箕面にある明治の森国定公園。
そこの滝道は、私にとって特別な場所です。
2004年の夏、滝道のすばらしさを多くの人に伝えたい。
そういう思いから、あるサイトでブログを始めました。
初めてここにお越しくださった方、
そして私と滝道との関わりをご存知ない方々に
念のため前もってお断りしておきます。
滝道の木々とは20年近い付合いになります。
「オトモダ木」と称し、特に親しい木には名前も付けています。
待ちに待った新緑の季節がやって来ました。
紅葉の名所と言われる箕面ですが、
私はここの緑を愛しています。
毎年、何度もここのことをご紹介しています。
同じ様な写真、同じ様な文章ですがご容赦ください。
阪急箕面駅の改札を出てすぐ正面の坂道を行くと
温泉やプールで知られるスパーガーデンがあります。
そこを越えて滝までの約3kmの遊歩道が「滝道」です。
「もみじの天ぷら」などを売るお店が途切れたあたりで
まず迎えてくれる「不思議ちゃん」は、
何度見ても、どこが根っこでどこが先っぽなのか不明の木。
昆虫館を越えてすぐ、右側に立つ鳥居から滝道本道を逸れて
瀧安寺の境内の方に行きます。
上の画像は、観音堂の裏手にある鳥居です。
私はいつもここから石段を上って弁天堂に向かいます。
この上に、瀧安寺の本来の本堂・弁天堂があります。
役小角(えんのおづぬ=役行者)が開祖と言われ、
あまり知られていませんが、この寺は日本最古の弁天堂。
弁才天さまは、箕面の滝に初めて顕現されたと伝えられています。
弁天堂(本堂)の横を抜けると、再び滝道本道に戻れます。
弁天堂に参詣後、いつもは姫岩方面の道を歩きますが
今回はまっすぐ滝を目指して本道を歩くことにしました。
瀧安寺を越えると、滝道は緑一色。
晴れた日は、眼下の川も道も全てが薄黄緑色に染まります。
画像は滝道で最も堂々とした楓。
箕面・滝道の「King of maple」と、私は勝手に思ってます。
滝道ではほとんど直射日光に当たることはありません。
「雨が降っても傘がいらないのでは?」と思うような
緑のアーケードが滝の手前まで続いています。
(※実際は、雨が降ったら傘がいります)
滝道の本道は、全線このように舗装されています。
脇道は歩きにくい場所や石段もありますが、
本道は急な坂道もなく、危険な場所もありません。
舗装も柵も、自然道らしく配慮された色やデザイン。
この柵は木製のようですが、コンクリート製の擬木です。
現在、電線や電柱をなくす工事が進められているようです。
滝道のすばらしさは木々の新緑だけではありません。
時には足元を、時には深い渓谷を流れる清流。
何年もここでカメラを構え、
滝道で数千枚の写真を撮っていると思います。
しかし、ここのすばらしさを
見たままの深い渓谷を撮ることが出来ません。
私が「緑の大聖堂」と呼ぶこの場所は
「釣鐘淵」と名付けられています。
写真でも言葉でも表現できない神聖さ、雄大さなのです。
上の画像は、デジカメの「PhotoStitch」という機能を使って
4枚の画像をつなぎ合わせたものです。
では、少しだけ仲良しの木々をご紹介します。
滝の少し下にある茶屋の川向かいが、
私が一番よく通う場所です。
夏にはこのあたりで蛍の乱舞を見ました。
その場所にいる、最も新しい友人の「つばきくん」
なかなか男前の木です。
この辺りの3月の様子や、「つばきくん」命名の理由などは
→「こちら」の記事をご覧ください。
まだ雪が降ってた頃に出逢ったのですが、
彼とは新緑の季節に写真を撮る約束をしていました。
この「つばきくん」
新緑の彼を初めてじっくり拝見しましたが、なかなかの木です。
根元あたりから見上げた姿が最も自信ありげ^^
一番世話になってる「pow-pow」は、
モミジのくせに紅くならない偏屈者(笑)
彼の一張羅は新緑の黄緑なのですが、
今年の色は元気不足かも。
それはきっと、3月にたくさんエネルギーを使ったから。
「あの場所」に、真っ先に駆けつけて
見えない雨を降らせてくれたから。
気品高い姿が自慢の「龍樹(りゅうじゅ)」
右腕の傷も、だいぶ目立たなくなりました。
でも、ちょっと痛々しさは残っています。
この「龍樹」と「pow-pow」が、最も古い友人です。
滝道を歩いた時は、滝まで行かないことはあっても
彼らに会わずに帰ることはありません。
滝道の終点は、もちろんこの箕面滝。
日本の滝百選の一つにも数えられた名瀑。
落差は33mだそうです。
昨年の秋、熊野で見た那智大滝は落差133m。
日本一と比べちゃかわいそうですが、
この滝とこの森が、梅田からたった1時間ほどの場所にある。
なんだか信じられません。
箕面の新緑は今が見頃。
5月下旬になると、やぶ蚊が出てきます。
ここの緑は、10月の終わり頃まで楽しめますが
今が最も美しい時期だと思います。