人それぞれに響く「君たちはどう生きるか」
宣伝しないという宣伝で観客数を伸ばしているという、ジブリ映画「君たちはどう生きるか」。休日の朝から、見に行きました。席の埋まり具合は2割ほど。凄絶な始まりに、どうなるのだろうとどきどきしました。これから見に行く方もおられると思い、ネタばれしないよう注意深く、感想を書きたいと思います。 ***一言で言うなら、主人公が死んだはずの母親を探しにゆく物語です。道中、いくつかの出会い、導き、危険や助けがあります。何歳ぐらいのどんなバックグラウンドの人が見るのか。この作品は、それによって、感じかたはまるで変わりそう。見るたびに違うことを思いそう、と感じました。登場人物が、何人も出てきました。その人物は、なぜそこにいるのか。どういう人生を歩んできたのか。答えなんてなくて、想像する部分が大半です。ただ、描かれていない長い時間が折りたたまれています。この森は、塔は、扉は、湖は、島は、人形は、空は、鳥たちはいったい・・・?意味ありげなセリフが散りばめられ、理解も追いつかず、???でした。次々と脈絡なく場面が移り変わる夢の中のよう。壮大な世界を旅した、という何かが残りました。物語の主題はおそらく、見る人が見るたびに決めればいいのでしょう。そして、トトロ、魔女の宅急便、ハウル、もののけ姫、ナウシカ、千と千尋・・過去作品たちを彷彿とさせる場面がいろいろ。あの映画のあの場面、あの人みたい、と何度も感じました。過去作品の金曜ロードショーこそ、何よりの宣伝です。金ローでコクリコ坂を、初めて見ました。お料理いいな、並んだ目玉焼きがおいしそう。青春ってただただ明るいな、スマホなんてまだなかったよな、何物でもない彼らのパワーってまぶしいな、地位ある大人を軽々と動かしてしまう。この大人は何を思ったかな。と、君たちはどう生きるか、と同じような感想を抱きました。物語としては、君たちのほうがずっと難解でした。おわり。#君たちはどう生きるか後日追加のおまけ。鴨川のサギ。スマホ撮影の、これが限界でした。