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テーマ:国を憂いて(3492)
カテゴリ:憂国の嘆き
米支首脳会談は、北京にとって「手痛い」ものとなった。
シナいや習主席にとって、今回の会談で「世界各地で、習主席が一面トップを飾り、「世界二大超大国の時代の到来」を印象付けたかったが、トランプ大統領によるシリアへミサイル攻撃で、まざまざと「格の違い」が露呈された。 もともと「会談の成果」などというものは期待薄だったのだから、印象だけは、なんとかしたかったとの思いは強く、事前には、それ位はなるだろうと思っていたのだが。。。 もともと、国力には現状大きすぎる差があり、「対等な」などと呼べるものではないが、習主席は、物言えぬ部下たちの「進言」により、米国はシナと対等であることを認めているかのような幻想を抱いていたであろう。(勿論、主権国家同士という意味での対等はある。) ところが、トランプ大統領が、シリア空爆に踏み切ると、国際社会の目はそれ一点に注がれることとなった。しかも夕食会後に「空爆の事実を知らされる」これは主要国よりも遅い報告である。 米国は暗に、習主席に「勘違いするなよ」とメッセージを送ったのである。 習主席の耳に残っているのは、シリア攻撃に際して米国高官がプーチン大統領を評して「シリア・アサド大統領をコントロールできないのだから無能だ」という言葉であろう。 この言葉は、次に自らに向けられるのは疑いのない。 そう強く感じたであろう。プーチン大統領が習主席に、シリア・アサド政権が北朝鮮・金正恩に入れ替わるだけである。 秋の党大会で「主席再任」だけではなく、その期間延長を望んでいるといわれる習主席が米国から「無能」扱いされる。これで「再任」はともかく「期間延長」など決めれば、「中国共産党」というシナでは守らなければならないものに傷がつきかねない。 北京は、習主席帰国後、再び「政治の季節」を迎えるだろう。 特に人民解放軍の動きは活発になるだろう。 この点、シナは南シナ海、東シナ海、台湾いずれかに挑発行為を強化してくる可能性がある。これは、我が国にとって決して他人事ではなく、明らかに我が国の脅威も高まる可能性を示唆するものである。 しかし、習主席の性格からして、「面子を失うことになった」責任者を徹底的に追及し、冷や飯を食わすよう仕向けるだろう。ここで当然、責任のなすりつけ合いが始まる。 私は、こうみている。 シナが本気で北朝鮮に対して「経済制裁」を実行する。かもしれない。とする声があろうが、私はそうは思わない。もし実行すれば、金正恩は、ミサイルを「北京」に向ける可能性が高いからである。シナ自らが技術を供与し、米国を困らせることに利用してきた北朝鮮の「核・ミサイル」が自らに向けられる。これほどの悪夢はないだろう。 従って、シナは、米国トランプ大統領が基める水準の「経済制裁」は行えず、北朝鮮は、「核を持たないシリアだから攻撃された」とみなし、さらに核・ミサイル開発を推し進めるであろう。 トランプ大統領が北朝鮮に対する「レッドライン」とは何か? このあたりははっきりしないが、今回の会談で「レッドラインを超える状況にある」ということは、「新たな核実験」あるいは「グァムが射程に入る)弾道ミサイル発射」でも「レッドラインを越える」可能性がある。シナは、北朝鮮に「現状維持」を求めなければならない宿題を持ち帰らされた。といってよいだろう。 そうすれば「弱腰」とみられ、実行しなけらば「頭越しでの攻撃」「無能という言葉が襲ってくる」 前門の虎後門の狼といってよいだろう。 何をやってもシナに徳はない。 南シナ海・東シナ海で暴発すれば、これまで関心が薄いとみている欧州は一斉に非難の声を上げるだろう。そうなれば、欧州との経済関係は、停滞せざるを得ない。これまでのお土産も「帳消し」となる。 まあもともとが「勘違い」から始まったことなのだから、現実に引き戻されるだけの話ではある。 シナは外交巧者でwくぁ額には太刀打ちできぬ。などと考えていたような人たちは、いかに自らの目が曇っていた。あるいは幻想を現実と見ていたことを、今回知ったことであろう。 シナと米国が戦えば。。。 南シナ海の人工島は、真っ先にその標的とななり、すべて水面下に消える。 