テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:家探し、購入から入居まで
「家族が4人になったよ!」
とある朝、おっとが仕事先からはずむような声で電話をしてきた。 わたし「え?」 嫌な予感がした。 おっとはRyuが生まれてすぐから「Ryuに妹がいないと可哀相だよ!」と主張していて、わたしはあんなに苦しんだ10ヶ月10日が終わったばかりでとてもそんな気になれなかったし、年齢的なことを考えても、そんなリスキーなことをもうしたくない。 そういえば、妊娠がなかなか出来なかったころ、かなり真剣に2つのことを考えていた。 そのひとつは孤児を養子にとること。 まさかおっと、勝手に申請していて養子縁組が整ったとか?! いやいや。。。 その考えはすぐに打ち消した。 養子をとるには夫婦両方の試験が必要なのだ。おっとの独断では無理。 あ、じゃあ2つ目に違いない!! わたし「絶対ダメだよ!」 おっと「え?」 わたし「言ったでしょ、Ryuの世話だけで手一杯で他になんにも出来ないのに、子犬なんていらないよ!」 ずいぶん前の日記にも書いたのだが、おっとは子犬をすごく欲しがっていた。 きっと、誰かにもらう算段を勝手につけたんだろう。それとも、仕事の途中で拾ったか? 前回は結局、おっとの心の準備がまったく出来ていないことが発覚、お流れになったのだ。 しかし先日、またその話を蒸し返してきたので、「世話するつもりもないくせに欲望のみで動くな!」と言ったところ、おっと「きみは1日中、家にいるんだから世話が出来るだろう!」 な、なにを~っ!! 好き好んで家にいるわけじゃない。Ryuがいるからしかたがないんだ! それにおっとは、最近ちくちくとわたしに「そろそろ仕事はじめてもらわないと、ぼくひとりで家族3人支えられないよ。」とこぼす。 なのに10年以上も生きるであろう犬を、共働きの子持ち、近所に親や親戚がいるわけでもなく、誰がどうやって世話をするんだ? 矛盾したことばかり言ってるんじゃない! おっと「違うよ、今朝家の中で見つけたんだ。」 わたし「え?」 おっと「キッチンで、ね。ず。み。」にやりとするのがわかった。 わたし「えええええええ~!!」 おっと「ここ2~3日、きみとRyuが寝室に入ったあと(最近、おっとはわたしたちより遅く寝て、まだわたしたちが寝ているうちに出て行くのだ。)、キッチンでなんだかガサゴソ音がしてたんだよ。で、今朝起きたときに、そっと流しの下の扉をを開けてみたら、生ごみのバケツの中にいたんだ。でもぼくを見てすぐ逃げちゃったけどね。」 電話を切った後、わたしはRyuをソファの上に降ろし、家ではDVDを見るときにしかかけないめがねをかけて流しの下を開けた。 そういえば、昔飼っていたハムスターのもののような小さな黒い米粒のようなフンがあちこちに落ちている~!!! 毎日開けているのに、ど乱視、ちょっと近視のわたし、まったく気がつかなかった。 このぼろ納屋に引っ越してきてすでに4年が経とうとしているが、これまで生ごみの中にねずみはおろか、ごきぶりもみたことはなかった。 家の中でのうのうとしているのは、放置していればあちこちに巣を張るクモぐらいだ。 そういえば3年ほど前、一度だけねずみが入ってきた。 そのときは屋根に上り下りしてバタバタしていたときだったので、いかにも屋根裏にひっそり住んでいたねずみがびっくりして家の中に入ってきた感じだったし、あっというまに逃げていった。 しかし、今回は違う。生ごみの中、ということが明らかに確信犯である! どうしよう。。。 流しの下を掃除しながら考えた。 3年前に見たあのねずみは茶色くて小さくて、ピーターラビットの絵本の中から抜け出してきたような可愛いねずみだった。 あれを殺すなんてわたしには出来ない。 しかしゲージの中で飼っているハムスターとは違って、この場合、放し飼いのようなものだから、決まったえさを食べるわけではない。 そういえば今まであまりにも無防備に夜ご飯をフライパンにきっちりふたをしないまま次の日まで置いていたり、Ryuが残したおやつをテーブルの上に放置して出かけたりしていた。 