脱水を予防するための看護の注意点
雨があがったと思ったら、今日の東京は、夏をおもわせる暑さとなった。 我家の裏山を二階の窓からのぞむと、山頂のうっそうとした葉叢はゆるやかに動いてい、少しは風が吹いていることがわかる。しかし、この二階の部屋まではとどかぬ。きのうまでの雨に濡れた地面から、温気がたちのぼり、じっとりとした暑さだ。顔と眼鏡との間にモ~ッとした熱がたまる。いや、暑い暑い。 こういう日の在宅看護は、脱水症状がおこらないように、注意がたいへんだ。機能が低下しているから、健常者にくらべて比較にならないほどたちまち脱水がおこるのである。さいわい老母の状態は安定している。が、訪問医師や看護士の寄せる情報は、この3月以来、たくさんの方々が脱水症状で入院しているとのことだ。【脱水を予防するための看護の注意点】 1)検温を日に何度かおこなって、熱がこもっていないかどうかチェックすること(記録しておくとよい)。 2)血圧も測定すること。普段より低目だと、暑さのために血管が太くなっている可能性がある。医師と相談すること。 3)汗をかいていないか、不汗蒸散(汗をかいていないように見えながら、実は水分が蒸発している状態)していないかどうかを注意して観察する。 4)小便がたくさん出ているかどうか(少なくとも一日1,000cc(ml)は必要。成人男性なら1,500ccくらいがのぞましい)・・・これは腎機能が低下していないかどうかの重要な目安。 5)下痢がつづいていないかどうか。 6)聴診器があれば(常備しておくと大変役立つ)、心音や肺音(正常な肺は、雑音がなく、スースーと風船がふくらんだり凋んだりするような音がする)を確認する。 7)白湯など、できるだけ水分を多めに与える(嚥下機能が低下している場合は、特に、誤嚥に注意。一回一回飲み込みを確認しながら、ゆっくり、少しづつ飲ませる。ゼリー状の飲料水もある)。 なお、与えた食物量や飲料など、薬のための飲み水も含めて、また、一日の小便の量や大便の状態もいっしょに、すべて日記のように記録しておくと、脱水かどうかのプラス・マイナスのバランスを客観的に把握しやすい。医師や看護士にとってもたいへん良い参考になる。記録は、たとえば、「薬+水 30cc(ml)」というふうに。スポーツ・ドリンクのような飲料水でも、むやみに飲ませるのではなく、吸呑などで測って与えるとよい。