テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:妊娠子育て中の話
お久しぶりです。
前回日記を書き逃げして以来、ひさびさに開けてみたら、スパムコメントだらけでびっくりした。 そのさまは、まるで手入れをしない荒れた畑に雑草が生えてきたようなものだ、とブログ3日坊主の方々はみんな同じ事を思っているはず。 で、さっそく引っこ抜きましたがもう暖かくなってきたし、またどんどん生えてくるのだろうなあ。。 最近、畑が遠くてなかなか手入れが出来ません。 **** 先日ひさびさに「あなた、イタリア語が上手ねえ。」と言われた。 Ryuの小児科の先生からである。 しかし、正直この言葉で凹んだ。なぜなら海外生活が長ければ、ある程度しゃべれるようになって当然だからだ。 わたしはとりあえず謙遜をよそおって言った。「そんなことないですよ。上手と言えばSさん(15年間、我がINAKAMACHIの隣町に在住で、娘さんが同じ小児科にかかりつけでもある前回の日記で書いたご近所さん。)の方がよっぽどお上手だし。」 小児科の先生「あのひとはこちらに住んで長いから当たり前よ。」 この言葉を聞いてさらに凹むわたし。確かにSさんほど長くはないが、もう10年ほど住んでいるのにわたしの語学力はまるで、1ヶ月前に日本からやってきた留学生並みに見られているのだなあ。。。ま、勉強しないわたしが悪いのだけど。 勉強しない、といえば妊娠時期から家でひっきー生活を送るようになってどんどんイタリア語力が落ちていっている。 Ryuを日本語に慣れさせるため、ずっと日本語でしゃべりかけているせいもあるけれど、イタリアのTV番組のコメデイなどは吉本新喜劇で育ったわたしにとっては、思いっきりレベルが低くて笑えないし、勤めていたときには身近に感じておもしろかった世間を風刺する番組「レ イエネ」や「ラ ストリッシャ」もなんだかガラス越しの別の世界のことみたいだ。 なので、暇なときはどんどんネットで見れる日本語の番組ばかり見るようになって気がついたら、おっとにも日本語でしゃべりかけているときがある。 おっともおっとで「ウンウン、ワカッタ。」とこれも流暢な日本語で返事をするものだからつい流してしまって、後から「はて、本当にわかったのだろうか?」と思い返すことが多いのだ。 日本語といえば、日本語能力は現在、おっととRyuはいい勝負なんじゃないだろうか? Ryuは最近、彼の昼間の居場所はチャイルドシート兼ベビーカーの中なのだが、じっとしているのがイヤになるとすぐに暴れて抱っこを求めてくる。わたしは抱っこをしすぎてとうとう生まれて初めて腱鞘炎になってしまった。しかし授乳中は痛み止めのクリームさえ子供に影響がある、と禁止されハーブ水みたいなものを塗っているのだが全然効きはしない。右手首がしびれて、字を書いても左手で書いたみたいだし、歯磨きはまるで思い丸太でも持つように両手を使わないと磨けないし、たかが手首、されど手首。。なのである。 そういったわけで、抱っこの時間を出来るだけ少なく、Ryuをご機嫌に保つにはベビーカーを引いて、ひたすら歩き続けるしかないのだ。 話はそれるが、犬、というのは人間の3歳児並の知能を持っている、ということ。 つまり今の時点で我が実家の愛犬ソフィーさん(仮名)は我が息子より賢い、というわけである。 確かに、ソフィーさんは今ではすっかりよぼよぼのお婆ちゃん犬だが、わたしがまだ日本に住んでいて彼女がご幼少の頃、「お散歩に行こうか!」と小さな鈴のついた赤いリードを手にすると、言葉を理解したかのごとく飛び跳ねてキャンキャン笑いながら玄関に駆けていったものである。 しかしその点では我が息子も負けてはいないのだ。わたしが「お散歩に行こうか!」と着替え始めると「うはははは~。」とどこで覚えたのかおっさんのような笑い声を立て、手足をバタバタさせて喜び全開モードにする。 しかしそれで、重いベビーカーを2階から降ろし、やっと歩き始めて半分も来ると寝てしまうことが多いのだ。そういえばソフィーさんも最初ははりきって駆けて行くのだけど、持続力が極端になく、すぐに抱っこで家まで抱いて帰ってたな。。。 わたしも運動会では短距離ランナーだった。マラソンは仮病を使って休むぐらいキライだった。 やはり家族と言うものは似るのものなのである。 ***** 話は戻して、もう3ヵ月半も前のことだといったい何語で話し合ったかも覚えていないが、ショッキングなことが発覚した。 先日、実は4月末から1ヶ月ほど母子で日本に帰国するのでRyuのパスポートを作りにミラノの中心の日本領事館に行ってきた。 今春の帰国に関しては昨年、我が両親がイタリアに来たときから決まっていた。 だから帰国日から逆算して、Ryuが生まれてすぐに領事館にて日本戸籍の申請をし(これがスピード日本といえど時間がかかるのだ。)、やっと戸籍謄本が出来たので、それを持って領事館に出向いた、というわけである。 現住所の市役所の出生届も、滞在許可証の申請も、保険証も、予防接種も、生まれてから着々と済ませたし、パスポートがとりあえず、最後の面倒な仕事だな。。 