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2009.04.11
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カテゴリ:絵画
セザンヌ「庭師ヴァリエ」.jpg


清々しく晴れた今日、道立近代美術館で「セザンヌ主義展」を観てきました。土曜なので午後からは混むだろうと思って、午前中に出かけましたが、すでにかなり多くの人でごった返していました。

展示作品は、セザンヌが主役というより、むしろセザンヌに影響を受けた画家の作品が多くありました。ピカソ、シャガール、ジョルジュ・ブラック、ゴーギャン、モジリアニ、ヴラマンク、キスリング、佐伯祐三、岸田劉生・・・その他たくさん。

ピカソは相変わらずピンときませんでしたが(笑)、ペン画の小品のようなのに構成感の切れ味と才能を感じさせるものがあって、今回の新発見でした。

それから、佐伯祐三のいかにもセザンヌに影響されたのがありありと分かる作品に好感が持てました。佐伯のほかに個人的に気に入ったのは、岸田劉生、中村彝(つね)、ヴラマンクあたりでしょうか。。岸田や中村のは、現実の層を深くえぐり、虚飾を排し、人間の生に必然的につきまとう悲惨さをも感じさせるようでした。

日本人の絵は、西洋絵画の手法を取り入れつつも、ちゃんと日本人の感性で日本人の魂を表現していて、僕にとってはさほど無理なく共感できるものが多いし、むしろ、西洋人の絵より深みを感じます。大雑把にいうと、西洋人のは大味でガサツ(笑)、東洋人のは瑞々しくて繊細で柔らかい。これって、僕だけの日本人贔屓な感想でしょうか?(笑)

そうそう、いうのを忘れていましたが、僕は、油絵の重たさ、質感、存在感がどちらかというと苦手なのです。水彩やリトグラフ系、あるいは、もっと透明感のあるコンピューター・グラフィックスなどがホッとするところがあります。油絵でも印刷されたものはいいのですが。

とはいいつつ、やはり、ある種、憧れのセザンヌを肉眼で見られたのは嬉しかったです。林檎や水差しのある静物系の絵は、じっと見ていると神経が休まり、さしずめ「見る禅」といった趣きですね。

帰り道は、ずっと歩いて、途中、新緑にはまだ早いヒンヤリした北大を通ってきました。それにしても、この学園は美しい。画用紙と水彩の道具をもって、ここでスケッチしようと、あらためて思ったしだいです(笑)。

写真は、セザンヌの水彩「庭師ヴァリエ」。これは展示はされていなかったのですが、こういうシンプルで光を感じさせる彼の絵が好きです。







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Last updated  2009.04.11 15:41:27
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