テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
昨日、日記を書き終わって改めて読み直してみると、めちゃくちゃそうで、実はおっとのおそろしい計画は、数年かけて着々と進められていることに気がついた。
何かというとおっとはすぐに弱音を吐く。 最初から悪い結果が目に見えて、忠告しているのに聞く耳持たず、やっぱりその通りになると、まるで世界の終わりのように嘆き悲しんで「こんなイタリアはもううんざりだ!エクアドルに逃げよう!!」と始まる。 わたし「エクアドルに行って何するの?」 おっと「何か店をするよ。」 わたし「そんな、何のビジョンもない生活が待っているエクアドルになんかついていかないよ。」 おっと「じゃあ、日本に逃げよう。実家に住んで、日丸ちゃん(仮名。我々の唯一の日本在住エク人友人)と同じ職場で働けばいい。」 わたし「お嬢母がそんなこと、許すと思ってる?第一、実家から日丸ちゃんの職場まで通勤は遠すぎるよ。(奈良-神戸)」 毎回そんな会話を繰り返すうちにやっとヒートダウンするおっとであった。 わたしがこんなちゃらんぽらんな男と今でも結婚生活が成立しているにはひとつ、大きな理由がある。 幼少の頃からお嬢母に束縛されまくっていたわたしは、両親や両親世代のひとと長い時間一緒にいるのが苦手だ。 そんなわけで大学卒業後、すぐに奈良から東京に逃げたが、お嬢母にはそんな距離はたいしたことがないようで、勝手に合鍵を作られて、何度も無断で来て、一度は夜遅くに急に家に侵入されたときには本当にびっくりした。(その日は彼氏がいなくて本当によかった。。) お嬢母に結婚がつぶされ、傷心旅行で独り、台湾のいとこを訪ねたときも追いかけてきたときには「本当にこのおんな~!」と思った。 イタリアまで逃げて、やっとこちらまで訪ねてくる回数が減ってほっとしている。 Ryuも産まれてだいぶ母娘の関係にも角が取れてきた。 その逆におっとはすごいマザコンである。 このようにどちらの親子関係も極端なので、どちらの親とも同居しなくてよく、めったに来れない日本とエクアドルの中間地点のイタリアはわたしにとって、とてもいい距離なので、親族関係のわずらわしさに悩まされることがなく、なんとか続いている、というわけだ。 そんなわたしをおっとは、よほどイタリアが好きで離れたくないと思っているらしい。 1年前のある日。 おっと「来年、ぼくのママは定年退職なんだよ。ぼくは仕事があるから、簡単に休めないし、家族ぐるみであっちに行くとなるとすごいお金がかかるから、お祝いに飛行機のチケットをプレゼントしてイタリアに来てもらうのはどうだろう?」 わたしはゲッと思ったが、年に2回も来るわたしの両親と違って、おっとのお母さんは8年前の新婚旅行以来、会った事がない。たまにはいいよね。 「いい考えだね。そのときにはちょっとは休んでいろいろ観光しようよ。」と賛同した。 翌日。 おっと「郵便局で扶養家族の滞在許可証の申請書、もらってきて。」 わたし「誰の?」 おっと「ママのに決まってるじゃないか。」 わたし「なんで旅行に滞在許可証なんかがいるんだよ?ビザだけでいいでしょ?」 おっと「現在エクアドルはビザを取るのがすごく難しくなっていて、時間もすごくかかるんだ。きっとこっちで扶養家族の滞在許可証を取ったほうが早いよ。」 確かに。。。以前エクアドルに行ったとき、どこかの役所を1周以上の長い長い列があって、何かと尋ねたら「外国に行くビザを取るための列だ。」と教えてもらった。 お義母さんにそんな大変な思いをさせるなら、ほとんどの行程が郵便とネットだけで済む、滞在許可証のほうがいいのか? なんだか納得がいかないまま申請書をもらってきた。 翌々日。 おっとはスカイプで嬉々とした声でお義母さんと話している。 「ママ、いつイタリアに来れるの?ママのために扶養家族の滞在許可証の申請書をもらってきたよ!滞在許可証がもらえたら、いつでもいつまでもうちに居てくれていいからね!!」 やっぱりそう来たか~~っ!!!! しかしお義母さんは冷静だった。「ありがたいけど、わたし、飛行機に乗ったことがないし、いきなりそんな長旅はこわいわ。ちょっとよく考えさせて。」 おっとはその後もしつこく食い下がったが、だんだんヒートダウンして、申請書の上にもいつのまにかほこりが積もった。 今年1月上旬。 エピファニアの日にイタリア人と結婚したおっとの友達マリソルの家に招待された。 マリソル「お正月までうちの母がエクアドルから来てたのよ。」 そこでまたヒートアップするおっと。「やっぱり?君のお母さんも扶養家族の滞在許可証で?そうだよねえ、それが一番だよねえ。」 マリソル「うちの母はイタリアが気に入って、今こっちに移住する準備をしているの。滞在許可証はあるからいつでも来れるし。」 うんうん、と興味深げにうなずくおっと。 ここで、わたしはもしや、と思った。 おっとはエクアドルに永久帰国したいのだけど、わたしがイタリアが大好きで、離れたくないから、そんなわたしのために自分の家族をこっちに呼び寄せようとしている? これって、わたしへの愛?(とても勘違いの) OOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!! この愛、弟のフルッシ申し込みで確信したのであった。 ありがとう、おっと。。。。。 はあ。。。。。。。。。。 PS.扶養家族の滞在許可証は一親等(伴侶または親か子供)にしか申請できません。(だから弟は別の方法) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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