窓口で申請用紙を渡され、丁寧に書き込んでいった。写真も1回目、おっとが抱いてカメラマンが撮ったものは気に入らなくて、わたしが写真館のオヤジに何度も撮りなおしをさせてやっとマシな一枚を選んだ。こうしてなんの落ち度もないはずだった。 左 写真屋がはじめに撮った写真。マフィアの三下。 右 お母様が愛情こめて撮ったけど「ま、写真屋を信用するか。」と持ち込まなかった写真(怒) 全部が書き終わり、再び窓口で用紙を提出する。窓口のおばさんは真剣に間違いがないかどうか確認して行った。 窓口のおばさん「あの、2重国籍保有者の欄にも書き込んでください。」 わたし「あ、2重国籍が保有出来るのですか?日本は1国籍のみと思っていました。」 窓口のおばさんは向こうでRyuをあやしているおっとを見て「イタリア人との結婚で生まれた子供の場合は22歳になるまでイタリアと日本の2重国籍が保有できますよ。イタリア国籍所得日は市役所に申請した時点で出生日と同じになります。」 わたし「おっとはエクアドル人なんです。」 窓口のおばさん「あら、エクアドルの場合はどうなのかしら?ではエクアドル大使館に出生届を出した日を書き込んでください。」 そうか、出生届 = 国籍申請 なのだな。 わたし「ねえ、おっと。あんたいつエクアドル大使館に出生届を出したか覚えてる?」 おっと「え?そんなもの出してないよ。」 OOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!??? わたし「出して当たり前だろう!!」 おっと「だってきみ、国籍は日本を絶対選ばせる、って言ってたじゃないか。」 わたし「それはそうだけど、出生届は親の義務でしょ?!」 わたしははるか3ヵ月半前の出来事に頭を逆行させる。「ちょ、ちょっと待って。あんた、確かRyuが生まれてすぐに知り合いの大使館のお姉さんに電話して聞いてみる、って言ってたよね?それからどうしたの?!」 おっと「大使館に出向かないと何もできないよ。そんな時間なかったし。」 (イタリア在住者を含めて説明するとエクアドル大使館というのは、日本領事館のようにいつ行ってもガラガラということは決してない。1ヶ月ほど前からアポを取り、アポ当日も大使館の外でまず列を作って待ち、大使館の中でも待合室でずいぶん待たされた後、やっと用事が出来るのである!!) 時間がないって。。。。 ヤギたちとへべれけになる時間はあっても、自分の息子のために大使館に出向く時間はないんかいっ!? わたしはクラクラしながら「。。。てっきりわたし、電話で出生を届けだしていたかと思い込んでいたよ。」 いいや、わたしが悪い。そんなヤギだと百も承知で、Ryuの世話にかまけてすっかり管理不足になっていたのだ。 窓口のおばさんは引きつり笑いをしながら「イタリアや日本では、生まれて3ヶ月以内に出生を届け出ないと国籍失効になるんですけどねえ。。エクアドルの場合はどうなのかしら?おほほほ。」とダブルパンチを食らわせる。 わたし「もしエクアドル国籍が持てない場合はどうなっちゃうんですか?」 窓口のおばさん「さあ。。たぶん、滞在許可証をお作りになるときに父方の国籍が欠けていると、問題が生じるかと思うんですけど?」 NO,NONO,NONO,NONO,NONO,NONO,NOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!! それは絶対ダメだ~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!!! 滞在許可証は生まれてすぐに申請したが、まだ呼び出しは来ていない。早めになんとかせねば!!! わたし「す、すみません。もう一度、用紙を返していただけますか?まだ出生届、出してませんけど取りあえず2重国籍エクアドル、って書いときます!」 窓口のおばさん「ダメですよ。それは旦那さんと話し合って、エクアドル大使館にきちんとインフォメーションしてください。それから追加事項が必要ならしますので。」 Noooooooooooooooo............. こうして日本のパスポートはたいした(?)問題もなく3日後に出来上がるそうである。 家に帰るクルマの中でおっとはのんびりした声で「明日にでも大使館に電話してアポを取るよ。」という。 わたし「でもでも、もう3ヶ月過ぎちゃったんだよ?出来なかったらどうするの、もしRyuが無事滞在許可証をもらえなかったら?」 おっと「大丈夫だよ。大使館は日本じゃないんだよ、エクアドルなんだよ。」 ハ。そうだった、そうだった。エクアドル大使館なら3ヶ月から半月過ぎたぐらいじゃ、全然余裕で大丈夫か? まったく。全てに抜かりがない、と思っていたのに大きな落とし穴があった。 おっとは、誰かに会うたびに「Ryuが生まれて人生が変わったよ。」としみじみ言うのだが、いったいどこが変わったのだろう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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