空海軍は圧倒的な実力差があり、国産空母などと言っている代物も開戦後一時間として浮いていないであろう。 勿論、米国は陸軍部隊を投入しないだろうから、また「勝った、勝った」とデマを国内に飛ばすだろうが、情報が発達している現在、その効果は大きくはなく、中国共産党への不満とともに、一気に直接中国共産党を襲うだろう。 もう手の打ちようがない。 まあ黙って「無能」といわれることを黙認しておくしかないだろう。 それが一番傷が浅い。勿論習主席は逮捕され、執行猶予つきの死刑判決を受けることにおなるだろうが。。。 以下宮崎正弘氏の見解を、ここに記しておきたい。 さすがに我が国のチャイナウォッチャーとしてトップレベルにある方の意見会である。 宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成29年(2017)4月9日(日曜日)通算第5260号 <前日発行> 米中首脳会談はひとつの成果もなく、事実上は失敗 トランプ記者会見で、米中会談に一言も触れなかった フロリダ州パームビーチのトランプ別荘は中世ヨーロッパの古城のような風格、空から見ると、まるで軍事要塞でもある。役者二人は、表面的にニコニコしながら、一応握手もしたが、習近平の緊張ぶりは画面にもでてきた。 夕食会の冒頭、トランプは「個人的な関係は深まった。合意に到らない点もあったが、概ね良好な関係を築けたと思う」とだけ発言した。 中国側の出席者の顔は引きつった人が多い。 夕食会の出席メンバーを一瞥すると、この首脳会談に両国とも相当な心づもりで臨んでいることが分かる。 とくに通商が第一議題とばかりに、米国はムニューチン財務、ロス商務が左脇を固めた。ふたりおいてバノン顧問。右脇にティラーソン国務、マティス国防は当然にしてもプリーバス、端っこがクシュナーと三人の大統領顧問全員が列席しており、トランプ政権の中枢は誰々が握っているかの権力状況が把握できる。 中国側も王洋副首相(米中戦略対話責任者)が習の左を固めた。右には王炬寧、栗戦書、劉?らの経済ブレーンばかり。そして軍からは房峰輝参謀部長、鐘山・商務大臣が隅っこに。外交関係では王洋のとなりに楊潔チ国務委員、ひとりおいて王毅外相という布陣だった。 この陣容から判断できることは習近平の外交政策最高意思決定レベルが、奈辺にあるか。とりわけ団派の王洋が出席していること。軍からは国防大臣や中国軍事委員会副主任らをさしおいて、房峰輝が出席していることは留意しておくべきだろう。 中国側はトランプの過去の発言からして貿易不均衡、為替操作などきつい要求が出ることを警戒し、万全の体制で臨んだと考えられるが、結果的に一つの成果もなく、会談後、中国の記者が嘆息したように、「トランプの記者会見はシリア問題だけ、米中首脳会談には一言の言及もなかった」のだ。 北朝鮮問題でいかなる議論が交わされたのかは明らかではない。「北の核開発は脅威であり」「レッドラインを越える状況にある」という二点が共通の認識とされたが、あとはお互いの腹の探り合いだったようだ。また儀礼的に習近平の招待に応じ「年内の訪中」が合意されたが日程は未定とされた。 習近平は会談後、さぞ肩を落として中国へ帰る飛行機に乗ったことだろう。 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成29年(2017)4月9日(日曜日)弐 通算第5261号 金正恩斬首作戦はたしかに存在することを中国は実感した 米国の北朝鮮単独爆撃に、中国は沈黙を余儀なくされるだろう シリア空軍基地へのミサイル攻撃は、「戦果」としては疑わしい。 59発撃って命中は僅か23発。滑走路には被害が殆どなく、翌日からIS空爆にシリア空軍は飛び立っている。 つまりシリア空軍基地に壊滅的打撃をあたえてはいない。 しかし、軍事的成果より、政治的効果は激甚であった。 中国首脳との夕食会最中にミサイル発射を習近平につたえ、マティス国防長官が具体的に説明した。だから反論の時間的余裕も、いやその準備もなかった中国側はそそくさと宿舎に引き上げた。 通商交渉でも「百日計画」の策定を呑まされ、南シナ海で国際秩序を護れと言われ、いったいどこに訪米の成果があるのか、習近平は帰国後、鼎の軽重を問われることになるだろう。 