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カテゴリ:巡礼余話
未読のままだったサンチャゴ巡礼本を読んだ。
清水芳子『銀河を辿る』(新評論)という本である。 著者はル・ピュイからサンチャゴ・デ・コンポステーラまでの約1500kmを 足かけ10年、9回に分けて歩いている。 次はこのルートを歩きたいと考えていた。 できれば通して歩きたいが、著者のように分けて歩くという方法もある。 フランス映画『サン・ジャックへの道』はこのルートを舞台にしたものだ。 著者が美学専攻の大学教授であるからだろう、 歴史や建築物に関する記述がたいへんくわしい。 おもしろいのは女2人連れの巡礼であること。 それも旧知の間柄ではなかったらしい。 はっきりとは書かれていないが、ときには意見の相違があったりして ぶつかることもあったと思う。 巡礼(に限らず旅一般)は、ひとりならひとりなりの、 2人なら2人なりの、楽しさもつらさもあるにちがいない。 歴史や建築にくわしい半面、 「なぜ巡礼に出たのか」「巡礼でなにが変わったのか」という 著者の内面についてはほとんど語られていない。 そういう方面に興味がある人には 巡礼記としてやや物足りないかもしれない。 このあともう1冊の未読本、 安田知子『ぶらりあるきサンティアゴ巡礼の道』(芙蓉書房)を読むつもり。 ついでにいま手元にあるサンチャゴ巡礼本を列記しておく。 ・パウロ・コエーリョ 『星の巡礼』 角川文庫 ・シャーリー・マクレーン 『カミーノ』 飛鳥新社 ・神渡良平 『星降るカミーノ』 徳間書店 ・柳宗玄 『サンティヤーゴの巡礼路』 八坂書房 ・壇ふみほか 『サンティアゴ巡礼の道』 新潮社 ・The Road to Santiago ・A Pilgrim's Guide to the Camino Frances 「手元に残してある」という時点ですでにすべておすすめ本だが、 個人的にはやはり『星の巡礼』に最も思い入れがある。 巡礼に出た3回のうち2回は持参し、それも含めて5~6回は読んだ。 洋書の2冊はいずれも未読。 サンチャゴに着いたあと手に入れたものだ。 「次のときの参考書に」と買ったものだが、 実際に歩く機会がこなければ読む気にならないと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年03月10日 17時25分47秒
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