「崖の上のポニョ」 ポーーニョポーニョポニョ魚の子~♪
昨日「崖の上のポニョ」の試写会に行ってきました。もともとジブリ作品は大好きなので、ちょっとでも早く見たいととっても楽しみにしていました。コマーシャルで見たあの不細工な魚と流れるあの曲と歌声は、とってもインパクトが有って、興味津津。宮崎監督が、今回の作品はハウルのようなものではなく、もう少し子ども達に単純に響くものにしたかった作品とのこと。その意図は的を射ていたのかもしれません。隣で見ていたうちの子は、ずーっとゲラゲラ、クスクス笑いっぱなし。とっても面白かったようです。絵も、CGを一切使わずこだわりの作品に仕上げたのだそうな。そのようで、とっても単純なラインのタッチで描かれていたり、色鉛筆で描かれたような優しく穏やかな色彩の風景が有ったり、CGで華々しく描かれた度胆を抜くような美しく高精度なアニメが多くなった現在、とっても素朴に感じられて凄く良かったです。それに、素朴な感じなんだけど、色鮮やかに描かれた夢の世界はそれは見事で、切り取って絵葉書にしてしまいたいほどでした。特に海底のシーンや海底に沈んだ街並みの上を泳ぐ魚達。もう全体がファンタジー!!!さすがは宮崎さんのこだわりですね。ただ、オバサンとしては、そのファンタジーにどっぷり浸かってしまいたいのに、現実に引き戻されるシーンや、理屈でいくと「え?」と思うような展開が有ったりして、どーも素直な子ども達と同じように無心で楽しむことは出来なくて・・・。童心に戻れない寂しさ・・・。例えば、「えっーーー!海水魚を水道水に入れちゃダメじゃない?」とか、「ポニョが包まれているこの泡は、空気の泡?淡水の泡?海水?それとも特殊なシールド?」とか、「海水面がこんなに上昇しても、非難してる人はなんで動揺してないの~?」とか、「船の墓場ではエンジンなんかが機能停止しちゃったのに、なんでそこに集まってる船はどれもとってもキレイな色の光を放ってるの?」とか、その都度その都度立ち止まっちゃうの。神秘なのか魔術なのか科学なのか?入り混じって訳分かんなくなっちゃった。それに、結局どーなって何が言いたかったの?的な不可解さは残ったまま。これは最近の宮崎作品共通、まさしく宮崎ワールドだわ。会場を後にしながら話し声に耳を傾けると、子ども達は一様に満足げな笑みを満面に輝かせているのに対して、「あれはどーしたの?」「あれはどーういうこと?」「あそこはこういうことじゃない?」的な疑問を論じ合う大人達の様子が対照的でした。「やっぱりオバサンなんだわ、私」って少し寂しさを感じながらも、♪ポーーニョポーニョポニョ♪のメロディーを頭で響かせ続けながら帰りました。このメロディー、なかなか耳に残って離れませんよ。