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 Art of Life研究所  プレイバックシアター      

Art of Life研究所 プレイバックシアター      

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2007.12.29
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ご縁があって、
プレイバックシアターのパフォーマンス依頼を受けた。
はるばる大阪から出向く。

ホームレスという言葉から連想されるのは、一体なんだろう?
わたし自身は、施設に行くのは初めてだが、
やっと準備が整えられて、出会わせてもらえるという感覚。

福祉関係の人にありがちな、極端な配慮は、避けたいと考えていた。
哀れむなどという発想は、わたしにはない。
むしろ、よくぞ、困難な人生を生き延びているという、
敬意に満ちた思いが芽生える。

わたしの日常的な生活の中では、
野宿生活者と、深く関わるということはない。

どんなストーリーを聴かせてもらえるのかと、
想像もできないままに、楽しみにしていた。

とはいえ、カンパニーメンバーはそれぞれ、
不安を抱えていたようだ。

だが、わたしは思う。
腫れ物に触るように、恐れていたら、
ハートに触れようもない。

プレイバックシアターの本質を生かすなら、
おっかなびっくり、腰が引けていては、何も出来ない。

わたしの覚悟は決まっていた。

この話を持ちかけてくれた学生が、
ホームレスの一人から聴いた半生を、語ってくれたその瞬間に、
わたしがすべきことが、みえた。

わたしは、彼らからストーリーをお聴きして、
それを、ギフトとして、お返ししたい。

おそらくは、
傾聴してもらう経験が少ない彼らのストーリーを、
大事に聴かせていただきたいのだ。

そんな機会は、めったにない。
貴重なストーリーだ。

カンパニーメンバーそれぞれが、
センター(中心)がぶれそうになったときに、
いかに留まっていられるかが、各自の課題となった。
問題は彼らではなく、自分たちだと。

そして、本番当日の今日、
杞憂は、すっかり消されることに。

会場の準備をしようとすると、
すでに宿泊者たちが、集っていて、率先して手伝ってくれる。
何が始まるのか、とても期待してくれているのがわかる。

ショートフォームのときから、すでにストーリーのような話が出始めた。

「7000万という大金を、家屋敷も売り払って、
一気に使い果たして、清々している。自慢じゃないが。」
と大きな声で語り始めた男性が、
死に切れなかったという話へと、展開していく。
4回死のうとしたけれど、4回とも失敗した。
死んだ母ちゃんが、「まだ来るな」って。
声は震えるように小さくなり、恥ずかしそうに、
亡くして初めて、愛する妻の存在の大事さに気づいたという。
「遅いけどな。。」と。
そして、愛妻が天国に召される直前の、ハートフルなエピソードが語られた。
心温まる愛の話を、わたしたちは、スリーセンテンスで凝縮した。

そこから、3本のストーリーへと展開する。

一人目のテラーは、
本来なら孫がいるはずだったのに、、と、
一人息子についての、13年前の話から始まった。
反対されていた結婚がやっと決まった矢先に、相手の女性が、
心臓疾患で、ある日突然、亡くなった。
10周忌のときに相手の両親から、
毎年かかさず花を手向けてくれているが、
もう、これで終わりにしてほしいと聴かされる。
息子には直接何もいえないが、せめて孫の顔だけでもみて、死にたい。
と語る可愛らしいその女性は、70歳。

2人目のテラーは、まだ若い息子のような年齢の男性。
高校時代の花形野球部での、やるせない思い出。
完全寮生活の厳しい生活の中で、つい間がさしたのだろうか、
仲間や後輩と共に、脱走計画を思い立つ。
雨のぬかるみの中、山中で滑り落ち、大怪我をしてしまう。
夏の甲子園にレギュラーとして出るはずだったのに、
謹慎処分で、TVの前にいるしか出来ない自分、
仲間への申し訳なさでいっぱいだったと語られた。
見終わった後に、
「あぁ~そや、逃げたから、そうなったんやったんや。」と、
逃げたのは自分だったと、何かに深くうなずくように、
語った後、部屋の外で、タバコをふかし、ストーリーを味わっているようだった。
(一服したらまた部屋に戻ってきた。)

3人目のテラーは、有名な野球部にスカウトされるほどの選手だったが、
暴力事件を起こして、退学。そこからヤクザの道に入ったという。
3ヶ月前に出所してきたという、体格のいい男性。
73歳の男性の山あり谷ありの半生が、語れた。
11回刑務所に入り、トータルで33年間ムショ暮らし。
リンカーンを乗り回していた頃もあれば、
高熱で病気になっても医者に診てもらえない、悲惨な刑務所経験。
孫5人に恵まれているというのに、会えない自分のしてきたことを振り返る。

ストーリーを真剣に見入ったあとに、テラーが、一言ぽつり。
「人の話には耳を傾けなあかんな。」と、短気を悔やまれる言葉がでた。
今だから、そのときの自分の周りにいた人の言葉が、聴けるのだろう。
そのときには耳に入らなかった言葉も。

プレイバックシアターのリチュアルを守っていれば、
誰が誰を批判することなく、更生しようとなどしなくても、
その人にとって必要なことが、みえてくる。

そして観客同士が、他のテラーのストーリーに涙したり、
「今時おらんで、そんな10年間も花を手向けるような男は。いい息子やなぁ。」と、
温かい言葉かけするという、現象も起こってくる。

今年最後のパフォーマンスは、
おそらくもう二度と会わないだろう観客たちとだった。

「また、来てな!」と、愛想よく声をかけられたが、
ここは一時的な場所なので、
「そうですね、また違う場所でお会いしたいですね。」と慎重に応えると、
急に気づいたように、
シャキッとして、「別のところでなっ。」と別人のように返答された瞬間は、
ぞくっとするほど、驚いた。

この場にいるこの瞬間は、この場だけのものに違いない。
別のところでは、別の顔をして、別の人生を歩んでいたことが伺える。
そして、ここが終着点ではないのだと。。

わずか2時間の出会いだというのに、
まるで親戚のおじさんおばさんたちのように、
とても懐かしい、くつろげる場所となった。

プレイバックシアターというツールが手に入って、
わたしは、本当に嬉しい。
彼らとの接点を、つながりを見出すことが、
とてもたやすいものとなるから。

このツール、これからも大事に使っていきたい。
いろんな場所で、いろんな人と。
カラオケよりも、プレイバック。
かけがえのない主人公のドラマは美しい。





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Last updated  2008.01.02 20:49:06
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