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2007/08/01
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隔週コラム       KUNI

  眠れない夜

 東京から電車で1時間ほど離れた、湘南エリアの快速の止まらない
辻堂という駅に住んでいる。寂れた焼き鳥屋や場末スナックが
良く似合う小さな駅で夜11時を過ぎると駅前は閑散とする。
海が近くにあるせいか、ビーチサンダル人口もやけに多く、
この時期にコンビニに裸足や海パン姿ではいっても周りの目は
気にならない穏やかな空気が流れている。

 そんなエリアからたまに東京へ夜遊びに繰り出すと
東京は眠らない町だとつくづく感じるのだ。
夜になると何か面白そうな事が起こりそうでテンションがあがり、
ついつい夜遅くまで遊んでしまう。東京は眠るのがもったいなぐらい
刺激をくすぐる面白さが存在する。だから、翌日はたいてい二日酔いか
睡眠不足になり、ゆっくりとは寝かせてくれない。
 
 田舎町の夜には、そんな刺激も誘惑も存在しないから、求めるものも無く
安心して寝れる、寝るしかない。そんな寝るしかない町でも寝かしてくれない
夜もある。それはブルースや酒の苦味を覚えるにはちょうど
いい事柄だったりする。何かの本か映画でみた話なのだが、
眠れない夜は過去の恋人を一人づつ思い浮かべると現在まで辿り着く前に
ぐっすりと眠れるらしい。頭の片隅に忘れたように残っていた
訳のわからない言葉がなんだかわかる気がしてくだらなく笑える。 





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Last updated  2007/08/01 05:03:51 PM
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