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山田維史の遊卵画廊

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2008年11月の記事

全27件 (27件中 1-27件目)

1

この時季の郵便の中に・・

　若い人にはあまり縁のないことかもしれないが、師走目前のこのごろの時季になると、毎日の郵便物のなかに喪中の報せがまじるようになる。もうすでに数人の知己からそのような御挨拶を頂戴した。御遺族はさぞかし御淋しい年末年始と想いながら、故人の御冥福を祈らせていただいている。　以前、昔昔の旧友の死を知らされて、おしえてくれた友人に電話で詳細をたずねたところ、「人生60歳にもなれば、いろいろあるからなー」と言ったまま後の言葉を濁した。私は、「そうだね」と、詳しく聞くのをやめた。そのときはむしろ、私は、その電話口の友人がそのような人生の感慨を口にするような人物とは思ってもいなかったので、彼にこそ60年の歳月の積み重ねを感じたのであった。　1年ほどたって、私は別な人から死んだ旧友がどのように死んだかを聞かされた。それは驚くべき謎のような死であった。なるほど私に電話でしらせてくれた（それはほとんど口が滑ってしまったというような話だったが）友人が、言葉を濁したのももっともであった。彼は死んだ友人と親しく、日常的に接していたらしいので、謎を残して死んでしまった人について語る言葉を失っていたのであろう。　16～17世紀にかけてのイギリスの詩人ジョン・ダン(John Donne;1572-1631)の詩のなかの一節に、「Death, be not proud（死よ、驕るなかれ）」とある。ダンはイギリス国教会の聖職者であったので、この言葉は宗教的見地から発せられている。　私はこういう考えをむしろ哀れみ、人の死を一般生物の死以外のなにごとでもないと認識する。そこに宗教者との絶対的な違いがある。しかし、私は人間が弱いものであることもよく知っているので、私の考えは私だけのものでよい。そのてんも宗教者との違いであろう。　私は、なぜかしらないが、しばしば臨終の人への接しかたをふくむ心の迷いについての相談をされる。私より年輩のかたが多いので面喰らうが、そういう方々にお話しするのは、御自分の満足ゆくようになさいということである。だから宗教にすがりたいならそれもよし、聖書の言葉に癒されるならそれを読めばよし、なんらかの御経を唱えたいならそれもよし。すべて自分が生きて行くために為すことが、死にゆく者への最大の礼儀となろう、と。　ジョン・ダンが「死よ、驕るなかれ！」と叫ぶのは、誰のためでもない、自分に言い聞かせているのだろう。　死は驕っているのではない。生きとし生けるものが、ひとつの生物的な役目をおわって土になるのである。生命とはそもそも死を内包しているのであり、死を内包していない生命など存在しない。細胞学的には、新生する交替要員をすべて使いはたしたときにその細胞は死ぬのである。死んだ細胞の総体が、もはや生きる人間としての全体をささえきれなくなったとき、人間は死ぬのである。そのプロセスに幻想的に意味をくっつけても、死は死である。　といっても人間は幻想を生きるしかないのも一方の事実。「人生60歳にもなれば、いろいろあるからなー」、まあ、このぐらいの感慨が一番手ごろかもしれない。　　　凩のはては有けり海の音　　　言水　　　凩やひたとつまづく戻り馬　　蕪村

Nov 30, 2008

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自転車乗りの植物学

　気持良く晴れ上がった一日。雨後の空は澄明な青に輝き、東南の山の端にまるで夏の入道雲のような純白のかたまりがむくむくと覗く。　ひさしぶりに自転車をひっぱりだし、2時間半ほどの遠乗りをした。　過日の日記に書いたアカノマンマの群生しているところを通ると、依然として紅色の米粒ほどの穂状の花をたくさん咲かせていた。　とある畠の隅にトマトの蔓茎が支柱にからみついて枯れていた。そのなかに2個の実が、ひとつはまだ青く、もうひとつは日射しが少ないためか橙黄色で、それがかえってうら寂しい感じで枯葉のなかにぶらさがっていた。たぶん他のトマトがすっかり収穫されてしまった後に結実したのであろう。そういえば、夏の頃、その畠のそばにテントを張って、真っ赤に熟したトマトを一山いくらで売っていた。お婆さんが二人で店番をしていたっけ・・・　これも過日書いたけれど、ミカンの木を庭木として植えているお宅の丈高いタチアオイのこと。3メートルは優にあるそれが、今日はさらにみごとな花を咲かせていた。ミカンのたわわな黄色があざやかなその上に抜きん出て、2本のタチアオイに、薄紫の大輪の花が30,40と咲いているのである。微風にユ～ラユ～ラ揺れながら。もちろん地植なのだが、よほど上手に育てているのだろう。なにしろ丈が3メートルもあるのだから圧巻というほかない。　おや？　と思わず自転車を止めたのは、春にタンポポが咲き乱れる土手の斜面に、ステゴビルの白い小さな花が咲いて群がっているのを見つけたからだった。しばしばここを通るのに、いままでそれを見たことがなかった。この野草は、葉が枯れてしまってから秋に細い花茎を出す。高さ20cmほど、茎の先に5,6本の花柄をつけて小さな6弁の白い花を咲かせる。秋の枯れ野の花ひとつないなかで、この小さな花は可憐だが、牧野富太郎博士はステゴビルという名前についてこう説明している。　「（ステゴビルは）捨小蒜でその草が貧弱で食用とする程でないので人がこれを捨てて省みないヒルという意味である。」　食糧がとぼしい時代、人は食用になる野草をさがしもとめたことであろう。そういう観点から付けられた日本名であると気がつけば、植物学の背景にある社会学的な面も気にならないでもない。現代の飽食した都会人は、たとえその飽食が幻想であろうとも、のっけから野草に食い気は動くまいけれど・・・

Nov 29, 2008

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冬草冬木

　冬草というのは冬になっても枯れずに青あおとしている草のこと。冬木とはその逆で、冬に枯れてしまった木のことである。　我家の小庭も、冬草冬木がこもごも。昨日から今朝にかけてふりづいた雨で、すっかり葉を落してしまった冬木のかたわらに、幾つもの長い植木鉢がすっかりカタバミやその多の野草に占領され、わざに野草の茂るにまかせてその小さな花々を楽しんできたのだが、それらが今まさに冬草、青あおとしている。　柿の木の下には花輪莞爾氏邸から5年前に到来した二株の富貴草が、元気に根を張りつぎつぎと子株を殖やし、植えた場所から1m2,30cmも離れたところにも顔を出し、濃い緑の葉をひろげている。「どんどん殖えますわよ」と花輪夫人がおっしゃったとおりになってきた。そのあたりにはカスミソウの種を蒔いたのだが、どうやら芽さえ出さずに消滅しまったようだ。　我家の庭の元来の土は、水はけも悪い粘土質なので、現在育っている植物は手もかけないのによくぞ育ったというもの。毎朝毎朝、落葉を掃き集め、それを木々の根元に置く。自然に腐葉土になるようにというわけだ。ゴミ減量化の一端でもある。

Nov 28, 2008

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鈍い首相によって

　きょうの東京地方は終日の雨、このところ一番の冷え込みだった。普段は薄着の私もセーターにカーディガンを羽織った。外出する予定を変更して、家にとじこもって読書をして過した。　ジョン・キーツ（John Keats;1795-1821）の詩を拾い読みしていたら、英語詩の行く末を案じるこんな句にであった。　「If by dull rhymes our English must be chain'd」　つまり、「なまくらな押韻によって、私たちの英語は鎖につながれてしまうに違いない」と。　いつの時代にも母国語の将来を危惧するような事態はあったのだなぁと、妙な感心をした。　ひるがえって今の日本では、あまりオツムが上等でない者が首相にまつりあげられて、思想も未熟な言葉をいい気になって放言している。官房長官が毎度毎度の尻拭い。政府の記者会見が政策発表ではなく、バカ者の尻拭いなのだから、国民も呆れてばかりいられない。官房長官いわく、「真意を汲み取っていただきたい。これも個性なのだから」　イイカゲンニシロ！　　「If by dull the Primer our Japan must be chain'd」（鈍い首相によって、我が日本は鎖につながれてしまうに違いない）　

Nov 27, 2008

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地上デジタルに変更

　昨日は、家人達がみな外出する予定を前々からたてていたので、この機会にと、私だけ居残ってテレビを地上デジタルに交換し、同時に電話のシステムとインターネットのシステムも変更する作業をおこなった。電話等のシステム変更は、なるべく利用料金の安いシステムにしようと検討した結果である。月額およそ1300円ほど安くなる。生活防衛というわけだ。キャンペーン・サービスということで工事費も無料だった。　ところが、工事が終了して技術者がひきあげた後に、インターネットに接続したところ一向に接続できない。何度も何度も試行したがダメ。結局、ブログの更新もあきらめた。　今朝、電話サポートをしてもらい、20分ほどしてインターネットへの接続が可能になった。なんだかあまり理由が明瞭でない不具合だったが、ともかシステム変更以前のように使用できるようになったのである。

Nov 26, 2008

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樹についてのメモ

〈樹についてのメモ〉「彼らのある者はカシワの大木や、その他の鬱蒼と茂った巨樹を崇拝し、それから神託を求めた。ある者は村や家の傍に聖なる森林をもっており、そこでは小枝を一本折っても罪となるのであった。」　フレイザー『金枝篇』第9章「樹木崇拝」より。

