今年の購読100円古書リスト
昨年の日記を調べてみると、12月12日に1年間に購読した古書のリストを掲載していた。大型古書店でみつけた100円均一本に限ってのものだが、全部で87册読んでいる。100円古書の質が、決してバカにしたものでもないことを、身をもって知ったわけだ。 さて今年はどうであろう。以下に記してみよう。1)市村玖一『新潟県農業運動史 ―写真史実― 増補改訂版』(創作舎:1982)2)遠藤誠『帝銀事件裁判の謎:GHQ秘密文書は語る』3)ジョン・ラーベ『南京の真実(The Diary of John Rabe)』(エルヴィン・ヴィッケルト編;1997、講談社)4)北村稔『「南京事件」の探究 ― その実像をもとめて』(2001、文藝春秋)5)森村誠一『〈悪魔の飽食〉ノート』(1982年、晩聲社)6)加藤哲太郎『私は貝になりたい ― あるBC級戦犯の叫び』(1994、春秋社)7)外務省編『終戦史録』第1巻・第2巻(1977、北洋社)8)三谷太一郎『大正デモクラシー論』(1974年、中央公論社)9)新人物往来社編『新選組大事典』(1999、新人物往来社)10)加藤周一『私にとっての20世紀』(2000年、岩波書店)11)ギー・ド・ロスチャイルド『ロスチャイルド自伝』(1990、新潮社)12)三輪裕範『ニューヨーク・タイムズ物語 ― 紙面にみる多様性とバランス感覚』(1999年、中公新書)13)間宮芳生『現代音楽の冒険』(1990年、岩波新書)14)岩淵悦太郎『語源散策』(1974、毎日新聞社)15)土方與志『なすの夜ばなし』(影書房:1998)16)水上勉『土を喰らふ日々 ― わが精進十二ヶ月』(1978,1995、文化出版局)17)船越亮二『花木・庭木の整枝・剪定』18)小黒晃監修『ペレニアル(宿根草)ガーデン』(1998、小学館)19)杉本章子『東京新大橋雨中図』(新人物往来社:1988)20)杉本章子『残映』(文藝春秋、1996)21)南條範夫『三世沢村田之助 --小よし聞書--』22)北原亜以子『雪の夜のあと』(1997、読売新聞社)23)平岩弓枝『王子稲荷の女 ― はやぶさ新八御用帳』(1998、講談社)24)平岩弓枝『幽霊屋敷の女 ― はやぶさ新八御用帳』(1999、講談社)25)杉本苑子『永代橋崩落』(1988、中央公論社)26)飯嶋和一『始祖鳥記』(2000、小学館)27)常盤新平『ニューヨーク知ったかぶり』(1989、ダイヤモンド社)28)宮本美智子『女と男のニューヨーク』(1986、中央公論社)29)有吉玉青『ニューヨーク空間』(1993、新潮社)30)淀川長治『映画物語』(1996、KKベストセラーズ)31)木下恵介『戦場の固き約束』(1987、主婦の友社)32)アゴタ・クリストフ戯曲集『怪物』(1994、早川書房)33)小柳伸一『蛇になる女』(1997、近代文芸社)34)ローレンス・グローベル『カポーティとの対話』(1988、文藝春秋)35)半藤一利『漱石先生ぞな、もし』(1992、文藝春秋)36)永倉新八著・木村幸比古編『新選組戦場日記』(1998、PHP研究所)37)ジョージ・ブレイトマン編『マルコムX・スピークス』1993、第三書館)38)マックス・I・ディモント『ユダヤ人 ― 神と歴史のはざまで』(1984、朝日新聞社)39)ディック・フランシス、菊池光訳『女王陛下の騎手』(晶文社:1981)40)半田正夫『著作権法概説』(1990年、一粒社)41)金子量重『アジアやきものの旅』(1979年、新潮社)42)三杉隆敏『海のシルク・ロード 中国染付を求めて』(1984年、新潮選書)43)加藤薫『メキシコ美術紀行』(1984年、新潮選書)44)大久保洋子『江戸のファーストフード』(1998、講談社選書メチエ)45)大木吉甫『フランス美食物語』(2000、調理栄養教育公社)46)清水晶子『ロンドンの小さな博物館』(2003、集英社新書)47)奥本大三郎『東京美術骨董繁盛記』(2005、中公新書)48)G.S.ホーキンス、竹内均訳『ストーンヘンジの謎は解かれた』(1983年、新潮選書)49)金谷治訳注『孫子』(1991年、ワイド版岩波文庫)50)Shakespeare『King Lear』(1968, Cambridge University Press)51)Shakespeare『A Midsummer-Night's Dream』(1968, Cambridge University Press)52)Thornton Wilder『Our Town: The Skin of Our Teeth: The Matchmaker』(PENGUIN MODERN CLASSICS)53)Dick Francis『The Edge』(FAWCETT CREST: NEW YORK)54)Dick Francis『Smoke Screen』(PAN BOOKS)55)Dick Francis『Flying Finish』(PAN BOOKS)56)Dick Francis『Shattered』(PAN BOOKS)57)ノヴァーリス『日記・花粉』(1970、現代思潮社)58)立原正秋随筆集『雪中花』(1996年、メディア総合研究所刊)59)吉行淳之介・山口瞳対談『老イテマスマス耄碌』(1993年、新潮社刊)60)村上世彰・小川典文『日本映画産業最前線』(1999年、角川書店刊)61)黒屋・冨田編『英語科学論文用語辞典』(1986、朝倉書店)62)桃沢・堀内・山村・長谷川編『和英中辞典』(旺文社) 昨年より25册少ない。 じつは、まだ購入するまでに至っていないが、あと29册が加わるかもしれない。愛知教育大学図書館が除籍本を処分することになり、同大学のO教授のお世話で、その抽選に応募したのである。多数の応募があり、希望図書が入手できるかどうかは予断を許さないようだ。結果はまだ分からない。 その29册、もし入手できたとしても、ムーディ勝山のように右から左へ読みこなせるような代物ではない。私が生きているあいだに読破できるとも思えない。しかし私はその本を身近に置いておきたいのである。いまはただ、抽選結果をまちながら、期待せずに期待するという、ヘンテコな気持でいる。