それでもボクはやってない
2007年【日】監督:周防 正行(「Shall we ダンス?」「シコふんじゃった。」)(「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」原作)『朝の通勤・通学ラッシュの電車内で、近くに乗り合わせた女子中学生から身に覚えのない痴漢行為をとがめられ、現行犯として逮捕されたフリーターの金子徹平(加瀬亮)。清廉潔白であることを確信する彼は、警察署や検察庁での取り調べでも一貫して無罪を主張するが、誰もその声に耳を傾けようとはせず、ついに徹平は起訴される。そして、ベテラン弁護士の荒川(役所広司)、新米弁護士の須藤(瀬戸朝香)が彼の弁護にあたるなか、法廷の場での困難な闘いが始まる。 』(wowow online より)これはしんどい話なのだが、主人公のどこか飄々とした感じと作品全体の軽いタッチのおかげで、落ち込まずに観ていられる。痴漢冤罪の話題のたびに、この映画のタイトルが必ず語られるほどだが、2007年上映から数年も経って、「代用監獄」制度が少しはましになったという話はついぞ聞かない。この主人公は、支えてくれる友達(山本耕史)と母(もたいまさこ)が献身的に街頭に立って活動したり、信頼に足る弁護士を見つけたりしてくれたから、神経がもっているのだろう。頼りなげなわりに打たれ強いのは「映画だから」。うわぁん。居酒屋などで繰り広げられる弁護士トーク、生々しい法廷シーンなどが、とても勉強になる(はず)。腹立たしい、検察=裁判所のなれあいっぷり。これは、何度か、そしてみんなが、観るべきである。