Nov 24, 2008

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わが胸の扉

　　散る落葉斃れし蝶に重なりて　　　青穹　　蝶のごと舞いて屍蝶に落葉かな　　ちりちりと霜は土押し崩れけり　　のろのろと歩めば泪冬めくや　　わが胸の扉もとざす冬構え

Nov 23, 2008

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空飛ぶ猫

　　散り落葉あつめて親の根を覆い　　　青穹（山田維史）　　小さけど笑みたるごとし帰り花　　小屋根へと猫空飛ぶや冬ぬくし　　　　　

Nov 22, 2008

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ランボオと中村草田男

　アルキメデスのように「ユリーカ！（見つけた）」と叫ぶほどのことでは全然ないが、「あるいは？」と思う二つの詩句の似か寄りを見つけた。　一昨日の日記に中村草田男の「木の葉髪文藝ながく欺きぬ」という俳句について書いた。ちょうど今時分の季節、木の葉が散るように頭髪が抜け落ちることを詠んでいる。しかし、私はその意味を、「こうだ！」と言い切るほど明瞭につかんではいない、と。「文藝ながく欺きぬ」とは、いったいどういうことか、と。　私はまた、このところつづけざまに大江健三郎氏の長篇小説を読み直していることも書いた。　昨夜、就寝前にあらたな一冊『取り替え子』を読みはじめた。大江氏の義兄でありまた松山東高等学校時代の級友でもある伊丹十三氏が自殺した事件をめぐり、両者の関係を変名で小説化したものである。小説であるから、書かれていることすべてが事実であるかどうかは分らないし、小説である限り事実である必要もない。そういうイクスキューズをふって読み進めてゆくと、ふたりが高校1年生のときに議論したアルチュール・ランボオの詩『別れ（Adieu）』に触れて書かれていた。　伊丹氏をモデルにした吾良（ごろう）から、彼が自殺したその日、大江氏をモデルにした古義人（こぎと）に宅配便でカセットテープが送られてくる。古義人はまだ吾良の自殺を知らずに、そのテープをヘッドフォーンで聞く。そこには『別れ』が引用されてい、思い出として語られているのである。古義人はときどきテープを一時停止して、吾良と対話するように現在の心情をひとりごちる。・・・やがて古義人は、吾良の自殺を知らされて、このテープが吾郎から古義人への別れのことばであると気がつくのであるが。　さて、とりあえず小説については措く。　私が「おや？」と眼を凝らし、一度ならず二度三度読みかえしたのは、引用されていたランボオの『別れ』の詩句であった。それは大江氏によれば宇佐美斉氏の訳とのこと。いま、私の書庫に『ランボオ詩集』をさがしたが出てこないので、小説からそのまま私が眼をみはった部分を引き写すと、次のようである。　《すでに秋！　---しかしなにゆえに永遠の太陽を惜しむのか。私たちが聖なる光明の発見につとめているのであれば、---季節の推移に従って恍惚の死を遂げるひとびとからは遠く離れて。　　仕様がない！　私は自分の想像力と思い出とを、葬らなければならない！　芸術家の、そしてまた物語作者のすばらしい栄光が、持ち去られるのだ！　　とにもかくにも、嘘を糧にしてわが身を養って来たことには、許しを乞おう。そして、出発だ。　　とはいえ、友愛の手などひとつとしてありはしない！　どこに助けを求めるべきだろうか？》　詩はこの後もつづくのであるが、いまはここまでで充分だ。　このランボオの思想はそのまま中村草田男の「木の葉髪文藝ながく欺きぬ」に反映している！　そのように私は思ったのだ。　いや、あるいは中村はランボオの『別れ』を直接下敷きにしているかもしれない。そうならそうで、また、そうでない場合でも、「木の葉髪文藝ながく欺きぬ」の意味は『別れ』によって明瞭になる。逆に言えば、この『別れ』をよくぞ17音に昇華したことよである。　似ている似ていないでは中村草田男も迷惑だろうが、テキスト・クリティクの体裁もとらぬまま、ともあれひとまず両者の思想的な関連性を指摘しておこう。

Nov 20, 2008

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幕末史こぼれ話

　歴史からこぼれてはいるが、民間に伝わる目撃談というのがある。我家に伝わるこの話もそのようなたぐいのものと言えるだろう。幕末、北海道の松前藩が箱館戦争後に土方歳三に率いられた徳川遺臣軍奇襲隊に攻撃された。13代藩主・松前徳廣（まつまえのりひろ）は城を捨て、わずかな家臣とともに敗走する。その途中のことである。　私が子供のころから聞かされていたこの話を思い出したのは、老母が小さな経本を声に出して読んでいるのを聞き付けたからだ。「門前の小僧、習わぬ経を読む」というけれど、母の読経もそんなようなもので、ただ、母は代々の寺の娘である。この寺は現在も江差にほどちかい現在厚沢部町のかつて土橋といわれたところにある円通寺である。円通寺はもと江差にあり、東本願寺別院の一寺であったが、延寶6年（1678）12月23日未明の火災で焼失。その後、およそ200年途絶えていた寺名を、私にとって曾祖父にあたる巌顕月が土橋に移して再興した。この火災は、松前藩御家騒動の門晶庵事件にまつわる怪談として語られることがある。冤罪を蒙って斬首された柏厳和尚の首を入れて円通寺本堂に運び込まれた首桶が、上述の日の未明に倒れ、ころがり出た首が火を噴きたちまち全寺を焼き尽くしたというもの。　さて、箱館戦争が起ったのは曾祖父顕月の時代。敗走する藩主一行は江差の北方の熊石にむかっていた。そして熊石までおよそ7里の土橋で夜を迎えた。慶応４年（1868）11月5日前後のことであった。　松前藩というのは徳川幕藩体制において常に険しい道のりを歩んで来た。米が穫れないために無石高だった。すなわち幕府からの給付金によって賄われていた。ようやく安定するかと思えたのが、文政4年（1821）に幕府の政策転換により蝦夷地一円の支配が松前藩に復帰し、同時に北方警備の役目を担わされたときだった。しかしその思いも束の間、幕府はきわめて異例のことであるが松前藩に築城を命じ、嘉永2年（1849）に着工し、安政元年（1854）に完成させた。この莫大な出費が藩の財政を窮迫した。　この幕末激動期、松前藩は臣下として幕府に恭順し、一方で勤王方とも連絡を密にしていた。数百年にわたり苦労を重ねてきた藩としては、事態の進展をみまもらなければならなかったのだろう。　しかし、当時のいずこの藩と同様に、財政窮乏のなかで上層部のこの二面性に下級青年藩士は不満を抱いていた。彼等は、若年ゆえにまた生来の病弱ゆえに政務から遠ざけられていた藩主徳廣を擁立し、勤王をかかげて慶応4年（1868）に幕府寄りの重臣たちを殺害し藩政の中核を掌握した。その10月、榎本武揚（えのもとたけあき）と、会津若松から北上してきた土方歳三らに率いられた旧幕府軍が箱館（函館）五陵郭に侵攻した。箱館戦争である。　10月25日、榎本らは五陵郭に入城、一旦は捕虜とした松前藩士に蝦夷地統治に関して協力を依頼する藩主・松前徳廣宛の書状を持たせて使わせた。松前徳廣はこの旧幕付軍の使者となった藩士を節義に悖ると死罪に処し、書簡を黙殺した。榎本は怒り、10月27日、土方歳三に率いられた一隊（700名の精鋭部隊といわれている）が松前城を攻撃するために箱館を出発した。　土方らが松前城に奇襲をかけたのは11月5日の払暁であるが、それ以前に、藩主・松前徳廣は嫡男修廣（ながひろ）、次男敬廣やわずかな家臣とともに城を脱出していた。館村新城に入ったのである。それからさらに一行は先に述べておいたように江差の北方の熊石にむかって逃走した。　一行が土橋にたどりついたとき、氷雨が降っていた。　私の曾祖母はその雨中の逃走の足音を耳にしていた。腰元たちを従えてビシャビシャ、ビシャビシャと音をたてながら小走りに行く。・・・一行は円通寺にほど近い、名主の上戸家（本家）に入った。　いま地理関係を説明するなら、Dという文字の縦棒（｜）を本道とすると、弧なりに小道、その中央内側に円通寺、上方の本道と小道とが出逢うあたりの本道側に上戸家があった。この家は私の母の少女時代はまだ幕末の頃の家構を残していたそうであるが、現在は存在しない（私は今朝それを確認した）。　上戸家に泊まった松前徳廣の部屋から、やがて奇怪な声が聞こえてきた。家来たちは「殿が発狂した」と思ったようだ。しかし、曾祖母はそれを否定して、あれは読経していたのだと言った。大きな声で、一心不乱に読経していたのだ、と。　家臣たちが主君が発狂したと思ったのには、前々から彼等の意識にはある「下準備」があったかもしれない。松前藩はなぜか病弱な藩主が多く、若年で家督を継ぐことがつづいている。11代藩主昌廣が隠居したとき徳廣は5歳だったため叔父松前崇廣が12代に就任、徳廣は13歳で従五位下志摩守に任官し、22歳のときに13代藩主となった。しかし生来の蒲柳の質にくわえて精神病であるとされ、政務は重臣たちの意のままにされた。徳廣が病弱だったことは確かだとしても、精神病だという風評があったことは、実際そうであったかどうかは疑問である。私は専横な重臣たちの陰謀のような気がしている。榎本武揚の書状をたずさえてきた家臣を処罰した倫理的潔癖さに、精神病を疑うことはできない。　翌朝も荒天はつづいていた。上戸家を発った藩主一行は熊石に着いた。そこから漁船に乗り津軽藩をたよって船を出した。　松前徳廣は津軽にたどりつくと、11月24日に弘前陣営の薬王院に入った。しかしその5日後、持病の労咳が悪化し、25歳でその地に客死した（後註）。　子供のころ私に幕末の上戸家での出来事を話してくれたのは母と祖母であった。この事があったのは、祖母が生まれる6年前で、祖母が円通寺の嫁になって曾祖母からこの話を聞いたのは箱館戦争からちょうど20年後のことだったようだ。祖母はそのとき14歳だったという。　私は現在、土方歳三の生家にそれほど遠くないところに住んでいる。彼が新選組に入隊以前に剣術の朝稽古に立ち寄ったという高幡不動境内の山中にもときどき自転車の遠乗りで訪れる。そして彼が戊辰戦争時に会津に助力するために向ったその会津若松で青春時代を過した。彼が逗留した清水屋旅館の跡地は現在の市の中心部で、もちろん私のお馴染みの場所である。そして彼が攻め寄せた北海道松前。・・・なんだか妙な因縁で、私はこの三角点をうろちょろしているようだ。【註】　旧記『松前藩主歴代』によれば享年を「御年二十九年」と記す。和本5丁（内2丁無文字）手書の同書は、扉に「文政十丁亥年十二月吉祥日」「松前藩主歴代」「大澤照浮保存」と記されている。文政10年は1827年であるから、松前徳廣が亡くなった慶応4年（1868）まで40年間にわたって書き継がれたこととなる。しかし私が見るところ、書き起しから末尾まで同一書体でまったく文字の乱れなく、そこに40年間の時間の経過を窺えないのである。記述は歴代藩主の戒名と俗名および享年を記すのみであるから、上に示したように享年に錯誤はあっても内様に大過無いものである。が、「文政十丁亥年十二月吉祥日」という記は、一応疑ってみるべきものであろう。　

