私は色々な仕事をしてきた方だと思う。
販売・販売促進・営業管理・経理事務・営業事務・手配関係・営業・技術設計などなど。

10人ほどの小さな会社でのこと。
これは倒産の一年前に退職した。
女性の経理部長（といっても経理は一人）が資金繰り苦労していたなあ。

次は100人ほどの会社でのこと。
これも倒産の一年前に退職した。

会社は粉飾決算や出来もしない経営計画を銀行に提出していた。
社員の給与だって複数の銀行に振り分けられて振り込まれていた。
山手線内の広くて綺麗なオフィスから隅田川向こうの普通のオフィスに
移そうが何をしようが、どう考えたって銀行返済不可能。

会社がいよいよ思わしくなくなってから色々な会社や人の出入り。
年配の腰の低い海外を担当のする人がいつの間にか入社していた。
下の名前は私と同じＰ（仮名）。
海外が多かったし、部署が違うのでろくろく話した事も無い。

Ｐは夕方になると役についていない主に男性社員を集めて会議をしていた。
彼らはＰの考えに陶酔しているようで同じ言葉を発している。洗脳？
人の出入りが激しい会社で私は比較的ベテラン。
女の子たちより色々な部署の男性社員の方との方が付き合いが多かった。

ある日、遠方の営業所から人を呼んでの全体会議が開かれた。
社長と専務それにＰが前に立つ。
いきなりＰが蝋燭に火をつけ電気を消す。
『我が会社は電気代もろくに払えない』と話した。
その後、給料はこれから出ない、親に借金をしてでも
コンビニ弁当を『盗み』をしてでもこの会社を助けろと続けた。
男性社員はこの会社を助けるんだ！と自己陶酔している様子。
みんな夢を持つのはいい、でも現実もきちんと把握しろよ！
その後社長と専務を帰し、Ｐの話は続く。
私はいち社員の立場から当たり前の事を質問した。
それが彼には気にいらなかったようだ。

会議が終わってから呼び出され、別室にて恫喝された。
腰が低いは仮の姿、ヤクザ映画でも見たことのないような迫力だ。
実家住まいの私は給与が遅れても困らなかったし（事実よく遅れた）
多少給与が下がっても会社の建て直しに協力できればしたかった。
でも焼け石に水なのだ冷静に判断、いや冷静でなくても無理だ。
これは単なるリストラだ。
それも会社都合ではなく個人都合の。

残って欲しい女子社員等には個別に男子社員が説明している。
仲のいい多くの男性社員が私が残らないと困るとの趣旨をＰに話してくれたらしい。
次の日Ｐは満面の笑顔で『一緒に頑張りましょう！』と握手を求めてきた。
怖い。
何人かの男性同僚が休みの日にワザワザ遠くの私の家に出向いてくれ
説得工作をされたが結局会社は辞めることにした。

ところで元相方の父が銀行の支店長さんで、
この話をするとその手の小説を教えてくれた。
総会屋とか･･･でも実経験とよく似ている。
ま、余り出来ない経験だし怪我も無かったからいいか。

会社を辞めてから一年ほどでその会社は倒産した。
その間に色々な人が独立分裂した。

そして融資してくれていた某会社の援助をうけて
新たに興した会社に誘われ入社。
人が少ないからなんでもこなさなければいけない事務＆技術CADを担当。
ＰＣに不慣れな男性たちにＰＣ講習など。
私は事務所が遠くなったので、外注としてCADの仕事のみ継続。
結局、その会社も代表となった人がキチンとしたビジョンなしに
絵に書いた餅のような理想ばかりをかかげ上手く行かなくなった。
社長はフェイドアウト。
その会社は先日親会社に吸収された。
行く行くはその部署は消滅してしまうのだろう。

世の中景気が上向いているらしいのに。