カテゴリ:エクアドル人のおっとを持つと
この間の週末はおっとの友人のエクアドル人の子供エリックの誕生日にバレーゼ湖のほとりの自然公園でのBBQに招待された。
その日は家を出たとたん、小雨や大雨が交互に降りだして寒く、わたしは家に帰りたいと思ったが、とりあえず行ってみようということになった。 しかも9時集合で、わざと1時間遅れて行ったというのに、一番乗りだった。汗 だが友人に電話をすると決行するというので、雨の中を待つこと30分、やっと誕生日の子供、お母さんとおばあちゃんが来た。 彼らの車からBBQの材料を何度もびちょびちょの芝生の中を往復して運ぶ。我がデリケートな息子は「ぬれる~、とける~(?)」と立ちすくんで大泣きである。 やっと全部の荷物を運び終え、日よけのパラソルを傘替わりにさして、網に火をつける。やっと火がつき、肉を網の上に乗せ終わったところにパトカーが来て留まった。 警官「君たち、公園内はBBQ禁止だよ。あちこちに立て札があるだろう。そこの君、外国人滞在許可証を見せたまえ。」と、唯一の大人の男であるおっとに詰め寄る。 おっとたちの間に緊張が走る。ちょっと離れたところで子供たちに構っていたわたしはなぜか「やっぱり。。。」と思う。 おっと「車の中だ、持ってません。」 おばあちゃん「すみません、すみません。これ初犯なんです。見逃してください!」とすっかり取り乱してスペ語で警官にすがりつく。 警官「君たちは正当滞在者かね?」 お母さんはすっかり観念して許可証を取り出した。「はい。長期滞在許可証を持ってますよ。立て札、気がつかなかったんです。ここがダメならどこですればいいんですか?」 警官「駐車場ならいいだろう。さあ、パトカーまで来て。」 「あ~あ。」わたしはげんなりして子供たちの手を引いて駐車場に向かった。(←ちなみに怪しいアジア人は何も聞かれず、歩き始めても制止もされず。) 雨のだだっぴろい、わたしたち2台の車しか停まっていないガラガラの青空駐車場。遥か果ての金網の向こうにロバと羊が見えたので、水たまりの中、子供たちにふれあいを一通りさせたところで後ろを振り返ると、隅でぽつんとBBQの煙が上がっていた。 なんかすご~~~く、哀しい。 わたしはそこへ戻り「どうだった?」と尋ねた。 お母さん「妊婦だから今回だけは見逃してくれたわ。」と臨月のお腹をさすって、ケロッと答えながら、どんどん大量の肉を焼いていく。 おっと「あそこでぼくの滞在許可証を見せてたら、絶対罰金ものだったよな。」 。。。こ、こいつら、慣れている!一瞬、メキシコとアメリカの国境の熱い日差しの下にいるような錯覚を覚えた。 気を取り直してわたし「ところで他の招待客はいつ来るんだろうねえ。もう11時なのに誰も来ないよ。これだけ肉焼いちゃってどうするの?」 お母さん「さあ?とりあえず9時集合とは言ったけどね。」 雨だから誰も来ないんじゃ。。。?という言葉を飲み込む。 わたしの心配をよそに12時過ぎごろ、ぞくぞくと大勢のエリックの親戚、いとこたちがやってきた。 BBQのまわりを車で囲み、車と車の間に「HAPPY BIRTHDAY」とカラフルに書かれた旗飾りや風船をひもで渡す。サルサを大ボリュームで流す。 なんだか、絵本に出てくるサーカスの巡行団か、ジプシーの集団のようだ。 一台のワゴン車内には自転車が山積みで、次々と出して、子供たちが歓声をあげながらまたがった。雨でもおかまいなしだ。 Ryuもご自慢の赤い三輪車を持ってきたが、他の自転車にすっかり目を奪われて、それどころではない。ひとつ年上の子供の自転車にまたがらせてもらうと、三輪車はたちまち他の年下の子が乗っていってしまった。 Ryuはよろよろと最初の2~3回は留まったり、転んだりしながらもすごくうれしそうである。5~6回目ごろにはすっかりスイスイこげるようになって、母びっくり、というか感動してしまった。成長したなあ。。。三輪車ではちょっとした上がり傾斜も「できない~。」とべそをかいていたのに。 そうこうしているうちに全ての肉が焼け、皆に配られた。めいめい車の後ろやワゴン車の中に座ったりして食べ始めた。このころやっと雨が止み、駐車場にもぽつぽつ車が訪れ、皆が皆、興味深げに眺めながら通り過ぎる。 わたしだけだろうか?非常に恥ずかしかった。。ので、どこも見ないで一心不乱に食べた。 むせながら急いで食べ終わり、ママチャリを借りて、Ryuを前に乗せて公園内をサイクリングすることにした。 その場にいてもスペ語ばかりだし、特に「南米人?中国人?」と異分子であるわたしに対する通行人の目も痛い。 一周して戻ると、ケーキカットの時間である。エリックを囲んで子供たちの集合写真を撮り(写真嫌いのRyuのみ欠席)終わると、お母さんが不思議なものを出してきた。 イタリアで大人気の子供番組「BEN10」のイラストを張った、けばけばしい箱。 それを上から吊るすと、子供たちが順番にスイカ割りのように棒で順番に叩き始め、最後に一番大きい子が力任せに叩くと、箱が割れて中から駄菓子やおもちゃがバラバラ落ちてきた。子供たちはいっせいに駆け寄って腕いっぱいにGETした。 初体験のRyuはなにがなんだかわからないうちに全部他の子に拾われてしまったので、大泣き、ちょっとづつ、分けてもらった。 これはエクアドルの子供の誕生日の習慣らしい。そういえば、アメリカのアニメなんかでもこんなシーンがあったような気がする。 やっとこの日初めての太陽、夕日が出てきたころ、わたしはビール片手にご機嫌になっていた。実はこの前夜は日本人仲間との飲み会があったのだが、同伴のおっとが絶対酔っ払うことがわかっていて、アルコールを手にせず、わたしが運転して帰った。 今日はわたしが飲む番だ。免許証も家に置いてきた。 なのに。。。。 わたし以上に酔っ払ったおっとが帰り道、運転しながら居眠りを始めたので、慌てて運転を替わることになった。初の飲◎ならびに◎免許運転だった。(ごめんなさい、もう絶対しませ~~ん!) 超こわかった。どこかで警察にコントロールされるかもしれない恐怖でアルコールも吹き飛んだ。 自分で運転できるようになって便利になったけど、一緒にでかけるときはいつもわたしが貧乏くじだ。ずるい! それはともかく雨が降っていないバレーゼ湖公園は小さい子連れの散歩にちょうどいい。湖には白鳥や鴨、さまざまな水鳥がいて、餌がやれる。いたるところに滑り台やぶらんこ、アスレチックがあり、小さな汽車ポッポも走っている。我が家から(ミラノ市内からでも)クルマで約1時間の距離なので、晴れたらまた来たいと思ったのだった。今度はもちろん B B Q なしで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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