Nov 19, 2008

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木の葉髪

　「木の葉髪」という言葉がある。現在はほとんど使う人もないだろうが、ちょうど今頃の季節、木の葉が舞い散るように人間の髪も普段より多く抜ける、そのことを指している。　と云っても、そんなことに気がついたり感慨にふけったりするのは、ある程度の年輩であろう。私の友人達も63歳ともなれば、木の葉髪どころではない乾燥の大地と化している者も少なくない。私は、幸いと云うべきか、頭髪のことなど特別気にもしていないが、白髪はまざるようになったものの額は後退せず、ときどき伸び過ぎて鬱陶しくなった髪を、自分でバサバサ切っている。切りすぎて、家人に「アララ！」と呆れられる。　自分の髪がまだ豊かなのを、友人達に当てつけがましく自慢するために、これを書きはじめたのではない。　俳人中村草田男（1901-1983）に、　　　木の葉髪文藝ながく欺きぬ　と云う句がある。　この句をどう解釈すべきか私はわからず、毎年この時季になると思い出して悩むのだ。　意味が明瞭にならないのに、なんとなく凄まじい気配を感じる。髪が抜け落ちるのを気にするこの年まで、自分は俳人として文藝「を」長きにわたって欺いてきた、という意味であろうか。それとも、一心不乱に文藝にいそしんで来たので、いまこのように髪が抜け落ちるまで、人生の秋にいたっていることさへ自らに欺いて来た、と云っているのだろうか。　いずれにしろ、「文藝」を「画藝」に変えてつぶやくと、謎は謎のままなりに、私はそぞろ身に沁む秋の風なのである。御若い方にはお分かりにならないことであろう。

Nov 18, 2008

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狂い咲き

　取引先の会社が顧客に配る来年のカレンダーがとどいた。早いところではすでに10月初め頃にとどいているが、あまり早くてもピンとこない。頂戴してありがたいのに、身勝手なことを言う。　東京は週半ばあたりから冷え込みが予想されている。やはり商人は情報に聡いと思うのは、冷え込み予報が出たとたんに、灯油販売の車が住宅街を巡回する。我家のあたりには販売店が3軒あり、お得意さま獲得にしのぎを削っているらしいのだ。情報に聡くなければ商売あがったりなのだろう。　庭の木々も色付き、さかんに散りはじめている。毎朝、落葉掃きをし、その葉は外から目立たないところの樹の根元に捨てる。それはやがて腐葉土となってゆく。　先日、なんだか季節ちがいの花が咲いていると書いたが、躑躅などは二度咲きしている。近所に白い花をつける躑躅を生垣にしているお宅がある。毎年5月頃に大振りな純白の花が一面に咲いてなかなか見事なのだ。ところが、夕方、そのお宅の前を通ったら、その純白の花がまた咲き始めているのである。そればかりかタンポポまでこれ見よがしに咲いているいるではないか。　ツツジはたいていは落葉樹なのだが、リュウキュウツツジ（シロリュウキュウ）のように常緑樹も意外に多い。だから件のお宅のツツジが濃い緑の葉をしげらせていても一向不思議ではない。しかしいずれも開花期は春から初夏にかけて。初冬に花を咲かせる種類を私は知らない。このお宅のものはリュウキュウツツジだと思うが、やはり狂い咲きとしか考えられない。　地球温暖化（暖冬）の影響で、これから数年数十年さきには桜が咲かなくなるかもしれないと言われている。園芸品種として人工的に性質を捩じ曲げられた植物はともかく、自然に生育している物は自然の摂理にしたがっている。それが狂うということは、大きな、危険な問題をはらんでいる兆候とみるべきかもしれない。

Nov 17, 2008

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連鎖する樹のイメージ

　つぎつぎと大江健三郎氏の長篇小説を読み直しているのであるが、今朝、目覚めと同時に枕元の一冊を手にとり、そのまま床の中で最終章を読み終えた。それは『新しい人よ眼ざめよ』だった。そのほとんど終りに、大江氏がかつてハワイの夜の暗い庭で「雨の木（レイン・ツリー）」を見たこと、そしてウィリアム・ブレイクが描いた「生命の樹」を連想する経緯が書かれている。大江氏が見た「雨の木」は次のように描写されている。　《その暗闇の大半が、巨きい樹木ひとつで埋められていること、それは暗闇の裾に、これはわずかながら光を反映するかたちとして、幾重にもかさなった放射状の板根がこちらへ拡がっていることで了解される。その黒い板囲いのようなものが、灰青色の艶をかすかにあらわしてくるのをも、しだいに僕は見てとった。板根のよく発達した樹齢幾百年もの樹木が、その暗闇に、空と斜面のはるか下方の海をとざして立っているのだ。》　イメージの喚起力ある描写が、たちまち寝床にいる私の目の前に巨大な樹木をつっ立てたのだったが、じつはその準備のようにも、私の気持には樹木の気配というか森の幻影がつくられつつあったのだった。　先日深夜、花輪氏と電話で長話をしたことはすでに書いた。そのとき、話は日本人論から森の有り様にひろがってゆき、そこで花輪氏がつぎのように言ったのである。　「日本の森というのは、喬木と潅木とが混在し、蔓草などが根元にまとわりついて光りをとざし、いわゆる木の下闇をつくって暗いわけだ。しかしヨーロッパの森は、北方ドイツの黒い森の例はあるものの、だいたいのところ樹間が透けて見えるわけ。光が根元まで射し込むわけだね。樹冠の下が空間的にひらけていて明るいのよ」　「ああ、それは、私はパリ周辺の森で気がつきましたねー。もちろん森といっても公園として整備されているので、そのぶん割引かなければならないとしても、光が乾いていて、なんというか樹木の下が光の粒子がはじけているような感じなんです。あのような森の樹木の下の光は、日本では見たことがないですねー」　「そうなんだ」　と、こんなことを話していた。　この深夜の話が、ひとつのぼんやりしたイメージを私の想いのうちに喚起しつつあったわけだが、それが呼び水であるかのように、今朝、大江氏の文章に行き当たったのである。　私は20代の半ば、イラストレーターになろうと決心し、しかし大学で法律を学んだ者としては何をどうすれば職業としての絵描きの道がひらけるのかもわからず、ただ煩悶するばかりで、ほとんど絶望的に自分の命のエネルギーも枯渇したような日々をおくっていた。1970年から73,4年にかけてだったが、私は自分の枯渇したエネルギーを掻き立てるように「樹」の素描を繰り返していた。嵐の深夜、寝床を起きだして、柳の大木が大風のなかで狂乱のごとく空中に撓る枝をふりまわしている様を視にいったのもその頃である。私は、何かに縋るなどということのない人間だが、このときばかりは「樹の生命力」に縋ろうとしていたのかもしれない、と今にして思う。いや、そういう過去の振り返りかたを、花輪氏との話にはじまり大江氏の「雨の木」ないしブレイクの「生命の樹」にいたる、実際のところ、まったく偶然の連鎖なのだが、しかし強く連鎖を意識したのだ。　私は、ふたたび、自分の絵描きとしての出発当初にあった「樹」へ立ち返ってみるべきなのかも知れない、と思いながら。

