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ラクダ隊商隊長の西方見聞録

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ラクダ隊商の隊長

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2009.01.07
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カテゴリ:インド・動物
早くも1月7日でありますが、まずは新年のご挨拶から・・・

みなさま、新年明けましておめでとうございます。
本年もこのブログでは、インドの話題をウシウシ、じゃなくて、ドシドシご紹介して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、丑年というわけで牛の写真です。なんのひねりもございません。

まあインドには牛がごろごろいるということは良く知られていますので、こんな話題はイマサラ感がなくもないのですが、逆に言えばそういうものこそインドっぽい話題とも言えるわけです。

ということで、ニューデリーの一部からは牛が追放されつつあるとは言え、やはり日本人(そしてたぶん欧米人なども)の目から見たら、仮にそれが一頭だけだったとしても、大都市の道路わきに牛が寝そべっているという光景はいささか奇異に見えるものです。そんでもってこうして写真なんか撮ってしまうものです。

インドに牛が多いのは、インドで一番信者の多いヒンドゥー教と密接にかかわっているからなのでありますが、私が見る限りではそれは常に「神聖なものとして崇められている」というのとはちょっと違い、人々の心の根底に「牛は大切にするもの」という「常識」が植えつけられていて、つまりはそれが「ごく普通」という状態に置かれているように思うのです。もっとわかりやすく例えるなら、「よその家の塀に落書きをしちゃいけませんよ」という本当に「あたりまえじゃん」と言いたくなる程度の常識みたいなものと言えばよいでしょうか。

なので、たまに牛を大切に扱わない光景を見ることもあります。
ええ、よその家の塀に落書きをしている子どもを見かけるようにです。

私が見た光景は、バラナシの街を案内してくれた少年が、牛の横をすり抜けて通る際に、牛の横っ腹をこぶしで叩いていたことです。牛はただそこにおとなしく立っていただけなのですが、なぜかその少年は牛のお腹にパンチをお見舞いしたのです。
私はその時はまだ「インド人にとって牛は神聖にして侵すべからざる存在である」と思っていましたから、それはそれは驚きました。でもすぐに「あれ?実際には牛はそれほど神聖な存在というわけでもないのかな?」と思い直し、私も少年と同じようにその牛の横っ腹をこぶしで叩いてみたのです。

牛の横っ腹は柔らかく弾力があり、私の弱っちいパンチを包み込むように吸収し、そして優しく押し戻して来ました。まるで慈悲深い神様のようにです。

しかしその時、前を歩いていた少年が急に振り返り、私が牛を叩いた瞬間を目撃してしまったのです。

少年は目をまん丸にして驚いた表情でこう言いました。

「牛を叩いちゃいけないんだぞ!」


やはり牛はインド人にとって神聖なものだったようです。

なるべく叩かないようにしましょう。

​​​​​​​​現在インドの話題は「ラクダ隊商パインズクラブ」にて更新中です!​​​​





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最終更新日  2017.09.13 11:40:57



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