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テーマ:インド・アラカルト(8)
カテゴリ:バガヴァッド・ギータ
「『バガヴァッド・ギーターの世界』上村勝彦著」からの抜粋です。 ヒンドゥー教の聖典として 二大叙事詩である『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』があります。 『マハーバーラタ』は18巻10万詩節(正確には約9万詩節)からなる世界最大級の叙事詩です。 作者は聖者ヴィヤーサであると伝えられています。 『マハーバーラタ』の主筋は、バラタ族という一族の間の大戦争を中心にしています。 インド人は自分の国をバーラタと呼んでいます。 つまり彼らはバラタ族が自分たちのルーツであると考えております。 これから読んでいく『バガヴァッド・ギーター』は、 『マハーバーラタ』の中の一編ですので、 まず、『マハーバーラタ』の内容を少し詳しく紹介しようと思います。 昔、バラタという王がいて、バラタ王の孫にクルという王がいました。 そのクルの末裔をクル族(カウラヴァ)と言います。 このクル王の孫にシャンタヌという王がいました。 このシャンタヌはガンジスの女神(ガンガー)と結婚し、 ビーシュマという英雄の息子を得ました。 その後シャンタヌ王は、サティヤヴァティーという美しい猟師の娘を王妃にしました。 (つまりシャンタヌ王は二人の妻を持ったというわけです。) 彼女は王権を継承すべき二人の息子を産みます。 父王の死後、この二人は次々と王になりましたが、いずれも若くして死んでしまいました。 王妃サティヤヴァティーには秘密の過去がありました。 彼女はかつて、ある聖者と交わり、ヴィヤーサという息子を産んでいます。 そこで彼女は、偉大な聖者となっていたヴィヤーサを呼び出して、 夭折した二人の王の妻たちに子種を与えてもらいたいと頼みます。 その結果生まれたのが、ドリタラーシトラとパーンドゥという兄弟でした。 ドリタラーシトラは盲目でしたので、弟のパーンドゥが王位を継ぎました。 パーンドゥの息子たちがパーンダヴァの五王子です。 兄のドリタラーシトラの息子たちがクルの百王子です。 物語はここから始まります。 パーンダヴァの五王子とクルの百王子という名前を覚えていてくださいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.22 17:07:05
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