全部財団のせい(ロータス97Tルノー)
ちょっと前に、アイルトン・セナ没後30年の節目にちなんで、セナのF1マシン年代記を扱った。その時にミニチャンプス製モデルの出来が悪いんでスパークのを買い直す予定って書いたそのスパークの新製品が入庫したんで。スパーク1/43 ロータス 97T ルノー1985年ベルギーGP 優勝#12 アイルトン・セナ 前年、(ロリー・バーン作ながら)お世辞にも名機とは言い難いトールマンTG184で大雨のモナコ表彰台に上り注目を集めたセナが、当時まだ名門だったロータスに移籍してまたもや雨絡みで2勝。その2勝目をモデル化、とゆーか97Tをモデル化するならエストリルかスパしかねえでしょ。初優勝エストリルは最初クラシックロータスが特注し、そのクソ高え価格設定に完全スルーを決めてスパを予約したんだが、あとから通常営業のエストリルも出ると知って、やっぱ初優勝よねぇちょっと早まったかぁと後悔しても後の祭り、というドタバタがあってのスパ仕様。まぁウィニングローレルが2枚(エストリルのセナとサンマリノのデ・アンジェリス)貼ってあるしってことで納得しよう(笑)。 でも、どーしても納得できないことがひとつ。そもそも最初にスパークから発売アナウンスが出た時は、通常フォーマットどおりドライバーフィギュア付きだったがすぐに発売中止。次に発売アナウンスが出た時には「ドライバーフィギュアは付属しません」。まぁ個人的には、フィギュアなしのほうが高級感あると思ってるんで、そこは別にいいんだけど、実際商品を手にしてみると。 ドライバーフィギュアどころか、マシンに貼られてるはずのドライバー名も台座のドライバー名も、アイルトン・セナを匂わす文字はひとつもない。聞けば「セナ」ブランドを統括管理する「アイルトン・セナ財団」から「ウチに何の断りもなく勝手にセナの名前をつこーてもろてはあかんがな」と横やりが入った模様。つまり「どうしても使いたいゆーなら、それなりのもん用意してもらわな、な?」とゆーことらしい。ブラジルの恵まれない子供たちのために使われるんだから、スパークもそんくらい払ったれやと思わんでもないが、ワールドワイドなデアゴの「隔週刊ロータスルノー97Tを作る」ならいざ知らず、たかだか1ロット千個たらずの商品ではペイ出来ないくらいの額だったんだろう、きっと。斯くして、全世界的にタバコロゴNGの時代に堂々とJPSが貼られる代わりにドライバー名のない妙ちくりんな商品が出来上がったわけだが、個人的にそんな状態を許せるはずもなく勝手に修正する(笑)。 タメオのデカールはともかくも、今って「アルファック・デカドライ(インスタントレタリング商品)」なんてどこ探しても売ってないのね。カセットテープ全盛期(いつだよ)にゃどこでも手に入るありふれたものだったのに。で、なんか代用品はねえかなぁと色々検索すると、ネイルとかスマホのデコシールってのがあったんで即行購入。 デガドライと違って厚みがあるんで、タンポ印刷っぽくはならなくて違和感はあるが、売ってないものはしょうがない。タメオデカールの色味もちょっと違うんだけど、ないより全然マシだ。セナ没後30年ってことで出したんだろうけど、だったら若干赤字になろうとも(勝手なこと言ってら)ちゃんと公認うけて完璧な商品として出して欲しかったよな。そもそもの出来がいいだけに。 そして、30年ってわりには世間は大人しいよね。当時あれほどセナ様セナ様だったフジテレビがBSあたりでなんかやるかと思ったが完全スルー。ネットフリックスが全6話のドラマをやるのと、ブランドアンバサダーだったタグ・ホイヤーが「カレラ・トゥールビヨン・クロノグラフ×セナ」を出して、あとサンパウロGPでルイス・ハミルトンがMP4/5Bでデモランしたくらい。 当時の熱量を知ってる人間としてはいくばくかの寂寥感を感じるが、それもこれも財団がいろいろと締め付けてるからじゃね?と勘繰ってしまうわな。ガンダム世界同様に財団ってヤツはまったくもう。。。(いや、やってることは至極まともなんだろうけどね) 当初、ドライバーはシークレットで、やれアラン・プロストだ、ホンダとの関係でジェンソン・バトンだ、ホンダに加えてセナとの関係でルーベンス・バリチェロだ、いやいや単純にブルーノ・セナだろ、とか言われたが、現役ドライバーでセナに一番憧れをもつハミルトンだった(個人的には、フェルナンド・アロンソだったら面白れえなあと思ってたけど)。そのおかげで(マルボロのマの字もないのは仕方がないとしても)ペトロナスに配慮してシェルのロゴまで消されてるのがなんだかねえ。。。故人を偲ぶのんだからもっとおおらかに出来ないものかねえ。