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ぴけっと

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2005/03/05
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カテゴリ:ウエストコースト
■I Still Have Dreams / Richie Furay


振り返っても仕方がない、過去よりも今がすごくいい、未来は明るいに違いない、
本当にそう思える日はくるのだろうか?負け惜しみでもなんでもなく。
ウエストコースト路線で続いてみる。
昨年のイーグルスのコンサート以来、自分としてのルーツに帰ろうとしているようだ。自然な流れとして。

もともとこのひとはフォーク畑の人なので純然たるウェストコースト路線とは違うか。
レコード会社が主導して作り上げたバンド、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドが崩壊したのち、ソロ活動に移行してゆく。
アサイラムレーベル(=デビッド・ゲフィン、後のゲフィンレーベル創始者)が“第二のCS&N”を作ろうとして組織したサウザーヒルマンフューレイは名脇役を3人集めてスーパーグループを作ろうという単純ないかにもアメリカンな発想の元に作られたバンドだった。
世の中そうはうまく行かない。
期待されたほどの商業的成果は得られなかった。

ソロ活動を始めて、音楽は以前と比べて明るくなったように思う。
ソロ第1作のあたりは宗教色を感じさせる作品が多かったが、この3作目ではそれらのカラーはあんまり感じられない。
(70年代中頃にリッチーはキリスト教に帰依した)
このポップ感覚が本来の彼が持つものか。
その中にも挫折感を感じさせるものがある。
60'sの高揚の後の無というのだろうか。
リアルタイムでこの時代に聴いていない私にはこれ以上は語れないかな。
その時代のその空気の中であったからこそ、意味を持つものがある。

1曲目『Oooh Child』から軽快に。
音の作りもいい。
それまでのリッチーの交友人脈から路線を変更して、実力のみで選んだと思われるバックの面々の力か。
ポコ時代のカントリー色は彼の持ち味ではなかったのだと感じさせられる。
『Lonely Too Long』はラスカルズのヒット。
『Island Love』や『I Was A Fool』『I Still Have Dreams』のメロディーだけを聴いてると、ソウル色が感じられるが、歌いだすと一転ウエストコースト本流に。
どことなくブルーアイズドソウルな香りが。
『Come On』にはティモシーBやランディ・マイズナーのクレジットも。
『I Was A Fool』では先のバンドでのメンバー、ジョン・デビッド・サウザーがハモっている。
『Satisfied』でのローズマリー・バトラーのハーモニーのパートもいいな。
宗教色の薄くなったこのアルバムで唯一その影を感じさせる曲だ。
彼がキリスト教の考えを強く受けていることはこのアルバム発表のあとに起こった出来事でもよくわかる。




01.Oooh Child
02.Lonely Too Long
03.Island Love
04.Come On
05.I Was A Fool
06.I Still Have Dreams
07.Satisfied
08.Headin' South
09.Oh Mary
10.What's The Matter, Please?


このアルバムの発表後、自らの力に限界を感じたのか、何かを悟ったのか、彼はコロラド州で牧師としての生活を始めました。
82年に発売された4枚目のソロはクリスチャンレーベルから出されたものであり、97年に発売された5枚目も別のクリスチャンレーベルから出されました。
もう彼がメインストリームに帰ってくることは無いだろうけど、それが彼のやりたいことならば、それもまたいいか…






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Last updated  2005/03/05 11:56:51 PM
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