テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:ご近所物語
今年のバレンタインデーはひさびさに手作りチョコを作った。
というのも、14日にずっとシングルを貫きたくないのに貫き通している、ちょっとMrオクレ似の友人の50歳の誕生日のパーティに家族全員で招待されたからだ。 わたし「プレゼントはいらないって言われたけど、何か持っていきたいよね。」 おっと「バレンタインデーだからチョコでいいんじゃない?」 いいのかっ?! こんなジェラシーの固まりのラテン男からそんな言葉を聞くとは意外だった。わたしが年下キラー(自称)で年上には興味がまったくないのをよく知っている。 そこでスーパーでいろいろ物色してみたが、日にちが日にちなだけにチョコがめちゃくちゃ高いのだ。 愛に飢えたシングル男。。。そういうわけで板チョコと生クリームだけ買ってきて手作りチョコを作ることに相成ったわけである。 実はわたしはチョコというものが、母にさんざん「虫歯になる極悪菓子」と脅されて来たためか?小さい頃からあまり好きではなく、社会人になってからやっとお付き合い程度に食べるようになった。 なので板チョコを溶かしてボウルでネリネリしているときには、その甘ったるい匂いにムカムカしてきて何度も吐きそうになるのをこらえた。 そうして出来上がったチョコはまさに「命がけで作った愛のチョコ」なのである! これで彼は喜んでくれるだろうか? しかし、作りすぎた。 半分を彼のために真っ赤な麻の袋にバラの花を添えてラッピングし、 1/4をおっとのために小皿に取り分け、 残りの1/4を毎日通っているスーパー、「イル ジガンテ」のバールのお兄ちゃん、エルメスにプレゼントすることにした。 なぜならこの間も書いたが、彼は誰もいないときはいつもカプチーノをただにしてくれるからである。 ずっと何かの機会にお礼をしなければ、と思っていたのでいいチャンスだ。 14日土曜日は、おっとは午前中、散髪に行ってしまったので、エルメスのチョコを小袋に入れ、いつもと同じようにRyuをカートに乗せてイル ジガンテのバールに向かう。 バールは週末なだけにいつもより混んでいて、カウンターではエルメスと、同僚のロージィが忙しく働いていた。 遠くからカウンターの2人の姿を見るや、Ryuは「Vaaaaai!!(行け!!)」といつものように声を張り上げ、ロージィがそれに気がついて「ちゃお~!」とコーヒーを飲むお客越しに手を振る。 もう何も注文しなくてもエルメスがカプチーノを用意して「はい、シニョーラ。」とカウンターに置いてくれたので、わたしは大勢のお客の間をすり抜けて、カップを取った。 それからはRyuを囲んでカウンターの2人とお年寄りのおしゃべりがはじまった。 わたしは常に愛想笑いを保ち「いつチョコを渡そうかな?あんまりたくさんのお客さんがいるときは仕事の邪魔だし、恥ずかしいし。。」と思いながら、カプチーノを飲んでいるうちにお客がずいぶん減ってきて、一組のお年寄り夫婦とわたしたちだけになった。 渡すなら今だ! わたし「エルメス、バレンタインデー、おめでとう!」 エルメス「え。。これチョコ?」 わたし「うん、わたしが作ったの。バールの皆さんで食べて。」 エルメス「わ~、ありがとう!ちょっと待って、カウンターから出る!!」 。。。え? そこからまるで映画のシーンが変わるかのように雰囲気がガラッと変わった。 カウンター越しに1mとないロージィがみるみる100mぐらい離れたように感じた。 反対にエルメスが駆け寄ってくる姿は「ちゃらら~♪」とロマンチックなバックミュージックつきでスローモーションをみるようで、ハッと我に返ったら熱い抱擁をされていた。 エルメス「あ、ごめんなさい。今日はDVD、コピーしたのに、また家に忘れてきちゃったよ。」とささやくようにいう。 うぎぎ、そんなつもりじゃなかったのに! わたし(努めて普通のトーンで)「ああ、いいよ、全然急いでいないし。(←頼んでもいないのにRyuにアニメ映画をコピーしてくれると言ってくれたのだ。)」 バールが混んできた。 ロージィ「エルメス、休憩は終わりだよ!」 エルメス「わかった! じゃあね、カリッシマ。。」 よ、よかった。。この甘ったるい雰囲気から抜け出せた。 ちょっと待って。「カリッシマ(Dearの最上級)」?←「シニョーラ(奥さん)」から呼び名が変わってる! どうしよう。。カプチーノ代、今日も払えなかった。 お礼をしてこれからも気持ちよくバールに通うつもりだったのに、さらに行きにくくなってしまった。 このスーパー、うちから一番近いから行かないわけにいかないし、バールは入り口のそばで、Ryuは入場するたびにいつも「うきゃーっ!!(我を迎えたまえ!!)」と奇声をあげるから絶対気が付かれるんだよな。 仕方がない、ちょっとほとぼりが冷めるまで行かないでおこう。 と、今週1週間、他のスーパーを放浪していたのだが、だんだんわたしの体内のコーヒー成分が切れてきた。 カプチーノが飲みたいっ!! 悔しいが、わたし的にこの田舎町で一番おいしいのはスーパー「イル ジガンテ」のカプチーノなのだ。 ミルクとコーヒーの比率、ミルクの泡立ちぐあい、最後の一振りのカカオの分量、どれもこれもがわたし好みなのである。 しぶしぶ「イル ジガンテ」のバールに向かう。見えたのはロージィだけで、他にお客はなく、Ryuはまたまた喜びの奇声をあげ、わたしもホッとしてカウンターに向かった。 ところが。 ロージィはわたしを見るなり「あ、エルメスを呼んでくるわ。」とたちまち奥に引っ込み、替わってエルメスが出てきた。 ちょっちょっと。。 エルメス「はいDVD。ごめん、待たせちゃったね。」←待たせたのはわたしのほうである わたし「あ、どうもありがとう。DVD代払うね、おいくら?」 エルメス「いいんだよ、カリッシマ。それとこれから、カウンターがぼくだけのときには、カプチーノ代払わなくていいからね、財布はちゃんとかばんにしまっておいて。」と甘くウインクした。 わたし「。。。ありがとう。」 う~~~~ん、これからどうしたらいいんだろう? この男、エルメス推定年齢35~36歳。既婚子供2人。ちょっと「シンプソン」の漫画屋の主人似。 年下ってとこしか好みじゃないんだけど。。。違) それに日記もどうしたらいいんだろう? 毎回書くたびに簡潔にまとめられなくて長くなって、これ書き上げるのに2日もかかってしまった。 もっと短くしてなるべく毎日更新したいのだけど。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.21 07:25:28
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