ラクダ隊商隊長の西方見聞録

ここはインド、ラジャスタン州の宮殿ホテルです。

廊下の壁から首を出している動物たち。さすがはマハラジャ、この左の部屋で動物を飼っているいるのですね。

いえいえ、そうではありません。その部屋に入っても、動物たちの体はどこにもないのです。ひっひっひっひっ・・・

はい、もちろんこれは生きている動物ではなくハクセイです。
その昔（と言っても何十年か前という程度だと思います）マハラジャが仕留めた獲物たちなのです。

マハラジャは独自のお狩場を持ち、そこに狩猟用の別荘まで建てて狩りを楽しんでいたのであります。

しかし今ではだいぶ様相が変化して参りまして、かつて動物たちが追われた狩猟場は、逆に動物を保護するサンクチュアリになっているのです。ホント世の中ってなにがどうなるかわからないものですね。

まあすでに狩られてしまった動物たちにはかわいそうなのですが、そうしたことがあったからこそ自然が残され、今では動物たちが安心して住める区域が確保されたということなのです。

なので君たちの死は決してイヌ死に・・・ではなく、シカ死にではなかったのであります。

じゃあ、なに死にって言うのさ？

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