夕食会直前に政権の最終意思決定は、トランプの別荘でなされ、テレビ中継でホワイトホウスのオペレーションルームのペンス副大統領と繋がった。 会議にはティラーソン国務、ロス商務、ムニューチン財務、大統領補佐官と顧問四名が居並び、シリア空軍基地襲撃が決まった。バノン上級顧問が隅っこのイスに腰掛けている写真が配布された。 問題は、このタイミングの選び方、まさに中国の反応ぶりをリトマス試験紙のように試したのではないのか。 北朝鮮攻撃のシナリオは(1)金正恩斬首作戦(2)ミサイル基地爆撃破壊(3)核施設破壊。(2)と(3)の同時作戦などがおおまかに考えられるが、どれでもいつでも実行できる態勢は整っており、すでに米軍は600発のミサイルを配備している。しかも在韓米軍とは演習中である。 中国は米国のシリア攻撃を目の前に見て、にぶく対応しただけで、もし北朝鮮に大規模な米軍単独軍事行動がおこなわれても、沈黙を余儀なくされる可能性が高いことが分かった。つまり中国の軍事的介入はない、とトランプ政権は判断したと考えられる。 時期的には予想より早いかも知れない。 北朝鮮が、もし核実験をおこなったら、48時間以内にミサイル発射が命じられる可能性は薄いとはいえ、存在する。 朝鮮半島に戦雲高し。 宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成29年(2017)4月10日(月曜日)弐 通算第5263号 まだ一触即発状況ではないが、朝鮮半島に戦雲拡がる 空母カールビンソン、攻撃団を構成しシンガポールから出航 4月7日、フロリダ州パームビーチのトランプ大統領の別荘で、米中首脳会談と夕食会のあと、もう一つの決定がなされた。 翌4月8日、シンガポールを母港とする米空母「カールビンソン」が攻撃団を編成して出港し、西太平洋に向かったと発表された。 海軍は目的地を発表していないが、北朝鮮の近海海域を目指している。 通常、米海軍の空母1隻には駆逐艦、巡洋艦など5隻の護衛艦艇を伴い、さらに潜水艦と補給艦、敵潜水艦探知用のヘリコプターが帯同する。したがって空母一隻の移動は、艦船の多くを伴う大移動となり、「攻撃団」を編成する。 カールビンソンは老朽艦の部類にはいるが、1974年に就航。排水量10万1千トン、全長333メートル、幅76・8メートル、乗組員5600名、搭載機90機。 まさに動く空軍基地だ。リムパックにはたびたび参加しているほか、同艦が有名なのは2011年5月2日、パキスタンに潜んだアルカィーダの首魁オサマ・ビン・ラディンを殺害したときに、その遺体を収容し、海葬したことである。 世界のメディアはシリアから朝鮮半島へ焦点を移しつつある。 米国も北朝鮮もともに戦争を起こす気はないが、偶発事故には即応しなければならない。まして4月15日は金日成生誕150年にあたる。在韓米軍は3万人、戦術核の持ち込みも再検討され、また米軍家族の避難訓練も開始された。 3月からは在韓米軍と韓国軍の合同軍事演習がかつてない大規模なスケールで展開されており、いつでも攻撃できる態勢にある。 また4月9日、米東海岸ヴァージニア州沖合で新型空母ジュリーフォードの航海演習が開始された。2017年3月9日、トランプ大統領は異例の防衛費10%増大を発表したが、場所は、この新型空母の甲板だった。 空母「ジュリーフォード」はハイテクの固まりのような次世代空母と言われ、建造費は130億ドル。搭載機も新型ジェット機やステルスが主力となると言われており、これが実戦配備されると米軍の空母は12隻態勢に復活する。 総排水量10万1千トン、最大速力30ノット、乗組員5600名。全長333メートルと、ここまではカールビンソン級と同じだが、横幅が41メートルの細長く、原子力エンジン二基、カタパルトは電磁式で、かなりの機能がオートメーション化されている。研究開発費だけで50億ドルもかけた虎の子である。 トランプは現有277隻の海軍力を、350隻態勢にすると国防力強化を打ち上げている。 以上引用 文責 上田 和哉 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.04.10 12:15:56
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