やっぱりわたしたちの食べ物を、特にRyuの食べ物をおすそ分けするわけにはいかない。 可哀相だけど、退治しなきゃ! 次の日。 さっそくホームセンターで、とても極悪そうなねずみの絵のついたパッケージの殺鼠剤を買ってきた。 箱を開けると、3年前カルラのお父さんにもらったものと同じ、水色の小さな毒薬がいっぱい入っていた。 Ryuが絶対に届かないよう、いくつかをキッチンの下のパーツを開けて放り込み、しっかりそこが開かないように閉め、ひとつをすでに空になっている生ごみバケツの底にRyuが朝、食べ残したバナナと一緒に置いた。 うげー、猛毒な臭いがする。。。 こんなに毒々しい水色で、こんなに化学的な臭いがするのに、ねずみがひっかかるの? 疑問を抱きながら、流しの下を閉め、昼食をとるためにRyuを椅子に座らせて、わたしもテーブルについてフォークを取った。 。。かさかさ。 ビニール袋がすれあうような音が流しの下からはっきり聞こえた。 まさか。。。? もう。。。。引っかかっちゃったの!? どきどきしながら流しの下を開けると、3年前のねずみよりひとまわり大きいねずみが生ごみバケツの底から這い上がろうとぴょんぴょんジャンプをしているではないかっ! うわっ、本当に引っかかっちゃったーっ!!すごっ!!! み。。見なかったことにしよう。。。。 と急いで扉を閉め、慌てて思い直して扉を開けると、まだばんざいしながらぴょんぴょんしていて、その姿はいかにも助けを求めているようなのだ。 わたしは決意を固め、ビニール袋の口をぎゅっと結び、駆け足で玄関を開けて、ねずみをベランダに放り出した。 逃げる。。?それとも毒を食べちゃったから、このままビニール袋の中で死ぬ? この先を知りたくなかった。思考をシャットダウンして黙々とRyuと昼食を済ませ、Ryuが昼寝に入ってからそっとベランダに出てビニール袋をほうきの柄でつついた。 音はもうしなかった。おそるおそるビニール袋をつまみあげると、袋が小さくかじりとられていて、そこからねずみは逃げたようだった。 はあ、よかった。。。生きていたんだ。 もう、家の中にねずみはいないよね? 念のために生ごみは外に出し、テーブルやキッチンの上の食べ物は、ポテトチップスすらも全て冷蔵庫に放り込んだ。 次の日の朝。週末。 一番早く起きたわたしは、普段はかけないめがねをかけて、Ryuがハイハイを始めてから毎朝恒例となった床掃除にかかった。 同じねずみが帰ってきたのか?DVD「レミーの素敵なレストラン」のように家族が一緒に住んでいたのか? 夜中のうちに食べ物を探した痕跡、それもとてもわかりやすい痕跡。。。 昨日まではなかったところにフンが落ちている!!もちろん空になった生ごみバケツの周りにも新たに、である!!! ショックだった。 せっかく「レミーの素敵なレストラン」のおかげで「ねずみだって素敵だ!」と思っていたのに、彼らはわたしの敵に廻ってしまった。 哺乳類にこんなことはしたくなかったけど、月曜になったらネズミ捕りの罠を買いに行くしかないのかな。。。 しかしこの心配も無用だった。 新たにフンを発見したのはこの日だけだった。 あちこちに置いた毒薬が効いたらしい。こんなに毒々しいのに、生ごみバケツのそばの一個は何箇所もかじられた跡があった。 ここ数日、ほっとしていると同時に、動物を殺してしまったという、悪い後味に悩んでいる。 おととい、去年のSさん宅のクリスマス会で知り合った、隣町に住むY子ちゃんに電話で「ねずみが出たんだよ!」と語ったところ、 Y子ちゃん「家にねずみが出るって、アパートの公共スペースの管理がなっていないんじゃないの?」←とても真面目そうな性格 そういえばY子ちゃん、まだ我が家に来たことないんだよね、 こんなぼろ納屋、管理人なんていませ~ん。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。はぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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