カテゴリ:Black Tower Studio
音楽の仕事で欠かせない大きなポイントは二つ・・それはINPUTとOUTPUTなのよね。
音の電気的な出会いはマイクとすると、旅立ちはスピーカーとでも表現すれば良いかしら。最近はデジタル化で気軽にノイズの無い一見高音質な音楽制作環境が構築できるけど、自然発生的な音を電気的に処理して、再び音の波動というアナログに戻すというプロセスはとても技術が必要とされるとこよね。お仕事上、様々なスタジオで音という素材とお付き合いしてると、その個性をどうやってまとめ上げていこうかと試行錯誤の毎日になるわ。 そこで今回はプロ用のモニタースピーカーメーカーとしてと実績のあるGENELEC社のコンセプトモデル「GENELEC 6000A Tanaka Model」をいち早くお借りする事ができたのでさっそくレポートよ。 レコーディングスタジオの場合、最終確認となるモニターSP・・当たり前だけどここが信頼できないと創作的な事が無に帰することになるから大変!でもGENELEC社となれば、この6000ATMは単なる流行のものではなく、かなりの自信作として送り出されたモデルなのだと視聴する前から感じる事ができるわ。 形状は筒状のワンピース一体型で、堅固な金属は定番のスタジオモニター8000シリーズを受け継ぐ設計を思わせるわ。アクティブ型の高品質デジタルアンプ内蔵。大きさは本体だけならちょうど、卒業証書を収める筒ケースと同じくらいかしら。設置するには専用スタンドにはめ込みスタンディングだけど、実はこのスピーカー、シビアに置き場所を考える必要ななかったの!普通のスピーカーはユニットが正面にあるけど、これはそれぞれ側面に横向きにデザインされてるのでヒアリングのポジションを限定されないのよ。つまり、リビングのどこにいても聴感上はあまり差がないという優れものなの。 このサイズだと、低域はいかがなものかと心配だけど、そこがGENELEC!!驚くような豊かな低音が出てきたわ。しかもどこかにスーパーウーハーで隠してあるのかと思えるくらいな量感!コンパクトサイズでビックリした低音といえばBOSEのM2/3が有名だけど、それ以来の驚きね! で、音質の方向性をチェックしてみたわ。素材はロック、R&B、シンフォニー、シンプルな歌物・・。ワンピース型の筒状はどちらかというとサラウンド的な音場を形成するので、素材的に向き不向きがあるかと思ったけど面白い事が分かったのよ。同じアーティストでも作品によって聞こえ方に変化が出るのよね。例えば、マスタリングで音圧がバリバリにかかった作品を6000ATMを通すと歌が気持ちよくクリアーに聞こえてきたりとか・・これはタイムドメインのスピーカーとどこか共通するものを感じたわ。 中低域の再現性も豊かなので、特に女性ボーカルの輪郭がクッキリして聴感上の心地よさがかなりあるの。音楽だけではなく、台詞の入った劇版ものを再生しても台詞の聞き取りやすさににも驚いたわ。逆にLIVE音源のような素材は、空間が狭まってサラウンド効果が薄まってしまうものが若干あるかも。GENELECと言えば、とにかく豊かな響きだけど、その豊かさは正にGENELECよ! 1bitのDSD素材のマスター音源のシンフォニック系も再生してみたけど、DSD特有の奥行き感も十分に再現できたわ。特徴的なのは、部屋の隅っこで聴いてもスピーカーの正面で聴いても殆ど違いなく聞こえると言う事よ!とにかくこれには驚き。逆にちょっと本体から距離を置いた方がベストバランスな感じね。これは元々のコンセプト「最良の音質を手軽に持ち出す」と言うものに合致するのでお見事! リモコン付きで入力は付属ケーブル(ステレオミニプラグ)でiPod等と接続するの。電源はACアダプターor車の12V電源となるけど、スタンド部分に充電池が内蔵されるともっと電源周りがシンプルになって、デザイン的にもよりコンセプトに近くなるかも。更に本体にUSB端子があって、音源に対して5Vの電源供給ができるようになっていたわ。特に車は良いんじゃないかしら。様々な事情でお家の中で思いっきり音が出せず、車中だけが自分の唯一の空間なんて方もいらっしゃるから、そんな時にこれを設置すれば没頭できること間違いなし!! 嬉しい事にお洒落な専用の革バッグも付属しているので、ビジネスシーンのプレゼンなどでも大活躍出来そう。テーブルの中央に設置すれば参加者全員に同条件で音の確認ができるので個人的には嬉しい限りよ。 このモデルは音楽をいかに心地良く高音質で手軽に楽しむ(持ち出す)という、音楽本来の原点をターゲティングした画期的な製品と言えるでしょうね。どのジャンルの音楽が向いてると言う事ではなくて、これを好きな場所に置くだけで自分の好きな音に包まれるといった感じよ。お値段は¥73.500。限定シリアルNoが刻印されるし、オリジナリティを追求される方にはオススメね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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