Nov 16, 2008

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ミニマルとマキシマルとが互いにフィードバックすること

　このところ大江健三郎氏の長篇小説を机の上に積んで読み直しをしている。若い頃のように一册を一日で読了する早さも勢いもなく、三日四日かけて読みおわるという具合だ。　　しかし、年をとることが良いのは、若い時に見落としていたもの読み取れなかったことが、まったく新しい様相でページの其処此処にたちあらわれることだ。あるいは当方にもそれなりの知識の蓄積ができていて、その部分で感応したりフィードバックすることに気付く。たとえば大江氏がウィリアム・ブレイクの詩句に触発され、その詩句の読み込みの作業を、自らの私生活の諸問題の苦難を希望の窓へとみちびく発見の道程に重ねてゆくことなどは、私自身が大江文学とはまったく関わりがないところでブレイクを原語で読みはじめたことによって、新しい意味をもって理解するのである。　大江健三郎氏の小説群は、ミニマルとマキシマルとが互いにフィードバックするところに最大の特徴がある。それは日本の文学史のなかで断然屹立している。ここでは私小説が、つまり〈個人的体験〉が、世界の今起っている苦難と重なる。個人的な苦難の解決への模索が、人類社会の苦難から脱出できるかもしれないという希望のメッセージへと大きく変化してゆく。たとえ押しつぶされそうな危機にあっても、希望の光はうっすらと射している。大江文学の主調は〈希望〉の探索なのである。　大江氏の小説は「日本の文学史のなかで断然屹立している」と私は述べたが、大江文学や大江氏個人を攻撃する論者は、おおむねマキシマリズムに立脚してその論を展開しているようだ。つまり自らのじつは抜きがたくあるミニマル性をそのときすっかり失念しているのである。　弱者の理論はときに強者の理論に容易に転換するのであり、強者の理論はその強さゆえの弱さが露呈するものである。まことに人間社会というものはやっかいなものである。現代社会はそのやっかいさがいよいよ先鋭化している社会である。大江文学が「日本の文学史のなかで断然屹立している」と私が言うのは、その現代社会のやっかいさをまるごと捉えようという大江氏の営為、とみなすからだ。　文学においてマキシマルを描こうとすれば、それはきわめて観念的小説世界になってしまうであろうことは、小説を書いていない人間にも想像がつく。大江氏は、だれも糾弾できない現実の苦難（凡百の心身論など顔色無さしめるような）を私生活にかかえているため、その苦難に対応する日常は誠実であればあるだけ断じて観念的ではあるはずがなく、そこを核として、御自分が生れ育った四国の谷間の森の村を呼応させ、さらにその波紋は、たとえばウィリアム・ブレイクの詩句を媒介にして、世界へとひろげてゆく。また、世界の問題は、たちまち〈個人的体験〉へと収斂するのである。　この小説構造は、ストーリー・テーリング（物語り）の面とエッセイ（随筆）の面と、リテラリー（文芸批評）、ソーシャル・クリティック（社会批評）等々をあわせもつ特異なものである。　そしてそれを可能にしているのは、私のみるところ、あの（評判のよくない）文体である。美しい日本語ではない、という指摘が大江氏の作家としての出発当初からあったことは広く知られることだ。が、その評判のよくない美しくない日本語で、曖昧性を極力排除した、世界を論理的に語りうる日本語を構築したことは、すくなくとも私は大江氏の功績であると思っている。曖昧で非論理的、なにを言っているのだか分らない美しくない日本語は洪水のようにあふれているのだから。　さて、なぜ私がいま大江氏の小説群をつぎつぎに読み直しているかというと、ずっと述べて来た「ミニマルとマキシマルとがフィードバックする」その事を、これまでよりずっと深く意識化しようとしているのである。なにかドキドキする胸の高鳴りを感じながら。

Nov 15, 2008

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神々しい光景

　しばらくぶりの快晴。二階の仕事場の窓を開ければ、遠く近くの家々のベランダに洗濯物がさがっている。　午後、散歩に出て、いつものように塀越し垣根越しに人様の家の庭木をながめながら歩いた。　先日初めて見かけた楕円形の青い果実を、これは何だろうとおもって通り過ぎたのだが、今はそれが遠目にもはっきり花梨（カリン）だと分るのだった。黄色く色づいて、収穫するなら今だろう。　門から玄関に至るアプローチの片側に蜜柑を植えているお宅がある。食べるためではなく、庭の植栽として楽しんでおられるようだが、とても上手に育てていて、クリスマスツリーのような明るい華やかさがある。ミカンは種類が多いので、それが何と言う種類かは遠くからは分らない。　その数本のミカンの樹の後方に、やたらに丈の高いタチアオイが大柄な花を咲かせているので驚いた。たしかに植物図鑑にも2.5m内外になる、と書いてある。が、この家のタチアオイは二階の窓にとどきそうなほどである。しかも、タチアオイの開花期は6月頃なのだから、初冬に幾つもの見事な花を咲かせているのは、どうしたことだろう。　ところで、我家には、やはり二階にとどくほどにおおきくなったダイダイの樹がある。ところが不思議なことにというか、まったく愛想が無いというか、花も咲かなければ実もならない。太く、でっかいトゲに、常緑の葉の根元に翼のある特徴ばかり誇示して、年がら年中、濃い緑のまま突っ立って、毎年、図体ばかりでかくなるのだ。しかも我家の誰も植えた覚えがない、と言う。　こんなおかしなダイダイなのだが、取り柄がないわけでもない。ときどき私の絵のモデルになっているのである。冬枯れて緑の葉のないときに、葉の照りぐあいとか葉の付き方などのヒントにする。2,3日なら机の上に置いておいても日持ちがするのである。　それにしても、何故、花も実もつけないのだろう。　午後4時過ぎに帰宅すると、その樹のすぐ背後の石垣が直径5,60cmほどの円形に光っていた。まるでダイダイの樹に後光が射しているようだった。私はその意外な光景に、初め、何が起ったのだろうと思い、ポカンと見つめていた。じつは夕陽がどこかに反射して、その反射光がダイダイの樹を越して背後の石垣をまさにダイダイ色に染めているのだった。それはきわめて稀な偶然の現象にちがいない。なにか神々しいほどの光景である。私は一度玄関の内に入り、ドアを閉めたのだが、すぐさま再び開けて、まるで確認するかのようにその円形の夕映えの反射光を見たのだった。

Nov 13, 2008

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夜中の少年たち

　いま電話を切ったところだ。小説家の花輪莞爾氏からの電話。2時間余も話していたか。　何を話していたか？　いろいろね、あるんですわ、生き方、死に方の問題ですからね。　私はやさしいけれど（自分で言うので値打半分だが）、厳しいし激しい。言葉に注意して口から出任せは決して言わない。そういう自己鍛練をしてきた。一瞬のうちに幾通りものことを考える脳はまだ衰えていない。だが、歯に衣は着せない。「70歳過ぎの人間に、そのような指摘をする人はなかなかいないよ」と、花輪氏が呆れてなのか耐えきれなくなってか、あるいは感きわまってか、それとも喜んでいるのか、・・・おそらく、そのすべてが入り混じった感情で言うのである。　小説でも絵でも、創作というものは、己がおそらく生得的にもっているもの以外で書くことも描くこともできない。花輪氏の小説を読めばすぐに分ることだが、その小説は花輪氏の生理と精神と密着している。私の絵も私自身の生理と精神に密着している。　「その日その時に完結している作品」と私は言う。「観客にとって、読者にとって、作者の生の連続性なんて何ほどの意味をもちますか！」と。「そんな鬱陶しさを押し付けるつもりは私はありません。キリキリと生きたいんですよ。・・・作品のなかで自作の引用なんてしない。自己解説などしない。ウジャウジャしない。・・・花輪莞爾の私生活なんてどうでもいい。死後に、作品によって花輪莞爾を再構成させればいいんです。ひとつひとつ完結した数珠玉のような作品を背負って、野垂れ死にでも頓死でもすればそれでよしなんです。とにかく未生の作品のお品書きのようなものを書くのはおやめください。まあ、これは私自身に言っているわけですが」　そして、話は蜿蜒とつづいていったのである・・・まるで少年たちの議論のように。花輪氏は、「書生ッぽ」と言うのだったが。

Nov 12, 2008

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ドリーム・パッスト・アウェイ

　先日、芭蕉忌を前に詠んだ俳句を英語のHaikuにしてみた。 The following five haiku(s) commemorated and were written for the anniversary of Matsuo Basho's death. Matsuo Basho(1644-1694) gave high literature nature to the HAIKU. He built the haiku, travelling, and died of an illness in Osaka in the middle of the trip. He was his 51 years old. It was November (in the solar calender).Dreams passed awayA dreary field --- witheredin November(in Japanese)Yume saritekareno ya shioruSigure-zuki-------------------------Whom do you think of?---at a last momentA flying hawk!(in Japanese)Taga koto woomou matsugo yaTaka wataru------------------------A chilly windIt crosses the Styxin stark-naked!(in Japanese)Kogarashi yaSanzu wo wataruragyou kana------------------------One and now three,Flower of Thea falls ---andThe letter's arrived(in Japanese)Hitotsu mitsuCha no hana ochitefumi kitaru------------------------The day of winter;---a crow cried onceIt is growing dark(in Japanese)Fuyu no hi yakarasu hitotsu nakikurenikeri-----------------------------------Copyright (c) 2008 Tadami Yamada. All Rights Reserved.

