入から入居まで」を読んでね。) 夕方、おっとが帰宅。「階下の家のベランダに張り出してる日よけテント見た?骨が折れて倒れてたよ。」 わたし「見た見た。で、弁護士は?」 おっと「うん。。。前回と同じ。まだ結果は出ないって。でね、君ニュース見た?ベルガモじゃあちこちの家の屋根が吹き飛んでるんだよ?だから今回はまったくの天災。。」 わたし「何いうんだよ!?うちはミラノ(一応)だよ!?ベルガモの屋根が吹き飛んだ家はみんな建設中や古い家じゃない?うちは古い家と言っても改築の際に、全部新しくなってるはずなんだよっ!!」 おっと「でもね、弁護士は『お気持ちはわかりますが、家を触らないように。』だって。」←というのもおっとがあまりのひどさに応急処置をしていいかどうか、訊ねたからである。 わたし「そういうから待って半年じゃない!?どんどん家が傷んできているのにこのまま放置しておけないよ!!」 おっと「じゃ、やっぱり部分修理する?」 わたし「当たり前じゃない。このままじゃ、大雨のたびに家もわたしたちの精神も参っちゃうよ。」 というわけで、おっとの友人の業者親子がおととい修理にやってきたのだった。 以前も、あからさまに穴が開いて空が見えていた屋根の一部を友達のよしみで部分修理してくれたエクアドル人たちである。 あの部分が一番ひどかったので、そこが修理されてからというもの、安眠度が上がったのは言うまでもない。 土曜日におっとはエルトンに手伝ってもらって新しい瓦を150枚買った。枚数が多いので、1枚の値段は安いとはいえ、これだけ買うと半端じゃないし、後悔と、勝手に部分修理をして、後でどうなるかわからないことに恐れを覚える。 彼らはおっとと共に屋根に上がり、作業を始めた。 話はそれるが、我が長屋の一番奥のずっと空き家になっていた家は反対端に住むご近所さんのカルラのお姉さんの所有物なのだが、やっとこの間から住むために改築工事にかかっている。(だから一日家にいるわたしは騒音がたまらないのだ!) あちらは本格的に足場を組んでその足場の周りにもネットを張って事故を防ぐ備えが万全だというのに、こちらはサルのように隣の家の天窓から上がらせてもらって命綱もなにもつけない作業。業者の2人はともかく、煙突にしがみつきながら手伝っているおっとを下から見るとハラハラするのだ。 コンコンガンガンと続いていた音が収まると、やっと彼らが埃だらけになって、五体満足で昼食に降りてきたのでホッとする。 わたし「どう、進行具合は?」 おっと「被害が一番ひどかった部分、古いねずみの巣があってね。断熱材に瓦と天井の間に詰め込んでいたウレタンをかじって寄せ集めてたものだから、余計に水が入りやすくなってたんだ。」 わたし「ゲ~!そういえば去年ぐらいまで夜中にカリカリうるさかったもんね。で?」 業者1「瓦が終わったよ。」 わたし「え、もう終わったの?ご苦労さま。」 おっと「そうじゃなくて、瓦が足りないんだ。」 わたし「ええ~、何枚?!」 業者2「120枚ほどかなあ?」 OOOOOOOOOHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOO...... 全然足りないやん!! この日は日曜日でイタリア中、どこの店も閉まっている。しかたなしに中庭を隔てて斜め向かいに住む、カルラのお姉さんの家を工事している業者のマルコに瓦を売ってもらえないか頼みに行った。 マルコ「いいよ、現場から好きなだけ持って行ってよ。」 しかし見比べると瓦の種類が違う。これでは使えない。 おっと「じゃあ、こうしよう。この瓦をとりあえず、被害がひどかったところにちょっとだけ使って、足りない分は次回ってことで。」 と、サルたちは再び屋根に上がっていったのであった。 途中、かぽーんという音がして、おっとがバタバタ降りてくるのが見える。 わたし「どうしたの?」 おっと「バケツを道路に落としちゃって。。。」 あんたらこわいよ! 幸いそのとき誰も通ってなかったので、被害者はいなかった。 夕方になって3人が降りてきた。そして、急いで2階へとあがっていく。今度はなんなんだ!? おっと「やっぱりダメだ。来週もう一度見直さないと。。」 業者1「作業が終わって試しに上からバケツで水を流したんだ。でもまだ屋内に水が入るよ。」 あああああああ。。。。。。。。。屋根の修理って大変なのね。どうりでルイジが嫌がったはずだよ。 まだまだ先の見えない闘いだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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