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HONEY PIE'S SILVER SHELTER

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Nov 21, 2005
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カテゴリ:斜め読みの時間
【 コインロッカー・ベイビーズ / 村上龍 】'80

文庫になった時に買ったので、私が読んだのはもっと後。

主人公の一人「ハシ」の成り行きが、なんだかピンクじゃーん、と思ってしまった自分、するっとまるっと浅はかだった。
今日、初めて自分の勘違いに気付く。

アラン・パーカーの「The Wall」みたいだなと思ったのだ、最初読んだ時。
ボブ・ゲルドフ演じる主人公ピンクが、拘束服を着ているシーンがあって、
世の中に拘束服などというものが存在することを知った私は、
激甚なる恐怖を覚えた。
ハシがお終いのほうで精神病院に・・・未読の若者の目に触れるとネタばれなので省くが、
この時私は拘束服を着て振り向くボブ・ゲルドフの顔が思い出され。

だから読んだのは、映画が公開された '82 年以降であることは確かだな。
学生だったはず。
これが書かれた時はまだ、映画はこの世に存在していなかったので・・・
申し訳ございませんでした、村上さん江。こっちが先だし(笑)

ハシの成り行きだけ見れば、
セックス・ドラッグ・ロックンロール系でそこそこありがち。
ポップスターの悲劇は、ビートルズのハードデイズ・ナイトと、
ジギー・スターダストで頂点を極める(私見)

が。以前は気付かなくて今回再読して初めて、うならされたことがある。
ハシのツアー・バンドの楽器構成。
エレg、エレb、ドラムス、サックス、それはいいとして、
後一名が、年輩の弾くバンドネオン。
この編成でハシは「誰よりも君を愛す」を唄う。

少なくともゲルニカ初期位のイカガワシサは、余裕だろう。
後半、渋さシラズと化せば、かなりよろしかろう。
行くぞ、そんなライブなら(笑)

コインロッカー内に遺棄された後、圧倒的な泣き声を発して助け出された、
もう一人の主人公「キク」が、
歌舞伎町の黒服にだまされて、ホモのマスターのいるバーに送り込まれた時の合言葉が、
「リー・コニッツを聞きたいんですが。レコードを。」

これも初めて認識した。
実際にリー・コニッツの演奏を聴いた後に、この本を再読したことがない証拠である。
リー・コニッツなら、トリスターノくらいまで言及してもらえると有難みが増すのだが。
そういや2度ほど、サックスが「上昇のトリル」を吹くとかいう表現を使っていたが、トリルっつうのは上昇しませんし・・・

ロック好きだったあっしは、ハシを中心に読んだらしく、
キクのことはすっかり記憶から落ちていたのだが。
こちらの方が、エピソード的にもキャラクター的にも、鮮烈。
村上さんは北方某氏の30倍、ハードボイルド。

でもあっしは、ハードボイルドを好まない(笑)





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Last updated  Nov 22, 2005 02:12:12 AM
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