Nov 10, 2008

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日野市幻の真慈悲寺遺跡発掘

　きょうは、日野市百草の、鎌倉時代の真慈悲寺の遺構ではないかと推定される発掘現場での説明会に行ってきた。同市の「幻の真慈悲寺」調査事業推進プロジェクトが平成18年9月以来おこなってきた発掘の成果を現場で公開したのである。　真慈悲寺とは、史料においてはただ3か所（ないし4か所）に記述があるものの、その実存遺跡が確認されないでいる鎌倉期の相当大規模な寺院である。　その三つの記述とは、鎌倉幕府の公式記録である『吾妻鏡』の文治2年（1186）2月3日の条に、　「武蔵ノ國真慈悲寺ハ御祈祷霊場也。然レドモ未ダ附スル荘園ヲ寄附無キニ依リ、佛ハ供具（くぐ）ノ備エ無ク、僧ハ衣鉢ノ貯（たくわえ）ヲ失ウ。ココニ僧有尋（ゆうじん；僧の名前）今日参上シ、一切経ヲ当寺ニ於イテ安置シ、破壊（はえ）ヲ修理スベキノ由（よし）。申シ請（う）クルノ間、則（すなは）チ院主職ニ補セラルル所也」（注：原文の漢文を山田が読み下した）　と在り、この記述がもっとも古く、次いで同じく『吾妻鏡』建久3年（1192）5月8日の条。この日、後白河法皇の四十九日法要が鎌倉の勝長寿寺で営まれ、鎌倉近在の寺から100名以上の僧があつめられた。そのなかに真慈悲寺から3名の僧が参列したとある。この記事でさらに注目されるのは、真慈悲寺が、浅草寺ならびに国分寺と同格にあつかわれていることである。すなわち現在も存続する東京浅草の浅草寺の規模から推測すると、真慈悲寺が武蔵国内における大霊場であった可能性がある。　三つめの史料は、現在、遺跡発掘現場近くの百草八幡神社に所蔵されている、金銅造阿弥陀如来座像（国指定重要文化財）の背中に刻まれた建長2年（1250）の銘文である。　この阿弥陀如来像は、建長2年7月、「皇帝」（後深草天皇）、「日本主君」（将軍藤原頼嗣）、「當國府君」（武蔵守護北条時頼）、「地頭名主」らの安穏泰平と子孫平安、先師および父母たちの冥福を祈って、施主源氏、願主慶祐により「武州多西吉富真慈悲寺」に入れた、と記述されている。　ここで「施主源氏」とあり、日野市郷土資料館発行の資料では、「〈施主源氏〉とあるから、この造立者が源氏を称する女性であることがわかる」と説明している。　しかし、一概に女性とは断定できないというのが私の考えである。「源氏」というのは皇族が臣下にくだって、朝廷から賜る氏をいうのである。すなわち「源氏」とは皇族ということであって、歴史的には村上天皇から出た村上源氏であるとか清和天皇からの清和源氏などがあり、必ずしも女性ではない。女性の場合は内親王や女王が「女源氏」と云われた。　さて、真慈悲寺という名称が登場する史料はもう一つある。それは高野山の書き付けのなかに出てくるのであるが、この真慈悲寺が武蔵國多西郡吉富の真慈悲寺のことであるかどうか、それを繋ぐ糸はいまのところ見つかっていない。　と云うわけで、上記三つが武蔵國多西郡吉富の真慈悲寺の史料ということになるが、真慈悲寺について言及する記録はその後ぷつりと消えてしまう。すなわち真慈悲寺は僧有尋によって鎌倉幕府の御願寺として復興をはたしたものの、幕府滅亡とともに、まさに幻の寺院になっているのである。　真慈悲寺は何処に在ったのか？　「武蔵國多西郡吉富郷」は、15世紀の『香蔵院珍祐記録』（鎌倉八幡宮蔵）によると、「吉富六ヶ村」「関戸六ヶ村」と呼ばれ、鎌倉街道の要地、現在の多摩市関戸、府中市中河原と鹿子嶋を含んだところ。また、阿弥陀如来蔵の背銘により、百草も吉富郷に含まれていた可能性がたかい。　ここでいよいよ遺跡発掘調査現場におもむくわけだが・・・　この現場は京王電鉄が管理する百草園という公園の近くであるが、この百草園は江戸時代初期には桝井山松連寺という寺院が在ったところで一帯は丘陵山林がひろがる。桝井山松連寺はやがて荒廃し、享保2年（1717）に慈岳山松連寺として再興されるが、明治元年の廃仏毀釈令によって廃寺となっている。この山の麓には東光寺という寺院もあったのであるが、それも同じく廃仏毀釈令によって廃寺となった。この丘陵つづきの高幡には高幡不動金剛寺が在り、この丘陵一帯が13世紀ないしそれ以前から一大霊地であったことは確実である。　廃寺となった慈岳山松連寺の跡地は、明治19年に同地出身の貿易商青木角蔵が買い取り、翌20年に百草園を開園し、昭和32年からは京王帝都電鉄株式会社（現・京王電鉄）の社有地となり同社は梅林として整備し現在に至っている。　この百草園に隣接した山林地に東京電力の研修センターがあり、かつて東電学園と称していたのであるが、この場所が発掘現場である。　そもそもの起りは昭和40年ころに遡る。東電学園の教師が生徒たちのオリエンテーリングのコースをもとめて山林を歩き回っていたところ、人工的と思える石組を発見した。その人はその地面を掘ってみると、ほぼ完璧な焼物の壷が出てきた。後にその壷は13世紀の常滑焼の蔵骨器と判明する。つまりその一帯が僧侶の墓地なのではないかと考えられるようになった。　じつは今回その壷をまぢかで見ることができたのであるが、中に5ミリ角くらいの骨片と思われる物が入っていた。発見時には土がつまっていて、発見者が掻き出してしまったので、のちに研究者たちがようやく小さな骨片らしき物をが内部にくっついているのを見つけたのであった。　平成3年に百草園内から13世紀中頃から後半にかけてのものと見られる約5,000点にもおよぶ瓦が出土し、当時としてはきわめて数少ない本瓦葺屋根の寺院が存在していた可能性がでてきた。　こうしてようやく平成18年になって日野市に調査プロジェクトが創設された。　そして今日までに、蔵骨器が発掘された場所近くの人工的な平場から128基の掘立柱の穴が発掘されている。この平場は丘陵斜面の古い関東ローム層の上に斜面上方の切り崩した黄土を盛って造成されている。同様の平場とみられる地が近くに数カ所存在する。　今回発掘現場の柱穴は、その多さから、また建物の平面図をすぐさま見てとれないほど入り乱れているので、何世代にもわたって多くの、たとえば御堂のような比較的小さな寺院附属の建築物が建てられてきたのかもしれないという。　小さな瓦片数点と完璧な北宋銭1個も発見された。北宋銭は「崇寧重寶」と推定されるが、この貨幣の北宋での初鋳は1103年で、その後、日本に輸入されている。瓦は通常の遺跡発掘では重要な手がかりになるものである。寺院の名称が刻印されていたり、紋様が刻まれているからであるが、この発掘現場の手がかりになるような瓦は出ていない。　ここにどのような建物がどの程度の規模で存在していたかは不明ながら、その後、おそらく江戸時代18世紀以後の土地利用を物語る炭焼窯の遺構が2基発掘された。炭化物は出土しなかったが、生粘土で隅角の基礎を築きさらに粘土で窯を造ったとみられ、基礎部に黒く炭化痕を残す。焚口の壁が高熱で焼成化している。煙出しは窯の低部から立ち上がっており、2基の窯のうち1基はその煙突部が円筒形に陶器状に焼成化しており、現状は土がつまったままになっている。　この炭焼窯は真慈悲寺と結びつくものではなく、江戸時代にはこの近在でつくられた炭が江戸城に運ばれていたので、そのような遺構なのかもしれない。また、昭和の戦前まで時代をのばすこともできそうで、そのてんに関しては今後聴き取り調査が必要と考えられている。　これまでの成果をまとめれば次のとおり。【出土遺構】　　●炭焼窯　2基（江戸時代末？～昭和戦前？）　　●柱　穴　128基【出土遺物】　　●常滑焼の甕の破片　7点（12世紀後半～13世紀代）　　●常滑焼の片口鉢の破片　4点（12世紀後半～13世紀代）　　●北宋銭　1点（「崇寧重寶」か？　初鋳は1103年）　　●中世かわらけの破片　6点（鎌倉時代頃）　　●縄文土器の破片　2点　いったいこの百草の丘陵地帯にどのような伽藍が配置されていたのか。そして、それが真慈悲寺なのであるかどうか。いまだこの寺は「幻」のままである。　

Nov 9, 2008

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初時雨に芭蕉のこと

　きょうは立冬。11月は時雨月ともいうが、その名のとおり東京は朝から雨が降っている。初時雨である。　松尾芭蕉に、「けふ斗人もとしよれ初しぐれ」という句がある。わかりやすく書き直すと、「今日ばかり人も年寄れ初時雨」。冬の寒空から落ちてくる初時雨、人々はみな身をちじめて、なんだか年をとってしまったようだ。まあ、さもあらん、今日ばかりは年寄りなさんせよ。と言うようなことだろう。　11月3日の朝日新聞に、大きな文字で「芭蕉　動揺」と出たので、何事かと思った。　山形市の山寺芭蕉記念館を運営する山形市文化振興事業団が、いままで存在が知られていなかった松尾芭蕉の手紙を発見した。国文学専門家の鑑定により、芭蕉自筆の手紙であると断定。　それは「奥の細道」の旅に出る2ヶ月ほど前の元禄2年（1689）潤1月20日付で、おそらく江戸に在住した武士「金右衛門」に宛てたもの。旅に同行する予定だった門人の路通（ろつう）が、17日に突然江戸を去って上方に行ってしまった。「昨日より泪落しがちにて」と、いささか尋常でない動揺ぶりがつづられている。　この手紙の発見が重要な意味をもつのは、「奥の細道」の旅に実際に同行した曽良（そら）がじつは路通の代りだったこと、そして路通に何が起き師芭蕉にとって重要となるはずの旅への同行を出発直前になってキャンセルし、そればかりではなく江戸を去ってしまった「事件」という新しい謎が出て来たことである。おそらく路通は芭蕉に何も告げずに姿を消すようにいなくなったのであろう。　　山形大学大学院の山本陽史教授（近世日本文学）は、新聞によれば、芭蕉は路通の才能を評価していたので「門人たちの間であつれきがあったのかもしれない」と推測している。　芭蕉にとって泣くほど悲しいこういう事前の事件があったとなれば、『奥の細道』に対する鑑賞的意味合いが少しちがって来るかもしれない。　この手紙は山寺芭蕉記念館で開催されている『芭蕉・蕪村・一茶』展で16日まで公開されているそうだ。　さて、11月はその松尾芭蕉の亡くなった「芭蕉忌」でもある（陰暦10月12日）。元禄7年、旅の途中の大阪で病没した。行年51。　　そんなことを思いながらしばらくぶりに私の拙い句を五つ。　　夢去りて枯れ野やしおる時雨月　　　青穹（山田維史）　　誰（た）がことを想う末期や鷹渡る　　凩や三途をわたる裸形かな　　一つ三つ茶の花落ちて文来たる　　冬の日や鴉ひとつ鳴き暮にけり　

