ナンシー関氏と淀川長治氏
水野晴郎さんが亡くなった。私が映画好きだった頃の個性的な評論家の方はほとんど鬼籍にはいられてしまった。これまで「水野和夫」とされてきたが、水野さんが心酔していた山下奉文将軍にちなんだ「山下奉大(やました・ともひろ)」に改名されていた。とのニュースがあった。本名の改名だ。夫婦別姓ままならないご時世なのに本名の改名はそんなに簡単に出来るものなのか?と少し不思議だった。ところで映画評論家といえば淀川長治さんをあげずにはいられない。淀川氏の映画番組をラジオで中学生の時よく聞いたものだ。映画自体より彼の解説の方が面白いこともあるように思えるほど楽しかった。淀川氏は駄作でもその映画の良いところを見い出す人だった。ただ映画が好きというピュアな人に思えた。昨日はナンシー関氏の命日だった。七回忌。私はナンシー関氏や前に書いた『京都迷宮案内』の主人公杉浦恭介氏のように世の中を斜に観る皮肉屋?さんが好きだ。そんなナンシー関氏も杉浦氏にも心の奥にピュアなものを感じる。斜に構えている?真っ直ぐ物を見る?の違いはあれど他人に左右され事なく、自己のどっしりとした揺ぎ無い感じがする、そんな所が好きなのかなあ。ナンシー関さんの事を思うと私はすぐに悲しみのスイッチが入る。生前はよく知っていなかったにも関わらず。自殺や闘病の末ではなく、予期する間もない突然死だったこと。知れば知るほど彼女がいないことに悲しみを覚えるのに知らずにはいられない。リンク: ナンシー関「大ハンコ展」 原版5000個公開 - 速報 ニュース:@nifty.