グッドナイト&グッドラック
2005年【米】Good Night, and Good Luck.ジョージ クルーニー監督『1953年、米ソの冷戦が激しさを増す中、アメリカ国内ではマッカーシー上院議員を旗頭に、国内の共産主義者の徹底した排除活動が行なわれていた。しかしその標的は、いまや政府に少しでも楯突く者すべてに及んでいた。一般の市民はおろか、マスコミさえもが恐怖の前に沈黙してしまう。そんな中、CBSの人気キャスター、エド・マロー(デヴィッドストラザーン)とプロデューサーのフレッド・フレンドリー(Jクルーニー)は、番組内でマッカーシーの欺瞞を暴き、彼こそが自由の敵であると訴える内容の放送に踏み切るのだった。』(allcinema onlineより)WOWOWでだいぶ前に録画したのをやっと観ました。4/30午前にも放送があったので、その前にこれをアップすれば良かった...ジョージクルーニーは父がキャスターで自分もジャーナリストを目指していたそうですが、そんな彼が撮ったこれは本人も会心の作ではないでしょうか。お見事。ちゃんと業界でも評価され2005年のいろいろな賞の候補になっています。マッカーシーという人による「赤狩り旋風」とか言うものに関しては、そういう事があった、映画人にもひどい目に遭った人達がいた、という漠然とした事しか知りませんでした。政治の話はむずかしいのでとっつきにくい映画かな、と最初は思いましたが、予習なしでも理解できる判りやすい作品に仕上がっていて、引き込まれる展開と魅力的な演出、スリリングだけどジャズの美しい音楽で彩られています。娯楽、教養として楽しめる反面、テレビの世界の商業主義、視聴率至上主義への批判のメッセージも強くこめられています。そしてまた観る側の、「お気楽さ、現実逃避、頽廃」、まさにわたしの事を痛烈に指摘されているような気がして、胸に刻みました(⌒~⌒ι)デヴィッドストラザーンの演技もとても良かったです。彼は「エイトメンアウト」で印象的だったけれどそれしか私の記憶にはないのですが、他にもいろいろ出演していて、観ているはずです。それらの作品を彼目的で観なおすのもいいなと思いました。私の観た映画では「真夏の夜の夢」「サイモンバーチ」「L.Aコンフィデンシャル」「ザファーム」などに出ていた...。マッカーシー上院議員についてはウィキペディアで斜め読み。それによると、マッカーシーバッシングが起こった後も最後までJFKは彼を擁護していた。失墜したことの失意で酒浸りになって肝臓を傷めて亡くなったそうだ。エド マローは、皮肉にもその後そのJFKに請われてブレーンとなったという。番組中でもずっと煙草を手放さないスタイルの彼はやっぱり最期は肺がんで亡くなった。反骨の気質の才人、ジョジクルのよく出来た映画のおかげで、ちょこっとだけ勉強になりました。