テーマ:恋愛について(2623)
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21歳だった。
イタルくんが図書館から借りた 『ノルウェイの森』をまた貸ししてくれた。 早く返さなきゃと思いながら読んだので 「これが今流行ってる本」ぐらいの印象しかなかった。 あの頃は小説を読むよりも 飲みに行ったり踊りに行ったり 土日ともなれば苗場にスキーに行ったり くるくると動きまわっている方が楽しかったので じっくり本を読むなんて電車の中以外はなかったと思う。 イタルくんは本をよく読むわりには 『常夏』を「じょうか」とか言う へんな人で少しどんくさく、 ときにはいじわるで、やさしかった。 1年ほどつきあって、少し会わなくなった時期に 私は違う人とつきあい始め あっさりと電話でさよならをした。 本が楽しいと思うようになったのは 結婚してこどもと図書館に行くようになってから。 テレビドラマを見るように 小説がおもしろくなった。 図書館にある『ノルウェイの森』も いつも横目でみながら いつかまた読み返そう...と思っていて 先日ついに実行。 読んでみるとみごとに記憶にはあらすじの ひとかけらも残ってなかった。 ラストも「あれ、緑としたんじゃなかったんだ..。」 「直子、死んじゃったんだ・・。」 ・・・いったい何を読んでいたんだろう。新鮮すぎる。 今だったらイタルくんとたくさん映画や 本の話しができるのに もう2度と会うこともないんだなあと 思うと少しせつなくなる。 あのとき もう少しわたしが大人だったら よかったのに...。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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