Nov 8, 2008

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スキャナー突然不具合に

　スキャナーの反射原稿の取り込みと画像転送に、突然不具合が生じるようになった。透過原稿（フィルム原稿）の場合は異常がない。6年間使用してきたのでここでオシャカかと、ガッカリした。　ともかくメーカーに電話を入れ、それから車でメーカーの修理工場へ直接持ち込んだ。不具合画像をプリントして見本として持って行った。　「ご指摘のとおりの不具合です」と、修理をしてくれる事になった。　ハウジング・アセンブリ・アッパーという部品の不具合なのだという。さすがメーカーの修理は完璧。ふたたび綺麗な画像が取り込めるようになった。良かった良かったというオハナシである。

Nov 7, 2008

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矢島美容室が面白い

　「矢島美容室」がおもしろい。　とんねるず＆DJ.OZUMAのユニットで「ネバダカラキマシタ　ニホンノミカタ」を歌っている。歌がどうのこうのと言うのではなく、TV芸としてのパフォーマンスに圧倒的な破壊力をひめた笑いがある。先日、私は「食わず嫌い」という言葉について書き、石橋さんと木梨さんの番組に触れた。「矢島美容室」はその番組からうまれた企画である。　私はお笑いが好きで、TVを見るとしたら、映画かお笑いがメイン。ひとりで声をあげて笑っているのである。とはいえ、近年のお笑いは、私にはクラスのお誕生会の余興ていどの芸としか受け取れない。わざわざ時間をつぶしてTVで見るほどではない。ある芸人が、街中で子供達にせがまれて持ちネタのギャグをサービスで披露してあげたところ、子供達はシラーッとして去って行ったという。「なんでやろー」とその人は不思議がっていた。TVの小さな箱のなかで周りがいろいろお膳立てしてくれて演るのとは違って、子供達も自ずとそのスカスカな（無）芸に気が付いたのであろう。もっとも、たとえ子供達が笑い、子供達に人気があったからといって、そこに芸があるとは私は思わないのだが。　「矢島美容室」は、TVというものがどういうものかを知悉した「とんねるず」が、予期せぬ行動で思うがままに振舞ってみせる。その破壊力がちゃんと芸になっている。石橋さんの（やさしい）暴力性を木梨さんの緻密さで素早くフォローして笑いに変えてゆく。その絶妙なバランスが嫌味なく見ていられるのだ。　昔、「お笑いスター誕生」から出て、オールナイトニッポンのパーソナリティーとなったばかりのころは、破壊力は芸に昇華されるまえに図に載った若者の傲慢さが先に立っていた。しかし「矢島美容室」を見ていると、「うまく年を重ねたなー」という思いがする。　この企画は、私はたまたまその日もTVを見ていたのだが、「食わず嫌い」のコーナーにゲスト出演したDJ.OZUMA氏と意気投合して、ひょんなところから実現したのではなかったか。思いつきを「矢島美容室」という形にもっていったプロデュース力、その感覚に感心させられる。またひとたびスタートしたら、必ず世間を巻き込んでみせるという、そのプロモート力にも感心する。それらすべてのことがTVパフォーマンスとしておもしろいのである。　ついでに言えば、木梨さんの今日のドレス（彼等は奇怪なアメリカ娘に扮している）は、たぶん三宅一生のデザインではないかと見た。そういう金のかけかたもいい。ゲテモノを演るのに、安物のペラペラ衣装では、その時点でこの芸は失敗していただろう。　私はこれからしばらくは、「矢島美容室」で大笑いするだろう。

Nov 6, 2008

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秋の実りの贈物

　早朝からなんだかんだと休む暇もなく忙しく、さきほど午後3時ようやくコーヒー・ブレイクとなった。そこへ玄関チャイムが鳴って、会津の清水和彦先生から秋の実りの贈物。　先生、いつもありがとうございます。青木山のあたりを目に思い出しながら老母と頂戴いたします。　昔、中学生のころ、まだ学生寮にいたころですが、寮の高校生たちと青木山へハイキングに行きました。頂上から望むと向側が背焙山です。そのときの写真が残っていまして、私はスケッチブックをたずさえて行ったらしく、私がスケッチするところを皆がのぞきこんでいます。ああ、そうですそうです、それは5月ころのことで、青木村の村道に山吹が咲いていたのを思い出しました。先生が指導された中学校のマラソン大会もたしか青木村を通りましたね。あのころ私はスポーツ苦手のヒョロヒョロした少年でしたから、実際あのマラソンはきつかったです。それでもなんとかビリにもならず完走したことも思い出しました。　先日、Eさんからのメールに、会津の秋は紅葉もおわりかけているとありました。まもなく冬支度ですね。　　閑話休題　ちょっと自転車で近くまででかけ、帰りに山際の道を通ると、道のまんなかを真っ黒な毛虫がちょこちょこ急ぎ足で歩いていた。ヒトリガ科のヒトリガの幼虫(Aretia caja Linne, larva)である。体長約6cm。ほとんど真っ黒にちかい長い毛が密生している。そのため丸々ムックリした感じで、クマケムシという異名がある。だれが言い出したかは知らないが、うまい名前だ。　この毛虫、これから冬支度に入るのであろう。ヒトリガという名称の由来は、「灯取り蛾」なのか「独り蛾」なのかなどと思いながら、急ぎ足で過ぎ去るのを私は見ていた。

Nov 6, 2008

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オバマ氏当確

　さきほど午後1時過ぎ、ABC・NEWSによればバラク・オバマ氏が当選確実となったようだ。アメリカはその歴史はじまって以来の初めての黒人大統領が誕生する。また民主党は8年ぶりに政権奪還した。さて、混乱をきわめている世界情勢はどう変わるのか。戦場の地獄図は少しでも解消するのかどうか。アメリカが発端となった世界経済の破綻は回復するのかどうか。どん底は来年8月頃までつづくであろうという予測もあるが。　政治の面ではまったく世界のイニシアティブをとれないニッポンだ。またもや黒船待ちか。

Nov 5, 2008

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オバマ氏かマケイン氏か？

　アメリカ大統領選挙の投票が東海岸側から始った。他国のことながら私も気になって、CNN・TVを見たりBBCを見たり、さきほどまでNHK・TVの特集番組を見たり、リモコン片手に経過を追っかけている。期日前投票では38％の有権者が投票をすませていて、この数字は前回の22％を上回り、まさにアメリカにとっては歴史的な選挙と言えるようだ。オバマ氏か、マケイン氏か。日本時間のあした昼頃までには結果がでる。　「泣いて暮らすより、社会が変わることに賭ける」と言っていた黒人女性の言葉が印象的。50数年間で初めて投票したのだそうだ。

