ドレミの歌
ドレミの歌(原題:Do-Re-Mi)はミュージカル「サウンドオブミュージック」の劇中歌で、Rodgers & Hammerstein のソングライティングティームの手による。リチャード・ロジャースが作曲、オスカー・ハマースタイン2世が作詞。この作品からは他にも Edelweiss やら、後にコルトレーンがソプラノサックスで演奏した My Favorite Things やらが広く知られている。わたしは修道院長の歌う Climb ev'ry mountain がフェイヴァリット。 「王様と私」の Shall we dance? もこのコンビの曲。 ジャズのスタンダードになっていて現在も演奏されている曲もたくさんある。It Might as Well be Springとか。My Funny Varentineとか・・・あ、違った、これは作詞がHartだ。ロジャースは作詞家ハートが亡くなった後にハマースタインと組んで、数々のヒットミュージカルを手掛け「南太平洋」でオスカーをとる。ハマースタインはサウンドオブミュージックのブロードウェイ初演中に亡くなって、トラップ大佐を歌わせるために書いた Edelweiss が遺作になるんですと。エーデルワイスって、オーストリアの国家とか民謡に英語詞つけたものだと、子供の頃は思っていたが、アメリカ製のオリジナルなんだわなぁ。詞も曲もシンプルで美しい。どれもポップスとして最高級のポピュラリティーを持つ曲が並ぶが、特に日本ではペギー葉山さんがご自身で日本語詞をつけて歌ったおかげで、誰でも知っていて口ずさめるという点で「ドレミの歌」は突出しているんじゃないか。一般的に童謡として受け入れられているのと、実際に子供がドレミを覚えるのに役立つことも、浸透している一因だろうか。主人公のマリアがトラップの子供たちにドレミを教えるために歌うこの曲は、それぞれ歌詞のフレーズがそこで使われている音の音名から始まっていて、歌っているうちにドレミファが覚えられるという機能を持っている。ド(いわゆるCの音)で始まるフレーズでは「ド」の如くに発音される英単語を紹介する体になっていて。・・・ハマースタインの著作権は消滅しているようなので以下、(Do) Doe, a deer, a female deer(Re) Ray, a drop of golden sun(Mi) Me, a name I call myself(Fa) Far, a long long way to run(Sol)Sew, a needle pulling thread(La) La, a note to follow sew(Ti) Tea, I drink with jam and breadThat will bring us back to Doという英語の歌詞で、英語を使う人々に向けて書かれており、La 以外はドレミにそれぞれ似た音を持つ英単語をあてて、覚えやすくしている。La は、ハマさんいいのが思いつかなかったんで後から考えようとしていたが、そのままになっちゃったんじゃないかと推理する人もいる。一応最終行の末尾 Do と sew でライミングになるのかな?どうなんかな?一方でペギーさんの日本語詞は、冒頭のバース部分だけがぎりぎり訳詞で、本編ドーナツのあたりから先は創作。日本語もしくは外来語だが日本語として定着しきっている言葉があてられている。ドはドーナツのドーレはレモンのレー~さあ、歌いましょう英語詞でも日本語詞でも、歌っていると、イタリア式の‘ドレミファソラシド’という長音階の音名が一緒に覚えられる。ここでふと立ち止まり、適当なこと書いている自分に気づくwテキトーというか、ドレミは「イタリア式の音名」だと思いこんでいて、いままでそれ以上考えたこともなかったのだが、この場合、音名でいいのか?階名と書くべきじゃないのか?と迷った。つまり移動ド唱法か固定ド唱法かということなんだが。この際はっきりさせようとこの重箱の隅をつついていたら、自分が思い違いをしていたことに気付いた。結論から申しますと。ドレミはイタリア語ではない。ラテン語。そしてドレミには元歌がある。ドレミの歌ではなく。ドレミが歌なの。いかん、こんな時間だ。以下次号。あるかどうかw