|
カテゴリ:インド・伝統、風俗、風習
この写真を見ただけでは、これがどういう状況を写したものなのかちょっとわかりづらいかと思いますが、これはオートリキシャ(三輪タクシー)の後部座席から写したものです。
でも、この少々頭のてっぺんが地肌っぽい人は運転手ではありません。このおっさんは運転手の横に乗っているだけの、まあ言わば運転手の相棒みたいな人なのです。またはただの友達なのかもしれません。とにかく運転手は右端にちょこっと肩だけ写っている人です。 オートリキシャの運転席のシート幅というのは、確かに平均的な成人男子インド人のケツの大きさより若干広めではありますが、それでも運転手の横に座るにはかなりムリがあります。実際このてっぺん地肌のおっさんも、ハスに構えて半ケツで座り、落ちないようにタクシーメーターをしっかり握ったりなんかしております。 で、実はこういう運転手以外の「友人」を乗せるタクシーやオートリキシャは要注意なのです。いくらヒマなインド人といっても、ただの時間つぶしに同乗しているわけではないのです。そこにはなにか「お金」にからむものがあるはずなのです。たとえば二人がかりで旅行者を圧倒して、マージンのもらえるお土産屋やホテル、旅行社などに連れ込もうとしたりするのです。つまり「同乗するなら金をくれ!」(中途半端に古)なのです。 ただこの写真を撮ったときはちょっと状況が違いまして、コンノートプレイスで急な雨に見舞われてしまった私は、そう遠くないホテルに帰るため、やむなくこのオートリキシャに乗ったのです。 もちろん料金交渉はしましたが、いかんせん急な雨降りなものですから足元を見られ、相場より高めの料金となりました。 ところがそれでも運転手のおっさんとてっぺん地肌のおっさんは満足しなかったのか、大通りに面したホテルの反対側で「ここで下りろ」と言うのです。そりゃあホテルは目の前で、あとは道を横切るだけなのですが、なんせ雨降りなもんですから濡れてしまうわけですよ。それにそもそも濡れるのがいやなので、近距離にも関わらずオートリキシャに乗ったわけですよ。それをここで下りたら乗った意味がないじゃあないですか。 しばらく押し問答をしたのですが、相手は一向に聞く耳を持ちません。 そこで仕方なく最後の切り札の登場です。 はい、お金です、お金。カネですカネ。 日本円にしたらわずかな金額ですが、この運転手とてっぺん地肌のおっさんにしたらちょっと嬉しいお小遣いという金額を上乗せすることを告げると、オートリキシャは元気良く大通りをUターンして、ホテルの前につけてくれたのでありました。めでたしめでたし。 まったく現金で実にわかりやすいおっさんたちなのであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.09.13 09:44:53
[インド・伝統、風俗、風習] カテゴリの最新記事
|