Nov 4, 2008

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東薬大・井口教授の講議

東薬セミナー（2008.11.1）東京薬科大学生物有機化学研究室井口和男教授の講議『海にひそむ宝物』より　【自然界から得られた天然物質を素材とした医薬品として、一般的に次の薬品がよく知られている。】〈モルヒネ〉　ケシの実から得られるアヘンの生成分。鎮痛薬として有用で現在でも広く用いられている。〈ペニシリン〉　アオカビが産生する抗生物質。ジフテリア、肺炎、敗血症等の細菌性疾患に有効。〈キニーネ〉　キナの樹皮から得られる。熱帯性マラリアの治療薬として用いられていた。耐性マラリア原虫の出現で効力を失った。〈アスピリン（アセチルサリチル酸）〉　ヤナギに含まれるサリチル酸を母体として開発された。解熱、鎮痛薬として現在も有効。〈ストレプトマイシン〉　放線菌から発見された抗生物質。多くの細菌性疾患に有効で、特に結核の治療薬として使用された。〈パクリタキセル（タキソール）〉　植物イチイから発見された新しい抗癌薬。乳癌、卵巣癌に用いられる。　【では、自然界から新たな天然物質を探す理由は何か。次の3点が指摘できる。】（1）新たな医薬品や農薬のもとになる生理活性（生物活性；ヒトを含めて生物全般の生態系の間に、相互に、あるいは各固体内において、生理現象になんらか影響をあたえる機能）化合物を発見できる可能性。（2）人間の想像を超える特異な化学構造をもつ化合物を得ることができる。これにより、生命科学および有機化学における学問的理解が深まる。（3）重要な生理活性（生物活性）化合物の発見は、有機合成、生合成、生理学などに関連する研究領域の発展をうながす。　【海洋生物から医薬品や農薬のもととなる生理活性天然物を探る。】　古くから海洋生物は研究対象になっていたが、20世紀後半から探査機等の発展により海底ならびに深海の生物採集が可能になり、研究が著しく進歩した。その結果、人類がかつて知らなかった海洋生物由来の生理活性化合物がぞくぞくと発見されるにいたっている。　【海洋生物から発見された生理活性天然物の例】（1）釣り餌として知られる環形動物イソメには、昔からハエを殺す物質（ネライストキシン）が含まれていることが知られていた。1962年に橋本らによりネライストキシンの構造が明らかにされた。武田薬品工業がこの化合物を素材にして、新たな農薬パダンの開発に成功した。（2）フグ毒の本体が何であるか、古くから関心がもたれていたが、その分離・精製が困難であった。1909年に田原は純度約0.2％の粗毒物質を精製しテトロドトキシン（tetrodotoxin）と命名した。1930年に岡山大学の横尾はトラフグの卵巣から初めてテトロドトキシン（略してTTX）を純粋精製、結晶化に成功。1964年に津田（東京大学）、平田ら（名古屋大学）、ウッドワードら（ハーバード大学）が、ほぼ同時にTTXの構造を発表した。1972年、岸ら（名古屋大学）がTTXの合成に成功した。TTXは、現在、神経生理学の重要な試薬となっている。（3）ウミエラから発見されたドラスタチン10の抗腫瘍作用。ナマコから発見されたホロトキシンAの抗真菌作用（水虫薬）。海綿から発見されたマンザミンAの抗腫瘍作用。　【カリブ海産八放サンゴから発見されたプロスタグランジン】　1930年、新鮮なヒトsemenはヒトuterusを強く収縮したり弛緩したりするという事実が発表された。　1933年から35年にかけて、イギリスのゴールドブラット（Goldblatt)とスウェーデンのヴォン・ユーラー（von Euler)がそれぞれ独立にヒトsemen中の平滑筋刺激物質の研究をおこなった。ヴォン・ユーラーはこの刺激物質が前立腺（prostategland)から生成すると考え、それに因んでプロスタグランジン（prostaglandin)と命名した。その後、前立腺ではなく精嚢腺でつくられることが分った。　プロスタグランジンは存在量が微量であり、当時は、分離・精製の技術も進んでいなかったため、化学者が注目することなく約25年間放置されてきた。　1957年、スウェーデンのベルグストロム（Bergstrom)らはヒツジの精嚢からプロスタグランジ1aを単離し、この化合物が不飽和脂肪酸であり、ウサギの十二指腸に強い収縮をおこさせることを発表した。　1960年、ベルグストロムらはプロスタグランジの化学構造を明らかにした。これに平行してプロスタグランジの生理活性、人工合成、生合成、関連化合物の発見などがつづき、研究が進化した。医薬品化への努力もなされ、いくつかが製品化された。　その後、プロスタグランジはヒトなど哺乳動物の各組織に微量ながら広く分布していることが分ったが、1969年、サンゴの一種に存在することが分り、さらに陸生の哺乳動物だけではなく海洋生物にも分布していることが分ってきた。　しかも、カリブ海産八放サンゴから発見されたプロスタグランジンの含有量はヒトの数千倍になる。　【石垣島近海産軟体サンゴから発見された新しいタイプのプロスタグランジン】　旧藤沢薬品研究グループが最初に発見し、東京薬科大学の山田教授と共同研究、その後、井口和男教授にひきつがれて研究されているのが、石垣島近海産軟体サンゴから発見された新しいタイプのプロスタグランジン（クラプロン）である。（化学構造式略）〈クラプロンの生理活性〉（1）腫瘍細胞増殖抑制作用。（2）抗炎症作用（肉芽細胞増殖抑制）。（3）抗菌作用。抗ウイルス作用。　マウス実験で効果が確認されているが、しかし効果持続時間が非常に短く、それが現在、薬品化への壁となっている。〈クラプロン類の合成研究〉　クラプロン類はその特異な化学構造と顕著な生理活性から、これまで15件ほどの合成研究が報告されている。合成とは入手が容易な簡単な化合物から人工的につくりあげることである。〈クラプロン類の生合成仮説〉　クラプロン類の特異な化学構造物質が生物のなかでどのように生成されるか（生合成）についても興味がもたれてきた。　ハーバード大学のコーリー教授（ノーベル化学賞受賞者）もその生合成について仮説を提案している。その生合成経路は哺乳動物のプロスタグランジンの生合成経路とはまったく異なっている。（化学構造式略）〈クラプロン類の真の生産生物〉　ほとんどのサンゴ類は微細な藻類を体内に共生させている。サンゴは藻類を保護するかわりに藻類が生産する光合成産物（ほとんどが糖類）を利用しているのである。　井口教授らが研究対象としている軟体サンゴもまた微細藻類を共生させている。クラプロン類は宿主である軟体サンゴが生成しているのか、それとも共生藻が生成しているのかという問題がある。　井口教授らは共生藻を分離して培養、その成分を探索したが、どの成分からもクラプロン類および関連プロスタグランジンは検出されなかった。井口教授は共生藻類はクラブロンをつくっていないと判断した。　井口和男教授らの研究は今後の展開へとつづいている。クラプロンを利用しての医薬品化は、エイズ・ウィルスへの効果などが期待されている。

Nov 3, 2008

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会津・伊佐須美神社全焼

　私にとっては驚きのニュースが会津若松のEさんから飛込んで来た。同市近郊の会津高田町（近年改称されて会津美里町）の伊佐須美神社が10月29日に不審火で全焼したというのだ。　この神社の創建は非常に古く、祭神は伊弉諾尊（イザンギノミコト）と伊弉冉尊（イザナミノミコト）そして大毘古命（オオヒコノミコト）と建沼川別命（タケヌナカワノミコト；武渟川別命）の四神。会津という地名の由来にもかかわっている。　たぶんに伝説的なものだが、古事記によれば崇神天皇10年（紀元前88年）、蝦夷平定の勅命を受けた四道将軍・大毘古命と建沼川別命の親子は、大毘古命が北陸道を進み、建沼川別命が東海道を進み、やがて現在の新潟県と福島県との境で出逢った。その地が相津（会津）の地名の起りであるが（後註）、二神は天津岳（御神楽岳）の頂に国産みの祖神・伊弉諾尊と伊弉冉尊を祀った。この社はその後、博士山、明神ヶ岳と遷座し、欽明天皇13年（552）に現在地に遷座したと伝えられる。そのとき大毘古命と建沼川別命も合祀し、その四神の総称として伊佐須美大明神と称した。奥院は明神ヶ岳の山頂にある。会津の領主歴代の尊崇を受け、延喜式名神大社、奥州二之宮、岩代国一之宮、会津総鎮守として現代に至るまで信仰されてきた。　現在、本祭は9月15日であるが、7月12日の御田植祭は日本三大御田植祭のひとつとされている。すなわち伊勢の朝田植え、会津高田の昼田植え、名古屋熱田の夕田植えがそれである。　また、「朱漆金銅装神輿」は重要文化財である。　このたび全焼した本殿は明治時代の建築であるが、明神鳥居形式の大鳥居から楼門を経て本殿へ向う。本殿と渡廊でつなぐ神楽殿、別棟の神饌所もともに約543.3平方メートルが焼失したという。　この事件の前、10月3日にも御札授与所が焼ける事件が起っていたというから、おそらく放火であろう。　しかし、寺社に放火するという事件はめったに聞かない。信仰の有無というより、文化的無意識における禁止領域を超えてしまっていると考えられる事件である。それだけに、心理学的に考察すれば、日本の現代社会で人心になにが起っているか、その深層にふれることができるかもしれない。Eさん提供の写真【註】　古事記は次のように記す。　「故、大毘古命者、随先命而、罷行高志國。爾自東方所遣建沼河別與其父大毘古共、往遇干相津。故、其地謂相津。」　「故、大毘古命は、先の命のままに、高志の國（越の國；日本書記には北陸と記す）にまかり行きき。ここに東の方よりつかわさえし建沼河別と、その父大毘古と共に、相津に往き遇いき。故、そこを相津というなり。」

Nov 2, 2008

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ドングリを拾いながら

　書いておきたい事が幾つもあるのだが、いずれも長くなりそうだ。どうせブログサービスのメンテナンスにひっかかってしまうだろうから、明日、ゆっくり書くことにしよう。　ところで今日は、毎年11月初めの恒例となっている東京薬科大学の学園祭で開催される東薬セミナーを聴講してきた。　生物有機化学研究室の井口和男教授による『海にひそむ宝物』と題して、海洋生物から医薬品や農薬のもととなる生理活性天然物を探る研究について。　および薬学部の林良雄教授による『薬とペプチド』と題して、ペプチド構造に基づく創薬化学研究の最前線についてである。　私がはたしてどこまで理解し、記憶したか、これも明日だ。　同大学へ、私はいつも人ッ子ひとり出逢わない山道を越えてゆく。林のなかを登ったり下ったりしながら、マムシに注意しながら歩いてゆくのだ。今日はコナラのドングリを拾いながら・・・　古本市をのぞいてみるが、今年はあまり手にとるような本がない。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短篇集2册を見つけ、それを買う。『砂の本』（1980年、集英社）と『不死の人』（1985年、白水社）である。　それから例年のごとく薬草園におもむき、見本園を見て、さらに自然林のなかで栽植されているさまざまな植物を見てまわった。とちゅうで気がついて、どんな植物があるかメモしてみた。きょうはそれを掲載してブログのお茶を濁しておこう。東京薬科大学薬草園の植物（丘陵自然観察路周辺、およびスラッシュ（/）以下に見本園と圃場の植物）【ア】アサノハカエデ、アカシデ、アラカシ、アケビ、アケボノウツギ、アマミヒイラギ、アケビドコロ、アンズ、アメリカノウゼンカツラ、アリステア・エクロニイ、アキギリ、アサクラザンショウ、アキカラマツ、アメリカイワナンテン、/　アオチリメンジソ、アメリカチョウセンアサガオ、アサガオ、アカバナサンザシ、アシタバ、アマチャ、アカバナムシヨケギク、アカヤジオウ、アカザ、アカネ、アミガサユリ、アマ、アレチヌスビドハギ、アリステアエクロニイ、アハマスチビア、アイ。【イ】イブキトラノオ、イヌザンショウ、イチジク、イカリソウ、イヌツゲ、/　イヌサフラン、イネ、イチハツ、イブキジャコウソウ。【ウ】ウワミズザクラ、ウチワノキ、ウグイスカズラ、ウィブルヌム・リティドフィルム、ウンリュウツバキ、ウンシュウミカン、ウオレマイバイン、ウスバサイシン、/　ウケザキオオヤマレンゲ、ウツボグサ、ウマノスズクサ、ウォールジャーマンダー、ウチワサボテン、ウスベニタチアオイ。【エ】エンコウカエデ、エビネ、エリトロニウム"パゴダ"、/　エンジュ、エビスグサ、エゾエモギク、エゾリンドウ。【オ】オオハンゲ、オニツツジ、オオカノキ、オオカナメモチ、オオシダ、オオセンナリ、オオデマリ、/　オトコエシ、オミナエシ、オオバコ、オオツヅラフジ、オタネニンジン、オオボウシバナ、オニゲシ、オケラ、オオバナオケラ、オニバス、オシロイバナ、オランダイチゴ、オレガノ。【カ】ガクウツギ、カマツカ、カリン、カワラケツメイ、カナビキソウ、カマツカ、カラスウリ、カタクリ、/　ガジュツ、カワミドリ、カッコウチョロギ、カラスビシャク、カワラヨモギ、カレープラント、ガガブタ、カミツレ、カアワラナデシコ、カニクサウイキョウ。【キ】キバナイカリソウ、キチジョウソウ、キブシ、キツネノカミソリ、キレンゲショウマ、キクイモ、キササゲ、キカラスウリ、キョウチクトウ、キバナダンドウ、ギョウジャニンニク、キンミズクィキ、キツネノマゴ、/キキョウ、キバナツノゴマ、キャットニップ、キズイスイセン、キズイセンが関係した交配種。【ク】クロフネツツジ、クサボケ、クリ、クスノキ、クルメツツジ、/　クサキョウチクトウ、クララ、クコ、クスリウコン、クズウコン、クサノオウ、クロタネソウ。【ケ】ケサクエアツツジ、/　ゲッケイジュ、ケブカワタ、ケイガイ、ゲンノショウコ、ゲンチアナ。【コ】コブシ、コノテガシワ、コウショウシバ、/　ゴボウ、コンニャク、コショウシバ、ゴマ、コガネバナ、コンフリー、ゴシュユ、コバノランタナ、ゴボウズオトギリ。【サ】サンシュユ、サルトリイバラ、サマー・スノーフレーク、サツキ、サカズキツバキ、サザンカ、サトウカエデ、ザイフリボク、サトウキビ、サルココッカ・フミリス、サトイモ、／　サギシバ、サラサウツギ、サボンソウ、サルウィア・リラタ、サントリナグレー。【シ】シキミ、シデコブシ、シャガ、ショウガ、シャクチリソバ、シチダンカ、シュウメイギク、/　シラン、シロネ、ショウドシマレンギョウ、シロバナカザグルマ、シロフジマメ、シャクヤク、シロバナムシヨケギク、ジギタリス、シカクマメ、シンショウダイオウ、シダレエゴ、シロバナハマタデシコ、シロバナマンジュシャゲ。【ス】ズイナ、スイカズラ、/　スイバ、スベリヒユ、スグリモドキ、スイートマジョラム。【セ】セイヨウバクチノキ、センダン、センニンソウ、セキヤノアキチョウジ、/　センキュウ、セイヨウナツユキソウ、セイホクカンゾウ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウベニバナ、セイヨウワサビ。【ソ】ソシンロウバイ。【タ】ダイショ、タチツボスミレ、ダンドウ、/　ダイズ、ダイダイ、タバコ、ダッチアイリス"アポロ"、ダッチアイリス"オリエンタルビューティー"、タチジャコウソウ。【チ】チカラシバ、チゴユリ、/　チリメンジソ、チョウジソウ、チョウセンゴミシ、チャイブ、チコリ。【ツ】ツルグミ、ツゲ、ツクバネ、ツワブキ、/　ツルニンジン、ツノアイシス、ツリガネニンジン、ツバメズイセン、ツメレンゲ。【テ】テイカカズラ、テンニンソウ、テンダイウヤク。【ト】トウゴクミツバツツジ、トチュウ、トウガン、トダシバ、トベラ、トキワノイカリソウ、トサミズキ、/　ドウダンツツジ、トウキ、トモエソウ、トチバニンジン、トウガラシ、ドクダミ、トロロアオイ。【ナ】ナツハゼ、ナツズイセン、ナガイモ、ナガミノキンカン、ナギカズラ、ナルコユリ、/　ナンテン、ナツメ、ナタマメ。【ニ】ニワウルシ（シンジュ）、ニガナ、ニオイカントウ、ニッケイ、ニガキ、ニオイヒバ、ニガカシュウ、ニシキギ、/　ニホンカボチャ、ニチニチソウ、ニガヨモギ、ニワフジ、ニンニク、ニオイダテ、ニオイテンジクアオイ、ニホンズイセン。【ネ】ネコノチチ、ネムノキ、/　ネムロコウホネ。【ノ】ノイバラ、ノアザミ。【ハ】バイカイカリンソウ、バンクシャエリキフォリア、ハクウンボク、ハンカチノキ、バショウ、バッコウヤナギ、/　ハナトリカブト、ハイネズ、ハトムギ、ハナシュクシャ、ハッカ、ハナズオウ、ハナスゲ、ハルウコン、バジルワモン、ハブソウ、ハゴロモグサ、ハス（ハチス）、ハイブッシュ・ブルーベリー、パイナップルセージ、ハナニラウィオラケア、バジル、ハマゴウ。【ヒ】ヒサカキ、ヒノキ、ヒメハギ、ヒガンバナ、ヒイラギナンテン、ヒイラギ、ヒイラギズイナ、ヒナタイノコズチ、ヒメシャリンバイ、ヒメツルニチニチソウ、ヒカゲツツジ、/　ヒマラヤユキノシタ、ヒロハノクワラサイユ、ヒキオコシ、ヒヨス、ビャクブシ、ヒペリクム・カリキヌム、ヒタイコズチ、ビロードモウズイカ。【フ】フジバカマ、ブッシュセージ、フヨウ"ルブラ"、フユノハナワラビ、ハマヒサカキ、フッキソウ、/　フリソデヤナギ、/　フキ、ブンゴウメ、フジマメ、フクリンリュウゼツラン。【ヘ】ベニコブシ、/　　ヘンルーダ、ヘリオトロープ、ベラドンナ、ペラペラヨメナ。【ホ】ホウチャクソウ、ホオノキ、ポポーノキ（マケビガキ）、ホザキイカリソウ、ホウチャクモドキ、/　ホップ、ボタン、ホソベオケラ、ホンシロスイセン。【マ】マルバウツギ、マムシグサ、マメザクラ、/　マルバダイオウ、マオウ、マルバチシャノキ、マユミ、マルバコウ。【ミ】ミスミソウ、ミヤギノハ、ミツバツツジ、ミズヒキ、ミカエリソウミツマタ、ミツバアケビ、ミツバドコロ、ミヤマカンスゲ、/　ミシマサイコ。【ム】ムサシアブミ、ムラサキシキブ、ムクロジ、ムクゲ、ムベ、/　ムラサキ、ムラサキバレンギク、ムラサキセンダイハギ。【メ】メリケンカルカヤ、メグスリノキ、メギ、メタセコイア、/　メハジキ、メドハギ。【モ】モミ、モクゲンジ、モクレイシ、モモ、モミジグサ。【ヤ】ヤブムラサキ、ヤマシャクヤク、ヤブコウジ、ヤマザクラ、ヤマシバカエデ、ヤマツツジ、ヤブカンゾウ、ヤマベニシダレ、ヤマアジサイ、ヤマブキショウマ、ヤマブキソウ、/　ヤマブキ、、ヤエクチナシ、ヤマノイモ。【ユ】ユキノシタ。【ヨ】ヨレスギ、/　ヨモギ。【ラ】ラミアストルス・グレオブドロン、ラヌンクルス・ヒスピドゥス・カリケトルム、/　ラベンダー、ラッパズイセンの系統。【リ】リュウキョウウヤブラン、リョウブ。【ル】ルリヤナギ（リュウキュウヤナギ）。【レ】レンゲショウマ、/　レモングラス、レモンバーム。【ロ】ロードデンドロン・デコルム、ロニケラ・ニティダ、/　ロシアンタラゴン。【ワ】/ワタチョロギ。

Nov 1, 2008

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